【マップカメラ情報】Canon PowerShot S100 レポート
2011年12月8日に発売となったCanon PowerShot S100。PowerShot S90シリーズの流れをくむ3代目となるS100は、1210万画素のCMOSセンサーと24-120mm F2.0-5.9となった。
Canon PowerShot S100というカメラ
コンパクトデジタルカメラ市場には、高画素化しつつ低価格化するエントリーモデルと、多機能を売りとしたハイエンドモデルが存在していた。ある時期を境に、ハイエンドモデルは画素数を抑えることで高画質化を狙い、外観や操作性などデジタル以外の部分にも力を入れるようになった。
キヤノンのハイエンドデジカメには、フラグシップとなるGシリーズと、コンパクトなボディーに操作性と高画質を追求したSシリーズの2つがある。Gシリーズの最新機種であるG12は、拡張性やEOSシリーズのような操作感を追求した完成度の高いモデルとなっている。そして、新製品となるS100は、S95と比較して一回りコンパクトになったことで、よりカジュアルに、より気軽に使える実用的なハイエンドモデルへと進化している。
Sシリーズの特徴である、前面のコントローラーリングは健在で、露出の制御はもちろん、カスタマイズをすることでステップズームやISO感度変更など、自分の撮影スタイルに合わせた操作を楽しむことができる。コントローラーリングの回転は、適度なクリック感があり操作感は良好だ。左手で一眼レフカメラのレンズを操るかのようにコントローラーリングを操作することができる。また、コントローラーリングのサイズは比較的大きめなので、右手人差し指でも操作することもできる。これからSシリーズを始める際には、コントローラーリングのカスタマイズの他にの自分にあった操作方法を身につけて、撮影を楽しんで欲しい。
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新開発1210万画素1/1.7型CMOSセンサー
1000万画素から1210万画素へ画素数アップとなったS100。今までのデジタルカメラでは、画素数が上がることが性能の向上と直結していたが、ハイエンドデジカメの事情は少しややこしこととなっている。センサーサイズそのままで、画素数を上げるとダイナミックレンジの低下やノイズの増加などネガティブ要素も増えてしまう。
さて、S100に搭載されている新設計のCMOSセンサーどうだろか?新設計の1/1.7型CMOSセンサーは低ノイズ・高感度化を実現しており、数字だけの単なる画素数アップではない、スペシャルなセンサーであることがわかる。さらに画像処理エンジンはDIGIC 5となり処理速度も向上している。
高感度域となるISO800やISO1600でもノイズで画像が荒れたり、色が崩れることもなく実用的な感度となっている点が嬉しい。最高設定感度はISO6400、この高感度でも縮小ではなくフル解像度での撮影が可能となっており高感度が更に強くなった。
高感度に強くなっただけではなく、新センサーとDIGIC 5による画質は、極端なノイズリダクションやシャープネス感はなく、自然で余裕のある描写をしている。発色もデフォルトでは自然な色合いで、露出コントロールで色合いの変化を楽しむ事もできる。更にピクチャースタイルによって、フィルムを変えるかのように色合いを変えることも出来るので、こちらも積極的に活用していきたい。
広角24mm F2.0から始まる光学5倍ズーム
S100のズームレンズは、広角端24mmとなり風景撮影などより一層楽しめるようになった。明るさはF2.0のままとなっており、屋内の撮影でその威力を発揮する。手ブレ補正は、最新のマルチシーンISが搭載されており、上下左右方向のシフトブレの他に角度のブレにも対応。また、カメラの動きや動画モードなど撮影モード、被写体などに合わせて最適な手ブレ補正機能が働く優れものだ。マクロ撮影や望遠撮影なども安心して行える。
望遠端は120mmまでのびたが、レンズ全長が極端に長くはなっていない。あくまで、スタイリッシュなカメラデザインはそのままだ。ただし、解放F値は5.9とやや暗くなっているのが残念だ。上記のマルチシーンISと高感度が強くなったおかげで、手ブレに関しては心配することはなかった。
最短撮影距離は広角端3cm、望遠端は30cmとなっており被写体を大写しすることに関しては特に問題はない。広角F2.0のマクロ撮影は、ピントの山がキリっと浮かび上がるのでなかなか面白い。
また、S100の新機能の一つにGPS機能がある。通常の撮影した写真にGPS情報を埋め込む以外に、定期的に位置情報を記録するGPSロガー機能も搭載されている。ロガー機能を利用すると、一日歩いたルートを地図上で確認したり撮影した写真と地図を連携させて表示することもできる。意外と地図と写真を連携させると楽しく、地図を塗りつぶすためにいろいろな所に出かけたくなる。
ただし、ログ記録中は定期的にGPSを検出するためバッテリーを消費し続ける。旅先で使用する場合は予備バッテリーがあった方がいいだろう。
PowerShot Sシリーズの最新モデルS100は、守るところは守りつつ完成度を高め、攻めるところは攻めた次世代モデルと言える。現行機種ユーザーは、画素数アップとレンズの高倍率化にメリットを感じるかどうかだが、これからハイエンドカメラをはじめたい、操作性の良いカメラが欲しいと思っている方には間違いなくオススメの一台となっている。
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