二眼レフは、いかがですか?! 最終回
ローライ3.5Fと歩く(さまよう)秋の京都!(後編の2)
まずは、前回のお詫び…
結局、前回は極めて趣味性の高い話で終始してしまいました。 天候に恵まれず、かつ室内の撮影も多くて、作例になるような写真もなかったし…
でも、同僚からの反応は比較的良く、掲載直後から「私もついこの前、向源寺と彦根城に行ってきた。 ひこにゃん、本当にゆるかったよぉ」とか「僕、ファンなんで今度豊郷行ってみたいなぁ」とか… あ、だけどロケ地訪問が思いのほか楽しかったって話したら、女性スタッフに「そっちの道に進むのはどうかと…」って、ちょっと引かれてしまいました… 気をつけよう… う~ん、でももう一か所行ってみたいところあるんだよねぇ… 実際景色良さそうだし、ローライ35売ってる身としては是非ねぇ… …って、いかんいかん、話がまたマニアックな方に…
…ってなふうに、周りの反応を探っているうちに、あっという間に旅行から一月経ってしまいました。 もうすっかり冬になっちゃたし… ちゃちゃっと最終日の話を書き上げ、コーナーを締めくくらないと未完のまま終了になってしまいます。
…で、最終日(11月24日)の朝。 ♪ベッドの中で魚になったあと~~ 目覚ましが鳴ってからも、ダブルベッドの広さを1人で堪能… ゴロゴロ… 「う~ん、起きたくないよぉ… あと5分だけ…」 「…って、誰に甘えてんだぁ!!」 最後は自分にツッコミを入れ、起床。
チェックアウトの後、京都駅のロッカーに荷物を預け、まず向かった先は京都タワー。 そう、駅前のでっかいローソクです。 今年(2011年)は紅葉が遅く、11月20日過ぎでもまだまだという現状を、最後に上から確認してみようというわけです。
入場料770円を支払い、展望室に上がるエレベーターへ乗り込むと、案内の女性スタッフと二人きり… 「では、地上100メートルの展望室へ向かいます。」 「………」 「………」 「………」 …う~、なんだ、この気まずさは… …重い沈黙が続くなか、仕方なくずっと扉上の高さ表示を見つめていました…
…やっと上まで上がると、澄み切った青空の下、京都の街が一望できました。 そして遠くには、青々とした山々が…
(ローライフレックス3.5F・プラナー75mmF3.5 フジ・プロビア100F) 比叡山・大原方面です。
だめだぁ~ 盛りなら後ろの山が真っ赤になっているのですが… 本当、まだまだって感じです。
(3.5F) 手前の建物は、東本願寺。 修復中のようですが、大型バスが何台も停まり、人がぞろぞろと吸い込まれていくさまが見えました。
どこぞの若いご夫婦の会話。 旦那さん「あの下のが東本願寺だって」 奥さん「へぇ、でもなんか近代的な建物ねぇ… もっと古くないと有り難味がないよねぇ…」 奥さん、違う! 修復中なんだってば! ってか、旦那さん、ツッコメよ! カメラを持つ手がプルプルしてしまいました。
(3.5F) PC上では解りづらいかもですが、さすがブローニーフィルム、細かいところまでよく写ってます。
眺めを十分堪能した後、下りのエレベーターへ。 …しまった、またお姉さんと二人きりだ… 「本日は、京都タワーをご利用いただき、ありがとうございました。」 また重い沈黙が続くのかなと覚悟していると、丁寧なお辞儀から顔を上げたお姉さんが、それまでより一段大きな声で、「お客さん、そのカメラすごいですね!」 「あ、えぇ、どうも…」 「レンズ2つも付いてるんだ。 なんか、すごい! フィルムで撮るんですよね?」 「えぇ、まぁ。 古いタイプのカメラなんですが…」 「へぇ、お客さん、物持ちいいんですね!」 「(…えっと、そういう問題か?) …はぁ、どうも…」 あっという間に、地上に到着しました… エレベーターを降り際、「ありがとうございました」と、再び丁寧なお辞儀。 (こちらこそ、ありがとう。 とても楽しかったです。 もし古いカメラに興味をお持ちなら、是非マップカメラにお電話ください!) 心の中でいっぱい宣伝しました。
降りてすぐの所で、京都タワーのマスコット、たわわちゃん(……)がお出迎え。 一緒に記念撮影ができるようです。 昨日のひこにゃんの無念があるし、ここはひとつ。 どれどれ、手前のテーブルにカメラをセットして撮ればいいのか。 まずは1枚…
では、受付のお姉さんが見てないうちに、セルフタイマーで…
……規格外でした…
2日前同様、満員のバスで向かったのは銀閣寺。 近場で数少ない、紅葉「今が見頃」の場所に永観堂(禅林寺)があったので、こちら方面を選びました。
バスを降り、修学旅行と思しき中学生の集団とともに哲学の道を歩き、銀閣寺の中に入ると、まぁすごい人… 人を写し込まず撮るのは、至難の業という状態。 ローライをあちこちに向け、ようやく撮ったのが下の1枚。
(3.5F) 円月台。 思いっきり光入りました。 でも逆に幻想的?
(ライカM3・エルマリート28mmF2.8 コダック・エリート100) 線の細い描写と立体感は、さすがエルマリート。
(M3)
(M3) 高台に上り、1枚。 デジカメだと、のっぺりした描写になりやすい場面です。
う~ん、ここはあまり紅葉ないなぁ… 上空には雲も多く、晴れてはいるのですが日が陰りやすい状況。 予定ではのんびり哲学の道を散策し、途中食事でもして永観堂に向かうつもりでしたが、撮影の時間帯を逃してしまうといけないので、バスで永観堂まで。
こちらは、銀閣寺よりもさらに多くの人が… 大型バスも何台も乗り入れていました。 さすが「今が見頃」。
(3.5F) 順番待ちの1枚。
(3.5F)
(M3) こちらも、狭い所でカメラを持ち換えて… 後ろに人待ってましたが、まぁ、デジカメの人が1枚撮っては、その場で液晶画面を確認して動かないことを思えば、早い方なんではと…
(3.5F) 見上げるとこんな感じ… でも雲の流れが速く、すぐ陰ってしまう状況…
(M3)
お茶屋があり、かなりの盛況ぶり。 ……お腹すいた…… もう今日はお昼はあきらめ、とにかくお腹に入れておこう…
…というわけで、一服。 紅葉に映える愛機… どうよ。 …近くに座った外国人が「おぅ」って感じで見てました・・・ えへへへ・・・って、アホです・・・ えぇ、わかってます・・・
・・・ようやく落ち着いてからは、撮影に専念しました。
(3.5F) 人が集まるところに名所あり。 多宝塔の撮影スポットでした。
(M3)
同じ露出、絞りF8ですが、ブローニー標準画角では手前がぼけ、35mm広角ではこんな感じ… ローライとM3+28mmの組み合わせは、慣れると自分的にはベストでした。 本当、今回50mmの出番なし…
本尊のみかえり阿弥陀様を拝観した後は、先の多宝塔まで登る道を。 まさに「今が見頃」でした。
(3.5F)
(M3)
(3.5F)
というわけで、「今が見頃」(しつこい)の永観堂を後にして、お隣の南禅寺へ。 有名な三門があります。
(M3) 巨大な三門。 その前に立ちはだかる石段を、上ります…
(M3) 上り… ました…
あと、ローマの水道橋を模した「水路閣」も有名。 レンガ造りに映える紅葉を期待したのですが、一帯は日陰になってしまっていて、紅葉もまばら…
(3.5F フジ・プロビア400X) 感度400でも、シャッター速度1/15秒… ギリギリです…
(3.5F) 撮影スポットですからね、カップルがいっぱい記念撮影してましたよ… この裏にもね… ちっ… そんな人たちが陰になるのを粘って待った1枚。
(3.5F) 今度来るときは、もっと早い時間にします。
帰りのバスに乗る頃には、辺りも暗く、すっかり冷え込んでしまいました。 天気予報でも、「今夜から厳しい冷え込みが…」とか言ってたっけ… 遅れていた紅葉も一気に早まるんだろうな… って、もう東京へ帰るんですけど……
名残惜しい気持ちを残しながら、京都駅へ… は向かわずに、また四条烏丸の「太郎屋」さんへ。 今回の旅、出発が早朝でしたが、帰りも夜9時前の新幹線と、4日間丸々満喫出来る日程。 最後に京都のお酒を十分楽しんだ後、列車に乗り込みました。 (せめて、「太郎屋」さんの店構えの写真でもと思っていたのですが、食事の後、外のあまりの寒さに、写真撮るのすっかり忘れてしまいました。) 新幹線で隣の席だった人、かなり酒臭かったと思います、ごめんなんさい…
今回の旅でゲットした品々と… あ、ひこにゃん入れ忘れた… …勿論、会社へのお土産も買いましたよ、ちっとだけど…
貴方も、日常を忘れる旅のお供に、二眼レフはいかがですか?!
(文責・イット)