

カメラを始めたばかりの頃、まず私が好んで手に取っていたのは単焦点レンズでした。中でも35mmや50mmという焦点距離は、私の撮影の基礎を作ってくれた欠かせない存在です。
もちろん用途にはよりますが、スナップ撮影をメインに楽しみたいというような初心者の友人には、まずこの2つのどちらかを勧めることが多い気がします。それほどまでに、この2つの画角は王道であり、間違いのない選択肢であるからです。
しかしそんな私が最近いちばんのお気に入りとして持ち歩いているのが、ちょうどあいだの「40mm」という焦点距離です。
各メーカーから名玉が揃う35mmや50mmに比べれば、少しマイナーで控えめな存在かもしれません。しかし実際に使ってみると35mmよりも一歩踏み込め、50mmよりも少しだけ視界が広がる、そんな絶妙な使い勝手の良さがとても心地よく感じます。
そこで今回私がご紹介したいのは、今最も信頼を寄せているNikon Z 40mm F2。そのスペックと合わせて、年始に撮影したスナップでの作例を交えながら、このレンズの魅力をお伝えできればと思います。使用ボディはZ5IIです。
2021年に発売された本レンズの性能は上記の通り。開放F2というスペックは、「とろけるような大きなボケを存分に味わいたい」という方にとっては物足りなく映るかもしれませんが、実際シャッターを切ってみると、主役となる被写体を十分に際立たせることができます。また、F2の明るさがあれば、日が落ち始めた夕暮れ時や光量の少ない室内といった暗所での撮影でも、特段困ることはありません。
そして、このレンズで何より注目したいのが、片手にすっぽりと収まる圧倒的なコンパクトさ。
今回使用したZ5IIやZ 6シリーズといったフルサイズ機との組み合わせはもちろん、Z fcやZ 50といったAPS-C機に装着した際のバランスも抜群。APS-C機では換算約60mm相当の画角となり中望遠寄りの標準レンズとして、ポートレートのようなスナップも楽しくなります。
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では、ここからは作例とともにご紹介していきます。

運よく寒さが和らいだ、穏やかな冬晴れの休日。この日は友人たちを誘って神社へと足を運びました。 松の内を過ぎ、初詣のピークは去った頃かと思っていましたが、境内はまだ新年の活気と多くの参拝客で賑わいを見せていました。
例えばこうした混雑した場所では、大きなボディや長いレンズを構えるのは少し気が引けてしまうものです。しかしそんな躊躇とは無縁なのがこのレンズ。周囲に威圧感を与えることなく、また人にぶつかってしまうような心配もない。日常の延長線上で自然にカメラを向けることができます。
また実際に風景を切り取ってみて改めて感じたのは、この画角の勝手の良さです。 広すぎて余計なものが入り込むこともなく、狭すぎて窮屈に感じることもありません。切り取りすぎず、情報は多すぎない、という40mm特有の距離感は、自分の目に映る景色をそのまま形にしてくれる感覚があります。
また、太陽を構図に入れてシャッターを切ってみましたが、逆光耐性も優秀。フレアやゴーストに悩まされることもなく、冬の透き通った光をクリアに捉えてくれました。

せっかく参拝に来たのなら、欠かせないのがおみくじです。変わった繭のおみくじを引いた友人の手元にわらわらと集合。繭の柔らかな質感を拾ってくれ、またニコンらしい自然な色合いで爽やかな水色がよく映えています。
こんな場面で焦点距離によっては、これじゃうまく収まらないなと、輪から少し離れたところでカメラを構えた経験が過去にありました。けれどそんなちょっとした疎外感を感じずにいられるのが本レンズです。友人たちと楽しく会話を弾ませながら、同じ位置で、同じ景色を見つめながら、カメラを構えることができる。 このレンズを私が愛用する大きな理由のひとつと言えます。


ふと見上げると、そこには凛と咲く梅の花が。 色鮮やかな草花が少ないこの季節、小ぶりの白い花弁たちが咲き誇る姿に思わず足を止めて見惚れてしまいます。
このレンズのボケ味は、ただ背景を溶かすようななめらかなボケというより、輪郭をうっすらと残した玉ボケさえもが景色の一部として馴染むような、印象的なボケ感です。主役を際立たせつつも、その場の空気感を損なわないそんな絶妙なバランスを感じさせてくれます。
また最短撮影距離が29cmというのもこのレンズの大きな武器です。 2枚目の写真は花弁にグッと近寄って撮影してみました。開放付近での立体感のある描写は、私たちが普段肉眼で何気なく見ている景色以上の世界をファインダー越しに見せてくれるように思います。


お待ちかねのご飯の時間。 小腹が空いた休憩時には、ホイップクリームがたっぷりと乗った甘いドリンクを。そして夜にはアジアン料理のお店へ。どちらも照明を落とした少し薄暗い店内でしたが、そんなシーンこそこのレンズの明るさが頼りになります。
また、本レンズを使って改めて実感したのは、テーブルフォトにおけるおさまりの良さです。 カフェやレストランで椅子に座ったまま自然な姿勢でカメラを構える、それだけで欲しい画角がちょうど目の前に現れる。この機動力こそ、日常スナップにおける正義だと感じます。
普段カメラを持ち歩かない日はスマートフォンで手軽に済ませますが、やはりこうしてカメラを構えて、一段上の画質で記録するのは格別な体験だと感じます。
後日友人たちに共有した写真を想像以上に喜んでもらえたとき、カメラを持ち出して良かったな、と心から思うのです。

いかがだったでしょうか。
35mmでも50mmでもない、その真ん中にある「40mm」という絶妙な焦点距離は、ありのままの距離感でその場の風景と、また周りの人たちと向き合わせてくれます。
今回ご紹介した Nikon Z 40mm F2は決して最高級のスペックを誇るレンズではありませんが、持ち運びストレスのない軽量コンパクトさと、大切な瞬間を逃さずにいられる機動力、そして期待を裏切らない確かな描写力を持っています。
もし、今の撮影スタイルに少しだけ新しさや軽快さをプラスしたいと感じているなら、ぜひこの40mmという選択肢を検討してみてください。きっとあなたの視界に新しい心地よさを運んできてくれるはずです。
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