週刊 カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『先進機能を凝縮 EOS-1D Mark III』
┃週刊 カメラーズ・ハイ!【アーカイブス】『先進機能を凝縮 EOS-1D Mark III』
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~こちらの記事は2009年08月06日に掲載されたものです~
2007年、EOS-1D Mark II Nの後継機種としてキヤノン「EOS-1D Mark III」が発売されました。
さらなる高画質を追い求めた新開発のCMOSセンサーや、映像エンジン「DIGIC III」を2個搭載したデュアル構成など、
最先端のカメラ技術を惜しみなく投入することで、これまで以上の進化を遂げたプロ用デジタル一眼レフカメラです。
有効画素数は約1010万画素。新開発の大型CMOSセンサーAPS-Hサイズ(28.1×18.7mm)を搭載しています。
キヤノンのCMOSセンサーは低ノイズ撮像素子として高い評価を得ていることもあり、長時間露光・高感度撮影で、
ノイズの少ない画像を得ることができます。映像エンジンには、DIGIC IIの基本設計を継承しながら、
さらなる高速・高性能化を実現した新開発の「DIGIC III」を2個搭載。
それにより、約1010万画素の膨大なデジタルデーターを高速かつ高精細に処理し、
高い解像度と豊かな階調性を実現しています。
また、感度はEOS-1D Mark II NのISO100~1600から、ISO100~3200に拡大し、
感度拡張でISO50、ISO6400までの幅広い感度でノイズの少ない画質を実現しています。
さらに、適正露出が得られないときにISO感度をカメラが自動的に変更する「ISO感度セイフティシフト」機能も新たに搭載。
明るさが極端に変わる状況で撮影するときなどに便利な機能です。
シャッター速度は最高1/8000秒、シンクロ同調1/300を実現。
連続撮影は最高約10コマ/秒、連続撮影可能枚数はJPEG(ラージ/ファイン)で約110枚。
RAWで約30枚とプロの過酷な撮影に対応できる機能を搭載しています。
撮像素子へのセンサーゴミ対策としては、ゴミを「出さない、付けない、残さない」を基本コンセプトに開発された
「EOS I.C.S.(EOSインテグレイテッドクリーニングシステム)」をプロ用デジタルカメラとして初めて搭載。
内部からのゴミを出さないために、撮影作動耐久30万回を視野に入れて造られたシャッター機構や、
ゴミの付着に大きな影響を及ぼす静電気を徹底除去。
センサー前面に、赤外吸収フィルターと一体化された「セルフクリーニングセンサーユニット」を搭載しています。
また、油分を含むゴミなどで除去できない場合には、付属のソフトウェア「Digital Photo Professional」を
使用して画像からゴミを除去することも可能です。
AF測距点には、19点クロス+アシスト26点という新エリアAF方式を採用。
従来のEOS-1D系は45点すべてのAFフレームが任意に選択できたのに対し、EOS-1DMark IIIは19点のみが選択できます。
スペックダウンと思われがちですが、従来のEOS-1D系は中央部7点のみが
F2.8センサーで残りのAFフレームは全てF5.6AF測距点になります。
それに対し、EOS-1D Mark IIIはF2.8クロスセンサーが画面中央/左右に19点とF5.6アシストセンサーが26点に変更されました。
これにより、従来機ほど細かくAF測距点を選ぶことはできませんが、
これまで以上に緻密で安定した高精度・高速AFを可能にしました。
液晶モニターは23万画素3.0型大型TFT液晶を採用。斜め方向からの視認性も高く、
ハイ・ローアングルでの撮影も簡単に行うことが出来ます。
また、EOS-1D系としては初めて、液晶を見ながら撮影できるライブビュー機能を搭載。
ピント合わせがシビアな場面でも対応できるように、5倍・10倍の拡大や、
シャッターを切る前の被写界深度/撮影露出の確認などができるようになりました。
ボディ外装・内部構造には、強さと軽さを兼ね備えたマグネシウム合金を使用し、堅牢性を確保。
過酷な条件下で使用されることを想定した防塵・防滴性能に加え、異物の混入から内部を防ぐ高い気密性も確保されています。
中古市場でも、EOS-1D Mark IIIの評価は高く、価格差こそありますが
後継機種EOS-1D Mark IVと肩を並べるほどの人気を誇っています。
ご検討機種であれば是非、一度手に取り、重さや触った時の感触、耳心地の良いシャッター音を実感してみてください。
また、よりハイスペックな機種をお探しなら、後継機種であるEOS-1D Mark IV、EOS-1D Xもオススメします。
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