66.5さんぽ
皆様、どのようなフォーマットがお好きですか?
一般的な4:3、シネマティックな16:9、真四角の1:1、FUJIFILM GFX特有の65:24。
様々なフォーマットがあり、それぞれにファンがいます。65:24には #横長写真同好会 があったり、中には1:1の真四角な写真のみで構成された個展なんかもあったりします。
今回はそんなアスペクト比の中でも一際特別で、名前がつかない物の話です。
FUJIFILM GF670をご存知でしょうか。
名前からして67判である事はお分かりになるかと思いますが、なんと66判にも切り替え可能なのです。
こう聞くとHasselblad 500シリーズにA16を付け、スクリーンにマスクをして66判を645判にするときの様な手間がかかるんじゃないかと思われがちですが、なんとスイッチを切り替えるだけ。
こういったギミックが大好きな筆者はもうウキウキです。フィルム室内にスイッチがある為、撮影中には切り替えが出来ない事なんて気になりません。その日の気分で66と67をスイッチ一つで切り替えられる、たったそれだけの仕掛けでもう買う理由になりました。
早速67判にして撮影に出たわけなのですが、ブライトフレームが66判しか出ません。
「フレーム全体が67判って事なんだろう!」と適当に自分を納得させて撮影を終え、現像屋さんからフィルムをもらう際、「なんか66判と67判の間みたいな感じで撮れてるよ」と言われ絶望しました。
機材の故障ではなく、私がスイッチを最後まで押し込まなかったことで何とも言えぬ微妙なアスペクト比の写真が20枚、手元に戻ってきました。
そんなフィルムたちの供養をさせていただければと思います。
フィルムカメラを持つと植物を撮りたくなるのは私だけでしょうか。
この日も秋晴れと言うに相応しい空だったのですが、ビル群の隙間から優しい日が射していました。
またも植物。路地裏の日陰に居る割にずいぶんと瑞々しいなと思いシャッターを切りました。
蛇腹カメラが好きで一時期Plaubel Makina67も使っていたのですが、やはり撮影後のフィルムには何かしらの植物が写っていました。
67判で撮っているつもりだったので、本当はもう少しだけ下の建物も写るはずでした。
少しオーバーなのも右側に何か入っているのもご愛嬌。
画面の端にまた緑。常香炉の質感が素晴らしく、ついシャッターを切った一枚です。
67のつもりシリーズです。本来ならもう少し上に青空が入る予定でした。
西日のやわらかさとスカイツリーの硬さが良いですね。
フィルムは撮影枚数が決まっている為、一枚一枚をどんな気持ちで撮ったか比較的良く覚えている気がします。
最後は階調豊かな空。
潰れきっていない左側のアパートから中判の実力を感じます。
そもそもが66とも67とも言えぬ失敗作しかない本投稿でしたがお楽しみいただけたでしょうか。
皆様がFUJIFILM GF670で撮影される際は、切り替えボタンにはご注意ください。
67判は通称「バケペン」のPENTAX67がオススメです。
66判版は古き良き二眼レフのRolleiがオススメです。