【マップカメラ情報】Mamiya645DF 機材レポート
Mamiyaはプロフェッショナルフォトの世界で確固たる足場を作ってきた日本のメーカーです。
プロカメラマンの要望に応え、長く支持され続けてきたMamiya。
今回その中判クラス、デジタルバック専用機である645DFの試写を行いました。
■マミヤ645DF、デジタルバックシステムについて
マミヤ645DFのボディは3ピースで構成されています。レンズ、アイレベルファインダー付きボディ、そしてデジタルバックです。 デジタルバックは画素数、CCDサイズ別に複数用意されており、撮影シーンに合わせてチョイスすることが可能です。
モデルにより操作に若干の違いがありますが、今回はMamiya Digital Back DMシリーズの『DM28』を使用しました。
DM28はCCDサイズが44×33mm。デジタルバックの中では小さいサイズですが、それでも35mmフルサイズを軽々と超える巨大なものです。 この大きな映像素子こそ、Mamiya645DFを使う第一のメリットとなるでしょう!
ちなみに最大サイズを誇る『DM56』はCCDサイズが56mm×36mm、画素数が56メガピクセル。1ファイルで100MBを超えるデータを残すと言いますから、そのポテンシャルはお分かり頂けるかと思います。
ちなみに、1つ注意点としてラージフォーマットならではの高画質で撮影するには、ISO感度は最低感度の倍までで撮影することをメーカーは推奨しています。CCDサイズが大きくなると、高画質でのノイズ処理が飛躍的に難しくなるとされています。
DM28は最低感度が50なので100までが望ましいです。
ただし、作例を見ていただければと思いますが、ISO200クラスで若干のノイズは見られるにしろ十二分に解像力は高く、美しい画像を残して くれます。通常の撮影でもどんどん使える軽快さがMamiya645DFのウリの1つ。感度のバリエーションが1段でも許容できれば撮影できるシーンがグッと広がりますよね!
また、Mamiya DMシリーズのデジタルバックとleafのAptusIIシリーズの仕様は基本的には同じとなっています。(但しAptusII 12 は除く)
■プロカメラマンの要求に応える中判デジタル一眼レフ
645DFはデジタルバック専用機となったことで、従来に比べ格段にレスポンスが向上したとされています。
AFの精度・スピードが上がり、これまでのフィルム巻上げ機構に起因するシャッターラグも飛躍的に改善されています。
デジタルカメラバッグでの連写が可能になりました。 実際に使用してみても、AFスピードやシャッターフィーリングの動作は非常にキレが良く、35mm判デジタル機と比べても そこまで顕著な違いが感じられなかったのは驚きでした。
露出モードも、一般的なプログラムAE、シャッター速度優先AE、絞り優先AE、マニュアルモードが使えます。
645DF専用のレンズシャッター内蔵セコールLSレンズもラインナップされました。 従来の645AF用レンズ同様に使用することができ、 レンズシャッター、フォーカルプレーン、シームレス(自動切替)の3つを選べます。 このLSレンズとの組み合わせで、高速日中シンクロといった、背景を落として被写体をより際立たせた高度な撮影も可能です。
カスタムファンクションでユーザー設定を3パターンまで決められるので複数ユーザーでの共用にも便利ですし、 シーンに応じたカスタム設定を瞬時に選択するといった使い方も出来ます。
カメラボディは軽量かつ高強度なアルミ合金ダイキャストで、過酷な使用に耐える堅牢なボディです。 せっかく機動力の高いカメラですから、この剛性感は使用時にとても安心できるものです。
■試写をしてみて
デジタルバックタイプの中判サイズカメラの試写という事で、今回は非常に不安に思っての試写になりました。
そもそもどうやって使うのか、プロ機材ならではの難しさが有るのではないか、そんな事を感じての試写でしたが…
実際に使ってみると、思った以上に簡単に扱える事に、逆に戸惑ってしまいました! 違うのは本体電源を入れた後、デジタルバックの電源も入れなくてはならない程度で、他は一眼デジタルカメラを使用した事の 有る方なら、ものの数分でご理解頂けるかと思います。
『DM28』はスタイラスペンを用いたタッチパネル式のインターフェースなのでメニュー内もそこまで戸惑う事もありません。
もちろん、プレビューに若干時間がかかることや、表示が独特でパッと見て全てを理解する事は難しいですが、 基本的な設定は説明書を見なくとも、操作をしていれば有る程度理解する事が出来ます。
撮影時のレスポンスは先述したとおり良く、ボディの取り回しの良さ、AFも素早く正確で大変使用しやすいものでした。 スペックの高さを否応なく感じさせる使用感で、知らず高揚感すら感じてしまいます。
バッテリーはボディ自体は問題なく、3時間近い撮影でも十分に対応できました。 ただしデジタルバックのバッテリーの持ちは1時間半程度ですので、バック用には予備バッテリーを持つ事をオススメします。
また、画像に関しては作例でご理解いただけると思いますが…
恐ろしい解像度、余裕ある高画質です。
ISO50での使用ではノイズも皆無、レンガやガラスの質感も美しく、奥行きのある色彩が非常に美しいです。
また暗い画像をRAW現像時に起こしてもかなりの部分まで耐えうるのは、さすがとしか言いようがありません。
推奨感度の倍、ISO200ともなるとノイズが出始めますが…それでも十分に美しい画像ではないでしょうか。
拡大していくと撮影時に気がつかなかったものが見えてくる。
そんな事すらある迫真の高画質、素子のサイズでここまで画作りに品が出るのかと驚いた次第です。
まだまだ価格は高いですが、それでもやっと手が届く様になってきた中判デジタルシステム。 今回は短時間の試写でしたが、その可能性を十分に感じる事が出来ました。
プロフェッショナルはもちろん、個人の作品製作の手段としても、中判デジタルシステムは大きなポテンシャルのある機材。ぜひ選択肢の1つとして、お考え頂きたいと思います。
※デジタルバックはシャッタースピードが記録されませんでしたので、表示しておりません。
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