皆様、フィルムはお好きでしょうか。
筆者はフィルム写真を始めたとき、このフィルムはどんな写りをするのだろう。と雑誌やネット記事等いろんなものを読み漁りました。
好みのものを見つけては試写し、前回使ったものとここが違うと一喜一憂したりと大変楽しかった覚えがあります。
「銀塩写真列伝」ではそんなフィルムに焦点を当て、各フィルムの特徴などを作例とともに紹介し、フィルム選びの助けとなることを目指しています。
世の中には期限の切れたフィルムを含めたくさんのフィルムがありますが、今回の連載ではマップカメラでお求めいただけるものに焦点を当てご紹介したいと思います。
フィルム入門の方も、すでにお使いの方も楽しんでいただければ幸いです。
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今回ご紹介するのはモノクロフィルムです。
デジタルカメラでもモノクロ機能を使用することができますが、フィルムで撮影するとひと味違ったものになります。
Rollei Superpan 200はスーパーパンクロマティックのモノクロフィルムです。
スーパーパンと聞いて筆者は「何かすごいパン」を想像してしまったのですが、スーパーパンクロマティックの略だったようです。
前回ご紹介したRollei RPX100のフィルムとは少し異なり、赤外線光付近まで感度がある特殊なフィルムです。
空が黒く写り雲の形がくっきり出たり、太陽に照らされたものが白く飛びやすくなったりと、撮影に一工夫加える事が出来るフィルムです。
赤外線撮影用のフィルターを使用すれば赤外線撮影も可能、太陽の光に照らされた葉などが白くなり、まるで雪の降り積もったような表現ができます。
黒は引き締まり、白は淡くモノクロで表現ができる興味深いフィルム、
今回はCONTAX T3と組み合わせて撮影しました。
実際に写真をご紹介したいと思います。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
露出補正はかけていませんが、空が黒っぽくなり雲が強調されています。
CONTAX T3搭載のSonnar 35mmのシャープな写りとも相まって、コントラストの高いメリハリのついた一枚になりました。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
日常では「スーパーパンクロマティック的使い方」をする機会はなかなか無いため、今回はスナップ撮影をメインにしてみました。
ISO200のモノクロフィルムとして通常通り使用しても楽しめるフィルムであると感じました。
引き締まったスーツの黒い質感、精細な表現が魅力的です。
普段使っているKodak TRI-X400に加えてぜひ買い足したいフィルムとなりました。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
アンテナとソーラーパネルはメカ好きには堪りません。
隙間から覗いているというのも高ポイントです。
家庭用のソーラーパネルが実用化され、長年憧れを抱いているのですが、自宅の屋根につけたところで自分では見えないというのが悲しいところです。
近所の方がソーラーパネルを導入しないかといつも期待しています。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
都内に出てからよく目にするようになった首都高、巨大な道路が頭上にあるというのは大変ロマンがあります。
こちらの写真でもちぎれた雲がしっかり描写されています。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
線路の下をくぐるようにつくられたトンネル、少し物寂しい感じがします。
左側の茂みと右側の茂みを見比べて、こんなにも違いが出るのかと赤外線写真にとても興味が湧きました。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
ふらふらと散歩の途中、光がさす道路のコントラストがきれいです。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
擬音語や擬態語を使って写りを表現してしまうのを避けるようにしているのですが、
これはどうしてもパキッとした写りと表現したくなる一枚です。
露出をアンダーにして落ち着いた雰囲気になりました。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
今回使用したCONTAX T3はコンパクトサイズながらも技術の粋を詰め込んだお気に入りのカメラです。
初めて使うフィルムを試したり、旅行やデジタルカメラを持ち出す日のお供にも欠かせません。
写真のように逆光もお手の物。
初めてのフィルムカメラにもおすすめです。
CONTAX T3 + Rollei Superpan 200
「いつも」とは違う、知的好奇心を高めてくれるフィルムです。
このフィルムで赤外線撮影の雰囲気を味わい、本格的に挑戦してみるのもきっと楽しいと思います。
Rollei Superpan 200、お手元に一ついかがでしょうか。