【タイムズフォト】高性能モノクロフィルムT-MAX400をダークレスで!
ごぶさたしております。結局1ヵ月半ぶりとなってしまいました。パウセカムイです。
最近ついに「自家現像」に踏み切りました!と言っても暗室いらずのかんたんセルフ現像キット、
フジフイルム「ダークレス」を使っての現像ですが。
しかしながら「自分で撮って自分で現像」という行為にこんなに充実感があったとは!
生まれてから○○年、写真を始めてから○○年
こんな楽しいことを知らずに生きてきたのが悔やまれます。
2号店2階の記事でもダークレス現像について触れているので詳細はそちらにお任せしますが、
ダークレスの利点はとっても少量の現像液・定着液で、現像3分、定着4分(フジ ネオパンSSの場合)、
水洗い30分、その後乾燥・スキャンと、短時間で処理できること。
帰宅後しか自由時間のないサラリーマンにとってはうってつけの遊び道具です。
推奨されているフィルムは同じフジフイルムの「ネオパン100SS」。
説明書にはありませんでしたが「ネオパン400プレスト」にも対応している模様。
パトローネごと小さな現像タンクに入れてスプール軸をくるくる巻き締めたりゆるめたりする事によって現像液をフィルム全体にゆきわたらせる仕組みのダークレス。
現像時も定着時にも指定時間休みなく「くるくる」を続ける必要があります。
これが記念すべき自家現像1本目の結果。
まずは推奨どおりネオパン400プレストを使用。
現像自体全く未体験のわたしにとって全て手探りの作業。
途中ちょっと手間取って現像時間が長めになってしまったのですが、
パトローネから取り出したネガに画像があった時の喜びは、ちょっといままで経験したことのないものでした。
バットも持っていなかったので水洗いはクッキー缶で代用です。
「自分で現像した」ネガを早速スキャン。おお写ってました!
いつもスキャンしているカラーネガや「BW400CN」に比べて「ざらっ」とした感じですがこれが「モノクロの味」というヤツでしょうか?
Canon 7s / Nikkor HC 50mmf2 ネオパン400プレスト
ダークレス現像(5分くらい) EPSON GT-X770でスキャン
Canon 7s / Voigtlander ULTRON 28mmf1.9 ネオパン400プレスト
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン
その後も何本か試してみて、なんとなくわかってきました。
現像時間が長すぎると「ざらっ」としてくるようなので規定より気持ち短めの3分45秒くらいにしてみると・・・
Canon VT deluxe / Leitz Summitar 50mmf2 ネオパン400プレスト
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン
Canon VT deluxe / Voigtlander ULTRON 28mmf1.9 ネオパン400プレスト
ダークレス現像(3分45秒) EPSON GT-X770でスキャン
おお多少微粒子な感じに!
「しかしフジだけじゃつまんないよな、やっぱりコダックもためしてみたい」
そう思った私はいろいろ検索してみたのですが、どうも芳しい話は出てきません。
ダークレスの
「現像液に浸したパトローネの中でフィルムを巻き締めたり
ゆるめたりして毛管現象とポンプ効果で循環させる」
やり方で重要なのはスプール軸とフィルムとの接続部分の強度。
特にフィルムを緩める時この接続部分に負担がかかるようです。
ここで重要なのがフィルムとスプールの接続方法。
フジの場合はスプールにフィルムががっちり固定されているのですが、コダックの場合はテープで止めてあるだけ。
現像中にくるくるやりすぎてスプール軸とフィルムがはずれてしまうとアウトです。
とはいえやってみなければ納得できないのでチャレンジです。
フィルムは「WORLD SHARPEST」と挑戦的な文字の並ぶコダックT-MAX400。
とりあえずプレスト400と同様現像4分定着4分で処理。
指先の感覚に細心の注意をはらって作業した結果、
心配していた「フィルムはずれ」は起こらなかったのですが、
出てきたのはうすいうすーいネガ。あわてて2分の再定着。
が、アンダーな被写体だったせいもあってネガのうすさは変わりません。
T-MAX400ダークレスで4分現像
しかしスキャンしてみると・・・
Canon 7s / Voigtlander ULTRON 28mmf1.9 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
おおおお!被写体のご加護もあってかおどろきのシャープさ!
このフィルムすごい!
よし!もう一回チャレンジ!
「フィルムのベロを出して外側に折り曲げておいたほうが巻き締めやすい」と聞いたので
フィルムピッカーでベロ出しをして現像5分定着5分で勝負!
T-MAX400ダークレスでベロ出し5分現像
うん!ネガはうすくないぞ!しかしスキャンしてみると
Canon VT deluxe / Canon 35mmf2.8 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(ベロ出しで5分) EPSON GT-X770でスキャン
おおっと下のほう、ものすごい現像ムラが!くやしいです!
いつしか私の目標は
「T-MAX400をダークレスで、いかに上手く現像するか」
に変わってしまいました。
今度はベロを出さずに、すばやく巻き締めることに留意して
現像5分定着5分30秒で処理。
うん、きれいに現像できた気がする!
T-MAX400ダークレスで5分現像
スキャンしてみると
Canon IIs改 / Canon 50mmf1.8I Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン
Canon IIs改 / Canon 50mmf1.8I Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン
おお!微粒子でシャープ!やりました!
Canon IIs改 / Canon 50mmf1.8I Kodak T-MAX400
ダークレス現像(5分) EPSON GT-X770でスキャン
しかしながらコマによっては軽く現像ムラが・・
特にコマの底辺部分に出ることが多いです。
防ぐ方法としては・・現像中にタンクごと逆さまにして振ってみるとか?
よし!次やってみます。
もともとフジのモノクロネガフイルム用であるダークレス。しかしそれなりの注意を払えばT-MAX400でも現像可能です。
コダックのほかのフィルムに関してはわかりませんが・・。
(じつはTri-Xは失敗しました。途中でスプール軸とフィルムがはずれてしまった様で、
コマの上部1/8くらいしか現像されていませんでした。
スプール軸とフィルムの固定方法はT-MAX400もTri-Xも同じように見えたのですが。
強度が違うのかT-MAX400ではこの失敗は今のところありません。)
しかし良いフィルムです!T-MAX400。
シャープであることはもちろん、黒つぶれか?
と思われる部分からもどんどん出てくる情報量。
なんていうか柔軟で懐の深い粘りのあるフィルムです。
こういう素晴らしいフィルムがあるとなるとほかのモノクロフィルムも試してみたくなります。
「ふつうにタンク現像したほうが上手くいくって」
というモノクロ上級者の方のツッコミが全方向から聞こえてきそうですが、
ダークレスの
「とっても少量の液でものすごく短時間で現像できる」
というのは私にとって何物にもかえがたい魅力です。
同じように感じられる方は
少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
Canon 7s / Canon 35mmf2.8 Kodak T-MAX400
ダークレス現像(4分) EPSON GT-X770でスキャン
興味を持たれた皆さんは2号店2階の記事も参考にぜひダークレス現像にチャレンジを!写真ライフがきっと変わると思います。
私としてはもうちょっとがんばって
「ダークレスでT-MAX400を上手に現像する方法」を確立したいと思います。
銀塩の世界にはまだまだ未経験の楽しみがたくさんありそうです。
「フィルム写真は死なず。未だ消え去りもしない」です。
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