週刊カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『機能的な機械は美しい ライカM4』
┃週刊カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『機能的な機械は美しい ライカM4』
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~こちらの記事は2010年04月15日に掲載されたものです~
ライカM4は、M2をベースとして開発されました。
M2は製造コストの掛かるM3をベースに、普及機として開発。
完成させるにあたり、大きな変更点としてファインダーの簡略化が図られました。
M3のほぼ等倍で50mm・90mm・135mmのフレームを、
実用性の高い35mm・50mm・90mmと倍率を下げることで、プリズム系の製造工程を簡略化。
しかし、常に視野にあった50mmフレームは、各レンズのフレームのみが見えるように変更されました。
フィルムカウンターについては、裏蓋を開けることによる自動復元は省略され、手動式となっています。
初めはM3の普及型を目指したM2でしたが、製造台数が増えるに従い完成度も上がり、逆にその技術をM3に
フィードバックさせている部分も見られるようになり、
ついには「製造終了に近い機番のものは、M3の性能を超える」と言うユーザーも現れました。
M4はもはやM3の簡略化の流れではなく、
実用性と速写性、そして機能美に優れた当時のライカ社の技術を結集させた、最高のカメラとなりました。
M3の等倍に近い高精度のファインダーではないものの、35mmから135mm(75mmは除く)までのフレームをカバーし
(のちのM4-Pにおいて28mmフレームを搭載)、M2-Rで培ったフィルム装填を簡単・確実なものにする
ラピッドローディングを一歩進めた、巻き上げ軸やクランクによる巻き戻しシステムを採用。
巻き上げレバー形状の改良などにより、すべてのユーザーにとって容易で迅速、かつ確実な撮影を
可能にした、現在でも操作面において完成度の高さをうかがえるモデルです。
M4は1967年の発売から1984年のM6に移行するまで、約17年間にわたり数多くのモデルを発売。
軍用のオリーブ、各種記念モデルなど、その時代背景に常に関わってきたカメラでもあります。