週刊カメラーズ・ハイ!第7回 『Leica M Monochrom』
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┃週刊カメラーズ・ハイ!第7回 『 Leica M Monochrom 』
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フィルムカメラ愛好者に衝撃を与えた、Kodak製フィルムの価格改定。
今後、モノクロフィルムの代名詞である『TRI-X400』も、大幅に値上げされる見通しだ。
理由は、原材料高騰と世界的な需要減。
デジタルカメラ全盛期の今。
カメラを持てば誰でも簡単に写真が撮れる時代。
手間と時間、そしてコストが掛かる、フィルムには厳しい風が吹いている。
そんな中、筆者もライカにTRI-Xを通し続け、微力ながら支持を続けている一人だ。
しかし、「デジタルカメラでは自分の思い描く世界は撮れない」と頑なに信じ続けていたフィルム派の私が、
今から一年半前に手にしてしまった、新しい選択肢。
それが、『Leica M Monochrom』である。
そう・・・フィルムカメラでは無く、デジタルカメラである。
しかし、搭載しているイメージセンサーは通常にあらず。
ローパスフィルターおよび、色情報を読み取るカラーフィルターを非搭載。
モノクローム撮影専用設計。
光の輝度情報のみを記録する事に特化したCCDセンサーが織り成すのは・・・
純粋なモノクロ写真
デジタルカメラで撮ったと俄かに信じがたい階調表現。
その逆に、フィルムでは為しえなかった驚愕の解像力。
撮影したデータを現像ソフトで処理する際は、ネガフィルムを紙焼きする暗室作業と同様だ。
シャドーからハイライトにかけての丁寧な調整作業。
モノクロフィルムと散々付き合った方なら、親和性は高いはず。
明るい部屋でパソコンに向かっていると、付属する現像ソフト、Adobe「Lightroom」のネーミングが秀逸だと再確認させてくれる。
現像ソフトのスライダーを少しでも動かすと浮き上がる、シャドー部に隠されていたもの。
そこには、フィルムとも、従来のデジタルカメラとも違う、全く新しい世界が広がっている。
脈々と受け継がれたレンジファインダーシステム。
もちろん、今までフィルムで撮影に用いてきたレンズは、一部を除いてそのまま活用が可能だ。
シルバーのカラーバリエーションも増え、デジタルカメラとしては息の長いプロダクトとなりそうだ。
フィルムライカも使いつつ、一つの“可能性”に触れてみてはいかがだろうか。