【マップカメラ情報】OLYMPUS PEN Lite E-PL2 レポート

快適な撮影を実現する操作性

　2011年1月28日に発売された「OLYMPUS PEN Lite E-PL2」は、同社のマイクロ一眼「E-P2」と「E-PL1s」の間に位置し、E-P2から外観デザインと操作感を受け継ぎ、E-PL1sの撮影機能を上手く昇華させたカメラ。 E-PL1sには無かったコントロールダイヤルが本機で採用され、液晶モニター横の十字ボタンを囲んでいる。このコントロールダイヤルが追加されたことにより、露出補正や絞り値の決定をはじめ、カメラのモードによる様々な設定が素早く簡単にできるようになった。

　液晶モニターの解像度がこれまでのPENシリーズの約23万ドットから約46万ドットへと解像度が2倍にアップした。はじめからファインダーを搭載していないこのタイプのカメラは液晶モニターを見ながら撮影することが基本なため、このスペックアップの意義は大きい。

　オリンパスのオート撮影モード「iAUTO」に、直感的な操作と分かりやすい画面表示で表現の幅を広げることができる「ライブガイド」を搭載。色の鮮やかさ、背景のボケ方、更には躍動感までがライブガイドに沿って設定可能で、ライブガイドで調整した項目はそのまま即座に液晶モニター上で変化として表れ、表示通りの写真が撮影できる。この中で一番興味深いのは「背景をぼかす」の項目。レンズの種類によって多少差があるものの、大きなモニターでボケ味の変化を確認するのは面白い。ここでもやはりコントロールダイヤルは快適で、ライブガイドの操作がより快適にできるようになった。

何気ない被写体を作品にする「アートフィルター」

　今や他社にも同様の機能を持つ製品が増えているものの、画像に強烈な変化をもたらすアートフィルターのさきがけはオリンパスである。そして、オリンパスのデジタルカメラの代名詞になりつつあるアートフィルターも本機でさらに進化しており、「ポップアート」、「トイフォト」、「ラフモノクローム」に新たなバリエーションが追加され、選択肢が格段に増えている。アートフィルターを使用しての撮影時、どれにしようか迷ってしまった場合はRAWとJPEGの同時記録モードにしておくのがよい。撮影したRAWデータは、PCではもちろん、カメラ内RAW現像でも様々なアートフィルターをかけての現像ができるのだ。 2010年10月29日に発売された同社のフォーサーズデジタル一眼レフカメラ「E-5」に搭載され、一挙に話題をさらった「ドラマチックトーン」もPENシリーズとして本機で新たに加わった。さらに「アートフィルター」で演出した効果に重ねてかけることがことができる「アートエフェクト機能」が新たに追加された。「ソフトフォーカス」、「ピンホール」、「アートフレーム」の3種類が用意されており、それぞれ重ねられるアートフィルターが限定されるものの、非常に面白い表現ができる機能だ。

　また、あまり大きくは採り上げられていないが、独立した液晶表示のズームボタンが絶妙な位置にあるのが大変素晴らしい。右手で自然にグリップを持ったときにちょうど親指が届いているのだ。特に、マウントアダプターを介してオートフォーカスを使用しないレンズでの撮影時に大きな威力を発揮する。拡大表示のためのメニューを呼び出す必要が無いので、いつ、どんなタイミングでもボタンを押せば画面の拡大表示ができるのだ。今まであるようで無かったボタンだが、こういうことを少しずつ重ねていって、カメラの完成度は高まっていくのだろう。

　画像仕上げの選択肢が幾分多過ぎる気もするが、それは嬉しい悲鳴。ありあまる程の表現力を身につけたE-PL2を使いこなせば、写真の魅力は無限に近づいていく。