週刊カメラーズ・ハイ!第18回 『 Nikon Ai Nikkor 58mm F1.2 Noct 』
Nikon D800 + Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct
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┃週刊カメラーズ・ハイ!第18回 『 Nikon Ai Nikkor 58mm F1.2 Noct 』
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夜という意味の言葉をレンズ名にした物は非常に多い。
レンズで有名なところでは、Leica “Noctilux”Nikon “Noct Nikkor”の二つではないでしょうか。
最近ではPanasonic “Nocticron”も発売され、その幻想的な名前が多くの人を魅了してやみません。
今回は、その中でもNikon“Nikon Noct Nikkor”の話です。
Nikon好きはもちろん、一度は使いたいレンズとして名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
《 Nikon Ai Nikkor 58mm F1.2 Noct 》
1977年3月に発売されたAi Nikkor 58mm F1.2 Noctは、Nocturne(夜想曲)から付けられた名前の通り、
夜間撮影や天体撮影をすることにおもむきをおいたニッコールです。
通常、大口径レンズは絞り開放付近になると、“サジタルコマフレア”という現象が起こります。
サジタルコマフレアとは、点光源が画面周辺部で鳥が羽を広げたような形状のフレアのことを言います。
フレアを解消するには、絞りを1段から2段絞れば解消されますが、それでは明るいレンズの意味がありません。
そこでノクトニッコールは、色収差と球面収差の補正ができ、尚且つ大口径レンズに適したガウスタイプのレンズに
高屈折率ガラスを用い、大きな前玉を非球面レンズとすることで、サジタルコマフレアを極限まで解消することに成功。
さらに、収差を極限までコントロールする非球面レンズを作るには、高精度な技術と熟練した研磨技術者、
厳しい検査などが必要だったこともあり、簡単にできあがるレンズではありませんでした。
この極限までの手間をかけ、最高のレンズを作り上げた時間と労力が、描写と価格の反映されています。
1982年4月レンズ設計はそのままに、Ai-Sにモデルチェンジした「Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct」が発売され、
15年後の惜しまれながらも1997年に生産終了。
現在、“Noct Nikkor”の名前の付いたレンズは発売されていませんが、その設計思想を受け継いだレンズ
「AF-S NIKKOR 58mm F1.4G」が発売されています。
「点が点に写る」レンズを表現した「Ai Nikkor 58mm F1.2 Noct」。
その思いや意思を受け継ぎながらも、それ以上の物作りに挑むNikonの姿勢に感服するばかりです。
————- Nikon Ai Nikkor 58mm F1.2 Noct 作例写真 ————-
Nikon D800 + Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct
Nikon D800 + Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct
Nikon D800 + Ai-S Nikkor 58mm F1.2 Noct
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