二眼レフは、いかがですか?! その24
前回、1年ぶりの記事更新に社内でもいろいろ声を掛けられました。
Aさん「毎年、アジサイしか撮ってないの?」 私「いえ、そんなわけでは…」
Bさん「1年充電期間があったわりに、写真の腕も人間的にも全然成長が見られないですね」 私「すみません…」
C氏「たまには、別のもの食え!」 私「……」
D氏「もう、やめたのかと思ってたよ!」 私「いやぁ…」 D氏「まだいたんだ?!」 私「……えぇ、そっち…」
………楽しい職場です…
ところで、前回のアジサイは、撮影してから記事掲載まで2週間以上経ってしまいました。 気がつけば、周りにアジサイなんて1つもない… まぁ、いつものことながら後手後手です。 そこで、今回は珍しく季節物を先取りしてみようかと思います。 そのために、過去のフィルムを引っ張り出してきました。 旅番組でも、満開の桜の映像の下に「去年の撮影です」ってテロップが流れるのをよく見かけますよね。 あんな感じです。
今回話題として取り上げるのは、毎年7月20日前後に行われる川崎大師の風鈴市です。 川崎大師といえば、お正月三が日の初詣参拝者数が関東地区で常にトップ3に入る名所。
風鈴市では、全国の特色ある風鈴をたくさんの数吊るして展示、販売しています。 毎年お客さんの数も多く、賑やかな雰囲気に包まれています。 その賑やかさと、色とりどりの風鈴が奏でる音色が好きで、何度か足を運んでいるのですが、今回は2年前(2009年)に撮影したもの。 2年前の話なんて出来るのか? と言われそうですね。 人それぞれだと思いますが、私の場合、フィルムカメラで撮ったもの、特に中判カメラで撮ったものは、かなり昔の写真でもその場の雰囲気やその時交わした言葉などが、フィルムを見ると蘇ってきます。 ファインダーを覗きながら、他のカメラ以上に1枚1枚丁寧に撮影しているからかもしれません… ……それ以外のことは、結構すぐ忘れちゃうんですけどね。 仕事での失敗とか、上司に言われたあんなことやこんなこと… ………ちっ…
…え~と、でその2年前に同行したカメラは、東京光学機械(現トプコン)のプリモフレックス オートマットL。 1957年発売されたプリモフレックスシリーズの最終型です。
まず、そのスタイルの良さに惚れました。 トップのファインダーフード部の滑らかなライン。 ……思わず撫で撫でしたくなります。 …っていうか、します、撫で撫で… 巻き上げや絞り・シャッタースピードの設定などの操作性は、ローライのフレックスとコードを合わせたような感じ。 絞りとシャッタースピードのレバーが連動するライトバリュー方式ですが、それほど使いづらさは感じません。
側面には様々な条件でのライトバリュー値が… よく読むと結構面白いです。
撮影レンズはトプコール75mmF3.5。 3群4枚のテッサータイプなので描写に問題なし。 そして最大の特徴として挙げられるのが、最短撮影距離およそ62cm。 前回のマミヤC220の蛇腹タイプにはかないませんが、スナップ撮影にはうれしい近接能力。 ローライフレックスのようにファインダー内でスクリーン枠が移動するようなパラックス補正はなく、スクリーン上の近接時の目安線もあてにはならないので、マミヤ同様目分量での撮影にはなりますが…
スーパードライでテストすると、これくらいの距離です。
念のため、中身を確認。 間違いなくスーパードライでした。
スクリーンもフレネルレンズが使用され、国産二眼の中では明るく、ピント合わせしやすいモデルです。
というわけで、とても高性能で実用的な機種なのですが、レンズ中玉がクモリやすく、なかなか状態の良いものに会えません。 私のも、あれこれ探してようやく巡りあった1台です。 撫で撫で…
では、2年前の川崎に。
京浜急行大師線 川崎大師駅で降り参道を歩くと、目的地が近づくにつれ聞こえてくるのが、川崎大師名物のど飴を包丁で切るトントンという音。 道の左右両側の店で、職人が慣れた手つきでまな板の上の棒状の飴をトントンと刻んでいます。
(コダック・E100GP) こちらの職人も一心にトントンしてます。
その先には、これまた名物のだるまが…
(コダック・E100GP) どうです、このなだらかなだるまのボケ具合。
そして、いよいよ風鈴市会場へ。 一番手前には、この風鈴市限定の厄除だるま風鈴が。
(コダック・E100GP) 風鈴の玉を画面中央にもってくると、なんとも中途半端な構図になってしまいます。
風鈴を吊っているテント内はちょっと暗いので、感度100だとシャッター速度を稼げず、手持ちではつらいシーンもありました。
(コダック・E100GP) 秋田の御殿まり風鈴。 うまくいくと風に揺れてる感がでるのですが…
風鈴の音色的には、やはり南部風鈴のような金属製のものが涼しげで良いのですが、写真的には、ガラス製のものが絵になります。
(コダック・ポートラ400VC)
(フジ・プロ400N) なんとも上品な蒔絵風鈴。
(フジ・プロ400N) 再びだるま風鈴。 後ろの玉もこっちに顔向けるのを待ったのですが…
(フジ・プロ400H) ガラスの柔らかな(ってホントは硬いですが)質感が出てますよね。
鉄製・ガラス製に対し、音色と涼味の両方を兼ね備えているのが陶器製。
(フジ・プロ400H)
個人的に鍋島焼風鈴の音色が好きなのですが、以前購入し、取り付けようとしてポロリと落し割ってしまった苦い思い出があります…
ここまで風鈴ばかりお見せしましたが、実際は結構な人出で、風鈴のみ撮るの難しいのです。 近接60cmは、正直もうちょっと寄りたいなと思うこともありました。
(フジ・プロ400H) ずーっと上向いてたら、かなり疲れるよね… 私は逆にゴンゴン頭にぶつかるので、中腰で疲れましたが…
そして、風鈴といえば、やっぱり浴衣のお姉さん!! 会場にはかなりの数の浴衣美人がいらしたのですが、みなさん大きなデジタル一眼を持ったカメラマンに狙われていました…
なかには、風鈴を手に取って眺めているところを周囲から取り囲まれている方も… そういうのを見てしまうと、なかなかねぇ… ホントはそんな浴衣の似合う人と一緒に見物に来られたらよいのですが… そしたらこんなに風鈴の写真ばかり撮りません。 周りのカメラマンを威嚇して撮らせませんし、ブログにも載せません… ……えぇと、去年の写真も見ます? 今年も撮りいきますよ、風鈴……
(コダック・ポートラ400VC) きれいな方でしたが、後姿で。
会場を離れ、奥の屋台村に移動。 食べ物屋だけでなく、射撃場や金魚釣り・風船釣りなどのお店もあれこれと。 日曜日だったので子供たちの声にあふれていました。
(コダック・E100GP) 真剣な眼差し。 当たっても落ちないんだよねぇ…って、あの頃の純粋さを、私はいつ失ってしまったんだろう…
(コダック・E100GP) これまた懐かしいハッカパイプ売り。 二人の子はミニーマウスのパイプを選んだようです。 パイプ売りのおばちゃん「どれ、ミニーちゃんがいいの? これ、ディズニーランドには売ってないからね。」 …まぁ、そうでしょうねぇ…
それにしても、暑いです… そろそろ水分補給が必要です。 …必要なんです!
(コダック・E100GP) 呼んでます。
(コダック・E100GP) かなり呼んでます。
……呼ばれました…
(コダック・E100GP) 五重塔をバックに、屋台のお兄ちゃん。
今年(2011年)は、7月17日(日)~21日(木)の期間開かれます。 皆様も涼しさを求めに足を運んでみては。 女性の方は、是非浴衣で!
…そういえば、書き忘れてました。 この年購入したのは、山形の鋳金家がデザインしたモダンな風鈴です。
続く …目指せ、バナー復活!! (文責・イット)