コンパクトデジタルカメラ選び

コンパクトデジタルカメラはどれも同じ様に見えるかも知れないが、実はセグメント単位にしっかりと個性がある。メーカー毎に使い勝手も変わるので、自分好みのカメラを見つけるのは大変な事だが、機能、ズーム倍率、デザインそして価格を検討しながら自分にピッタリの一台を見つけて欲しい。

今回紹介するキヤノンの最新IXY 31Sは、IXYシリーズのフラグシップモデルで、いわゆるIXYシリーズの「全部入り」モデルだ。デザインや多彩な機能と裏面照射型の高感度CMOSセンサーは昨年発売のIXY 30S、そしてIXY 10Sのタッチ操作を融合させている。勿論ただ融合しただけではなく、それぞれの機能をさらに進化させている。

IXY 31Sとは？

IXY 31Sはセグメント的にスタイリッシュ且つ高機能デジタルカメラといった所だろうか。高倍率ズーム系やマニュアル撮影が出来る機種とはセグメントが異なる。

コンセプトは、誰でも手軽に綺麗な写真が撮れるオート撮影機能、トイカメラ風やジオラマ風などの楽しい撮影機能や、トリミングやリサイズ、カラーレタッチを撮影後に行える万能モデルと言う位置付けとなる。

キヤノンのコンパクトデジタルカメラにはPowerShotシリーズもあることで、IXYシリーズはその立ち位置が不鮮明に感じるが、実際に撮った写真を見るとエントリーモデルにありがちな受けの良さそうな派手目な発色ではなく、高級機のような実にいいさじ加減の発色だ。

※リンク先の画像は50%縮小してあります。

高級コンパクトのような描写力と、落ち着きのある発色だ。

進化したIXY

裏面照射型CMOSセンサーの画素数は約1210万画素に引き上げられ、細部もしっかり描写されるようになった。画素数が上がったことにより心配となるノイズだが、高感度センサーと映像エンジンDIGICを組み合わせたHS SYSTEMにより低感度から高感度まで実用的なノイズレベルに抑えられている。

また、暗いシーンでも三脚無しで撮影出来る手持ち夜景モードや、輝度差の激しいシーンでも、黒つぶれしない様に明るさ・コントラストを調整するi-コントラストも搭載されている。

手持ち夜景モードは、撮影の幅を広げてくれる。

レンズは広角24mmから始まる光学4.4倍ズーム、24-105mm相当。勿論、約4段分の光学式手ぶれ補正(IS)システムも搭載されている。広角側はF2.0の明るいレンズとなっていて、オートモードでも室内撮影時には、高感度と明るいレンズと手ぶれ補正機能を活かしたフラッシュ無しの自然な写真撮影が可能となっている。

広角24mm側

望遠105mm側

広角端は最短3cmまで寄れる

望遠端は最短40cmまで寄れる

タッチパネル操作で撮影モードの切り替えや、オートフォーカスの指定も簡単になった事も大きい。撮りたい被写体をタッチすると、形を認識しフォーカスフレームが追い続けるので、タッチした後でも構図を調整する事が出来る。半押しした状態でも動体を追い続けるサーボAF機能もあるので、子供やペットの撮影時に重宝するだろう。

上部に設けられたモードスイッチで、オートモードと撮影モードを切り替えることが出来る。撮影モードには、プログラムオートや、絞り優先オートなどの基本的なものから、手持ち夜景、トイカメラ風、ジオラマ風など様々な撮影モードが用意されている。これらの撮影モードは、アイコンをタッチするだけで簡単に変更できる。

トイカメラ風撮影モード。カラー暖色系

トイカメラ風撮影モード。カラー寒色系

トイカメラ風撮影モード。露出補正-2

ジオラマ風撮影モード

動画撮影機能も進化し、フルハイビジョン(1920×1080/24fps)撮影対応になった。HDMI端子を装備しているので大画面TVで撮ったフルハイビジョン動画を楽しむことが出来る。付属のソフトウェアで動画を簡単にYouTubeにアップロード可能となっている。YouTubeはパソコンの他に、スマートフォンや一部の携帯電話でも見ることが出来るので、遠く離れた家族と動画を共有する使い方も楽しめる。写真では伝えられない「動く、声が聞こえる」そんな暖かさを伝えるコミュニケーションツールとしてYouTubeを利用してみてはいかがだろうか。