通勤という旅路
「通勤時間を楽しいものにしたい」
それが最近の私のテーマです。
通勤時間というのは一年で換算するとかなりの割合を占めていることに驚かされます。
毎日というわけにはいかなくとも、せめて休日前の帰りの時間だけでも有意義にすることは出来ないでしょうか。
そこである日、私はある試みをしてみました。
休日前の仕事終わりに家には帰らず、あえて一泊してみたのです。
はたして結果はどうなったのでしょうか。
市ヶ谷のホテルを出てすぐ、中央線の走る線路上から見下ろすところに釣り堀がありました。
まだ開店前のようでしたが、中央線の駅からすぐのところにこんな場所があるとは思いもしませんでした。
そのまま靖国通りを直進すれば街道の由来である靖国神社へとたどり着きます。
靖国神社といえば正面入り口の大きな鳥居が印象的ではありますが、通り沿いからは門をくぐって入ることになります。
門を守護する狛犬の力強い前足に目が留まりました。
神社など、古来から伝わる日本の建築様式には光と影のコントラストが良く似合います。
靖国神社は戦没者を奉る神社です。
資料館の中には実際に使用された乗り物や兵器を、戦地跡から部品を寄せ集めて展示されています。
写真にあるのは当時実際に現地で走っていたSLです。
靖国神社を出てすぐに日本武道館が見えてきました。
武道館の周囲には緑地が広がり、遊歩道を歩けば都会の喧騒を忘れさせるような森林が広がっています。
天気に恵まれたとはいえ木陰に入れば身震いするほど冷え込んでいましたが、木漏れ日を見ていると不思議と寒さを忘れる瞬間がありました。
公園を出て濠沿いを歩いていけば日比谷公園にたどり着きます。
考えてみれば東京の中心には案外緑が多いのです。
コンクリートジャングルなんていう言葉がありますが、東京でも十分に自然と親しむことができるのだと思いました。
日比谷線に乗って上野へ。
ここにも多くの自然に出会うことができます。
不忍池の蓮はすっかり葉を落としてしまっていますが、のんびりと日向ぼっこを楽しんでいるカモメたちを見ると癒されます。
不思議なもので、ホテルを出た瞬間にはすっかり旅をしているに気分になっていました。
結果として、仕事の延長のようにしてただ帰るのではなく、帰る道や手段を変えてみるだけで多くの発見がありました。
特別遠方に出掛けたわけではありませんが、小さな「旅」をすることができたわけです。
「日常」の中に少しの「非日常」を加えれば、毎日の通勤もたちまち「旅路」に変わるのだと思いました。
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