【Voigtlander】MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount で撮った夏の日。
アポウルトロン?マクロ?
初めてこの名前を聞いたときには驚きました。
ULTRONのハーフマクロレンズ、しかもAPOの冠がついたULTORONがフジフイルム用として。情報量が非常に多い新レンズでした。
8月に発売された『Voigtlander MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount』
ULTRONだからカッチリ写るのだろう、という大体の予想も軽く上回る結果となりました。
標準域のハーフマクロレンズという使いやすさもとてもおすすめの一本です。
普段からあまり現像処理をしないように心がけていますが、今回はすこし大袈裟に現像してみることに。
多彩なフィルムシミュレーションで表現してみました、ぜひご覧ください。
ピント面の葉っぱに付いた水滴の立体感たるやお見事。粗を探そうと思ってじっくり見たのに、写りのすごさに改めて感激してしまいます。
絞りはF4、フィルムシミュレーションは「Velvia」に設定しました。そのままでは全体的にコントラストが高くなってしまうためシャドウなどを引き上げ全体の画を明るくしてみました。
見せたいのは左側、緑苔のピント面ですがハイライトが強めになってしまった茶色い幹のほうに視線が。反省です。
フィルムシミュレーションは「PROVIA」。ちなみに絞り値はF2.5とやや絞りました。このやや絞りが「美味しい」絞りかなと思いましたがもう少し写真を見てみることにします。
ハーフマクロの特性を活かして、少しだけお茶目に。最短撮影距離でめいっぱい被写体をボカしてみました。
『Voigtlander MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount』は本当に良く写るレンズで、基本的な性格は「真面目」だと思います。
こういう写り方をしてくれるのは、個人的には嬉しい誤算でした。「Velvia」で色のインパクトを強めてみることにしました。
接写性能は言うことなしで、望遠域がほしいという状況でなければ一本だけで本当に多彩な表現が可能なレンズだと思います。
色味はあまり誇張せずにコントラストは欲しかったので「PRO Neg. Hi」をチョイスしました。
そして絞り開放F2でやや距離のある被写体を撮っても、この立体感です。スペック値以上の写りの良さを感じさせます。
実際の色味やコントラストより少し濃いめ、記憶色をイメージして「Velvia」にしました。
フィルムシミュレーション「クラシックネガ」にて撮影。
ややハイキーに現像してみたところ、逆光で白鳥がまとう柔らかい光が見えてきました。
フィルムシミュレーション「ACROS + Rフィルター」にて撮影。
開放絞りの周辺へのなだらかなシルキーさと中央部の解像力の高さに「APO-ULTRON」の実力を垣間見た気がします。
ハイライトとシャドウのコントラストをはっきり見せたいと思い、フィルムシミュレーションは「ETERNA/ブリーチバイパス」をチョイス。
このカットもF4に絞ったのですが、いやはや。素晴らしい解像力です。絞った画の鮮鋭さを楽しむのもまたこのレンズの楽しみ方でしょう。
ブラウン系の色味があるときは「クラシッククローム」のチョイスが多い筆者。
木板や革の微妙な色合いを表現するのにぴったりなフィルムシミュレーションだと思っています。
最後の夕焼けは「Velvia」をチョイス。
思った通りの色味で魅せてくれました。
まだ暑さが残る9月初旬とはいえ、夏を思い出と振り返る時期になってきました。
あれだけ暑さにやられ、早く涼しい季節になってくれないかと願っていても、夕暮れ時に蝉の鳴き声より鈴虫の音が目立ってくると少し寂しさを感じるのも人間。
これから涼しくなっていく秋を楽しみにしながら、夏の思い出の1ページをここに残しておきます。
『Voigtlander MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount』なら秋も冬も撮り方のバリエーションが増えて楽しそうです。
それではまた。
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