2021年9月 新品・中古デジタルカメラ人気ランキング
新品デジカメ9月ランキング | |||
1位 | SONY | VLOGCAM ZV-E10 | デジタルムービーカメラ |
2位 | Canon | EOS R6 | ミラーレス一眼カメラ |
3位 | Canon | EOS RP | ミラーレス一眼カメラ |
4位 | Canon | EOS R5 | ミラーレス一眼カメラ |
5位 | Nikon | Z6II | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | SONY | α7C | ミラーレス一眼カメラ |
7位 | FUJIFILM | X-E4 | ミラーレス一眼カメラ |
8位 | FUJIFILM | GFX 50S II | ミラーレス一眼カメラ |
9位 | Nikon | Z5 | ミラーレス一眼カメラ |
10位 | SONY | FX3 | デジタルムービーカメラ |
2021年9月の新品ランキング、またまた注目の新星が初登場1位を獲得しました。
SONY VLOGCAM ZV-E10、強敵Canon R6に大差をつけての勝利です。
昨年6月から3ヶ月連続で1位を獲得し話題になったVLOGCAM ZV-1の進化系。APS-Cサイズのセンサーを搭載したレンズ交換式のVLOGCAMです。
1年前はまだまだ聞きなれない感もあったVlog(ビデオブログ)撮影ですが、今や幅広い層に定着しつつあります。
VLOGCAM ZV-1は、まだ多くの人々にとって難しいと思われがちだった動画撮影を一気に身近なものに引き寄せることに成功したカメラと言えます。
当時、動画撮影に特化したカメラがそこまで売れるのかと驚いたものですが、今回のVLOGCAM ZV-E10も好調Canonを完全に抑えての1位ですから、ユーザーの動画撮影への興味の大きさがうかがい知れます。
動画撮影時の「リアルタイム瞳AF」や液晶モニター画面をタッチするだけで被写体の動きを追尾する「リアルタイムトラッキング」にも対応、その他被写体を際立たせる様々な撮影機能を搭載。
ZV-1より大きなAPS-Cサイズのセンサーに加え、レンズ交換式ということであらゆる撮影状況にも対応でき、表現の幅をさらに広げることに成功しています。
気になる購買層ですが、店頭での傾向は実に幅広く、まさに老若男女問わずといった感じ。
動画撮影初心者の方は勿論、経験者の方もより気軽に意図した撮影が出来るカメラとしてご購入されていく方が多く見受けられました。
前回1年ほど前のVLOGCAM ZV-1の時は、3ヶ月ほどで購入を検討されている方がほぼ手にされその後失速した感がありましたが、より動画撮影に対するニーズが高まっている現在、はたして人気はどこまで続くのでしょうか。興味深いところです。
今回の新品ランキング、SONYのランクインは1位のVLOGCAM ZV-E10、6位のα7C、10位のFX3という3機種。
前回に引き続き、ランキングの定番であったα7III、α7SIIIといった名前は上がっていません。
α7IIIはメーカーのキャッシュバックキャンペーンがない間は、やはりお客様の選択も中古に流れるようです。
α7SIIIに関しては依然メーカーからの供給不足が深刻で、映像関係のプロカメラマンは皆FX3を選ばれています。
前回12位から今回ランキング内に入ってきましたが、プロフェッショナル系の動画撮影専用機がランクインするあたり、昨今のカメラ市場の傾向を如実に表しているように感じます。
話を上位に戻します。2位EOS R6、3位EOS RP、4位EOS R5と、1位にこそ差をつけられましたが、好調Canon勢がその人気の高さを今回も示す結果となりました。
EOS R6は、もともとの人気の高さに加え8月末からのキャッシュバックキャンペーンが絶大な効果を上げ、VLOGCAM ZV-E10の登場がなければ断トツの1位を獲得していたところです。
実際店頭でも、新製品のニュースが一向にない一眼レフシステムからミラーレス一眼への買い換えをずっと検討されていた方などで、このキャッシュバックキャンペーンに背中を押されたという方が数多くいらっしゃいました。
同じくキャッシュバックキャンペーン対象のEOS RP。2019年3月発売と、思えば息の長いモデルです。
発売当初は、Canonのフルサイズミラーレス機初代に当たるEOS Rの弟分という位置づけでした。
ですが、その頃はフルサイズ系のレンズが大口径のものばかりラインナップされ、せっかくの小型軽量ボディに見合うレンズが少ない状況でした。結果として思ったほどの販売台数の伸びにつながらなかった記憶があります。
現在、発売から時間も経過し価格がかなりこなれてきた感があります。レンズもボディに相応しいサイズのものが揃いだし、フルサイズミラーレス入門機としてうってつけの存在になりました。加えて今回のキャッシュバックキャンペーン、主力機のEOS R6、EOS R5の間に割って入るのも頷けます。
そしてEOS R5。キャッシュバックキャンペーンの対象ではありませんが、依然高い人気を誇っています。
上位機種EOS R3の予約が開始されそちらのご注文も数多く承っていますが、画素数で比較するとEOS R5の方が高画素モデルとなり、連写性能などをそこまで突き詰めてお求めにならない方はEOS R5を選択される方も多いようです。
5位にNikon Z6II。Nikonはあと9位にZ5が入りました。
…前回Nikon待望の1位を獲得したZ fcは? なんとランク外の14位!
早くも人気に翳りが… というわけでは勿論なく、初回入荷以降メーカーからの供給不足が続いてしまっています。
前回の不安が的中する形となってしまいました。
また、10月1日発売となったZ fcのクラシカルなイメージに合うNIKKOR Z 28mm F2.8 (Special Edition)とのレンズキットをご予約し、それまでご購入を控えられた方が多かったのも、今回のランキングに影響を及ぼすことになりました。
結果的にはこのレンズキットも早い段階で品薄となり、現在お待ちの方が多数いらっしゃる状況です。せっかくの1位獲得だったのに、何とも勿体ない。一日でも早くこの供給不足が解消されることを願うばかりです。
ランキングに戻り5位のZ6IIですが、好評の64GB XQDカード同梱キャンペーンが継続中。今回もこの効果があったようです。
残念ながら120GBのカードがつくZ7IIのキャンペーンは9月半ばに終了。そのため(?)か、ランキングからも外れてしまいました。
9位のZ5は、キャッシュバックキャンペーン終了が迫り駆け込み購入が多く見られました。
キャンペーンは10月4日まで。となると、終了後の次回のランキングは… 前回好調だったNikon、不安材料が尽きません。
7位にFUJIFILM X-E4。こちらも人気は高いのですがメーカーからの供給が不足がちで、度々お取り寄せ状態になってしまいました。
その状況がより強く出てしまったのがX-S10、今回もランク外12位に沈みました。
どちらも小型軽量ボディが売りのカメラ。昨今の遠出が難しい状況下で、お散歩カメラ的な役割を担うにはぴったりのカメラだと思われるのですが…
FUJIFILMのAPS-C機、このところちょっと元気がないようです。
…で、その代わりとも言えるのが、今回のランキングでもう一つの注目機、8位に入ったFUJIFILM GFX 50S IIです。満を持して、最後のご紹介。
9月29日発売、約5140万画素のラージフォーマットセンサーを搭載した中判カメラが、なんと初登場8位!
中判デジタルカメラというと、少し前まではとにかく高額、また超高画素ゆえに扱いが難しくプロ専用機というイメージが強かったのですが、FUJIFILMのGFXシリーズはそんな先入観を見事に取り払ってくれるものでした。
2017年2月GFX 50Sと豊富なレンズ群が登場し、人々が抱いていた中判デジタルカメラへの垣根を一気に下げる役割を果たしました。
その後2018年11月にGFX 50Sと同じ5140万画素でありながら驚くほど小型軽量化に成功したGFX 50Rが登場すると、さらに中判カメラ人気が加速。
2019年6月にはGFX 100を発売。こちらは1億200画素という驚異の超高画素モデル。
価格も120万円を超える高額機でしたが、それでもこのスペックから考えれば破格中の破格。海外モデルを愛用していた多くのプロフェッショナルの目が、FUJIFILMの中判機に注がれるようになりました。
続いて出た2021年2月のGFX 100Sでは、同じ1億200万画素でありながら約900グラムのコンパクトボディに仕上げ、価格も70万円前後と抑えることで、プロ以外のカメラマンも超高画素の世界を味わえるようになりました。
そして今回のGFX 50S II。
ホールディング性の良さで評価の高かったGFX 100Sのボディを採用。
画素数こそ5140万画素に抑えましたが、GFX 100Sを上回る手振れ補正機構を搭載させるなど所有するに十分な魅力を備えています。
それでいて価格はなんとボディ単体で45万円を割り、使いやすい標準35-70mmとのレンズキットでも50万円弱という設定。
35mm判システムからの買い替えを本気で考えさせる1台となりました。
現に店頭でも多くの方が、下取交換で35mm判からの乗り換えをされていました。
また迷われている方も、デモ機を手にされ中判とは思えない取り回しの良さを実感、さらにスタッフの撮影体験を聞きご購入を決断されるというケースも多く見受けられました。
本当に触ると欲しくなるカメラ、迷われている方は是非試されることをお勧めします。
発売当初は品薄状態になることもありましたが、現在は在庫ありの状況です。
今回の新品ランキングは、動画撮影専用機から中判機まで幅広いラインナップとなりました。
これはユーザーの撮影スタイルが多様化している証といえます。
そういった様々なユーザーの要求に応える柔軟性や先進性を有しているメーカーが躍進していくことでしょう。
これからの新品ランキングの動向に是非ご注目ください。
中古デジカメ9月ランキング | |||
1位 | SONY | α7III | ミラーレス一眼カメラ |
2位 | SONY | α7II | ミラーレス一眼カメラ |
3位 | Canon | EOS 6D Mark II | デジタル一眼レフカメラ |
4位 | RICOH | GR III | コンパクトデジタルカメラ |
5位 | SONY | α7RIII | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | SONY | α7RII | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | Canon | EOS RP | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | Canon | EOS 5D Mark III | デジタル一眼レフカメラ |
9位 | SONY | α7RIV | ミラーレス一眼カメラ |
10位 | Nikon | D750 | デジタル一眼レフカメラ |
SONY強し!
返り咲き1位のα7IIIを筆頭に、2位α7II、5位α7RIII、同数6位α7RII、9位α7RIVと実に5機種がランクイン。
新品のところでも述べましたが、やはりメーカーのキャッシュバックキャンペーンが終了したことで皆様の目が中古に向けられることになったようです。
9月下旬に行われた中古品の「欲しいを応援SALE」も新品・中古の価格差をさらに広げる結果になり、俄然中古のご購入が増えました。
前回α7シリーズの中では高額のα7RIVが1位を獲得し驚きましたが、今回はα7III、α7IIが上位に。
この2機種は、価格もかなりこなれてきましたのでフルサイズミラーレス入門機としての需要が高いのは確かです。
加えて店頭では、この2機種にマウントアダプターを付けて他メーカーのレンズ、とりわけオールドレンズを装着されている方を多くお見掛けします。
そのような撮影を気軽に楽しむのにも最適なカメラといえます。
α7RIII、α7RIIは、より高画素機を希望される方に支持されました。
4240万画素センサー搭載機が、α7RIIIで20万円前後、α7RIIでは美品でも13万円前後で手に入るのですから狙い目です。
前回1位のα7RIV、今回の順位低下は前回販売数が多かったため中古の商品数が少し減ってしまったことも要因と考えられます。
ファームアップ版α7RIVAの新品との価格差を考えると、6100万画素の高画素モデルに対する人気はまだ続くものと思われます。
一眼レフ機でランクインしたのは、3位Canon EOS 6D Mark II、6位Canon EOS 5D Mark III、10位Nikon D750の3機種。
中古品の価格見直しでプライスダウンしたところに、さらに「欲しいを応援SALE」が加わり、それぞれかなりお求めやすい価格になったものも。
ミラーレス機も選択肢にあるけれど、同じくらいの中級機として較べた時により価格の低い一眼レフ機を、という方もまだまだ多いようです。
4位に今回唯一のコンパクト機、RICOH GR IIIが入りました。
10月1日発売35mm判換算40mm相当のレンズを搭載したGR IIIxは次回の新品ランキング上位獲得必至の注目カメラですが、GR伝統の28mm相当レンズを搭載したGR IIIも根強い人気を誇る機種。
GR IIIxとの2台持ちなんて方も現れるか。もしくはGR IIIを下取りに出しGR IIIxをとなれば、商品数も増え中古販売数もより上がるかもしれません。
いずれにせよ、次回以降も目が離せないカメラです。
同数6位に入ったCanon EOS RPは、新品ランキングでも3位につける好調ぶり。
先に述べたキャッシュバックキャンペーンにより新品・中古の価格差は小さかったのですが、一時新品が品薄になったこと、中古の「欲しいを応援SALE」対象になり、より値を下げたものがあったことなどから中古も販売数を伸ばすこととなりました。
特にサブ機として使う目的の方などに中古を購入される方が多かったようです。
さて、次回10月のランキングですが、RICOH GR IIIxやNikon Z fc Z 28mm F2.8(Special Edition)レンズキットなど、上位を狙える新製品が既に発売を開始しています。
今回の上位機種との間でどのような競い合いが繰り広げられるか、今から楽しみなところ。
また、新製品発売にともなう中古ランキングの順位の変動も見逃せません。
次回のランキングもどうぞご期待ください。