週刊カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『独自機能を盛り込んだRTS III 』
┃週刊カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『独自機能を盛り込んだRTS III 』
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~こちらの記事は2010年11月04日に掲載されたものです~
1990年、コンタックス歴代機の中で最も堅牢かつ独自機能を盛り込んだ「RTS III」が発売されました。
シャッター速度は秒間5コマ、1/8000秒を搭載。バキューム機構、プレフラッシュスポット測光などの機能をはじめ、
金属ボディの質感やシャッター音など、コンタックスマニュアル一眼レフの頂点に相応しい造りがなされています。
◆フィルムの平面性を高めたバキューム機構◆
一般的な35ミリフィルムカメラは、圧板でフィルムを押しつけフィルムの両脇についているパーフォレーション
(フィルムの縁に一定間隔で開けられている穴)をギアで引っ張ることで平面化をしてきました。
それでもフィルムのピント面のカーリングや凸凹により、正確なピントのためには障害の一部とされてきました。
しかしRTS IIIは、その問題をバキューム機構の採用により解決しました。
バキューム機構は、フィルムを圧板にピッタりと吸い付けることでフィルムの平面性を飛躍的に高めることが出来る機構です。
圧板にはセラミックが使われ、表面にはフィルムを空気で吸引させる3本のRTV吸引スリットがあります。
動作では先幕走行直前にフィルムを圧板に吸引し、後幕走行後に吸引状態が解除される仕組みです。
これにより、フィルムの平面性と位置が安定し、明るいレンズの開放撮影や高解像フィルムを使った
精密な描写にも威力を発揮します。
◆クオリティの高い撮影を可能にしたプレフラッシュTTL測光◆
プレフラッシュTTL測光システムは、本番撮影前にストロボだけを発光させてテスト測光するシステムです。
このシステムによって、ダイレクト測光の課題となるフィルム反射率の違いによる測定誤差などの不安定要素から解放され、
定常光と同レベルの精密露光ができるようになりました。
CONTAXのシステムストロボの場合は自動調光した発光量を記憶することができますので、
その後の絞りの調節で自由に露出をコントロールすることができます。
プレフラッシュTTL測光にはオートとマニュアルがあり、マニュアルで使用した場合に汎用ストロボでも活用することができます。
◆明るく見やすい視野率100%ファインダー◆
視野率100%のファインダーは、アイポイントが約28mmとメガネをかけている人も見やすい設計がされています。
視度調整範囲も+1~-3まで設けられ、アイピースシャッターが付いています。
ファインダー内表示にはブルーの液晶が使われ、右側にはシャッター速度、
下には絞り値や露出補正、ストロボマークなど撮影に必要なことが見やすく表示されます。
◆2種類の測光方式と4種類の撮影モード◆
測光方式は、TTL中央重点平均測光とスポット測光の2種類が用意されています。
そのうちスポット測光は、ファインダー中央の直径3mm内にあたる被写体の明るさのみを測光するので、
周囲に影響されない正確な測光が出来ます。
露出モードは絞り優先AE(AV)、シャッター優先AE(TV)、マニュアル(M)、バルブ(B)の4種類。
その中でTVモードの時は注意をしなければいけないことがあります。
コンタックスのレンズにはMMレンズ(プログラムAE・シャッター速度優先AE対応)
とAEレンズ(絞り優先AE対応)の2種類があり、TVモード時にはMMレンズは使用できますが、
AEレンズ使用時はTVモードでも自動的にAVモードに変更されます。
===========CONTAX RTS III作例写真===========
CONTAX RTS III + CONTAX Planar T*50mm F1.4 MM
CONTAX RTS III + CONTAX Distagon T*35mm F1.4 MM
CONTAX RTS III + CONTAX Planar T*85mm F1.4 MM