【Nikon愛】夜想曲
こんにちは。
本館5階 Nikonフロア、タケチョフです。
「メーカー愛Spring Battle!!」もいよいよ佳境となりました!!
日頃、Nikonを応援して下さっている皆様には心から御礼申し上げます。
そんな皆様に、今回はこんなレンズのご紹介です。
Nikon Ai-S Noct Nikkor 58mm f1.2
幾多のNikonレンズの中で、メーカーから発売が終了してなお、
高い人気を誇るMFレンズです。
こちらが発売されたのは1977年―――
アメリカではカーターが大統領となり、
日本では巨人の王貞治選手がホームラン世界新記録の756号を達成、
国民栄誉賞第1号となった頃のレンズです。
Nikonの一眼レフでは、
「Nikon F2 Photomic A」が発売された年に当たります。
Noctとは、
ノクターン ~Nocturne~ の事で、
レンズより、フレデリック・ショパンやクロード・ドビュッシーといった
音楽家が思い浮かぶ方もいらっしゃると思います。
語源はラテン語で「Nox」、
日本語では「夜想曲」と呼び
字が如く「夜」を表しています。
このレンズはその名の通り、主に夜間撮影を目的としたレンズなのです。
写真のレンズは、明るさが増す毎、広角化・大口径化する毎に
収差補正が難しくなり、
そのような、周辺に写る収差を「サジタルコマフレア」といいます。
通常、この収差は数段絞り込むことによって表れなくなり、
通常の撮影環境においてはさほど気になるものではありません。
しかし、
この収差が大きく写真の出来を左右する環境があります。
それが「夜」
夜景です。
被写体が暗く、小さな点で構成され、コントラストも高い、
サジタルコマフレアがもっとも気になる被写体といえるでしょう。
対処法として、絞りこめば解決するものの、
それでは明るいレンズの良さを殺してしまう。
そんな夜景撮影時の問題を解決するのが、この
「Noct」なのです。
現行タイプの「Ai-S Nikkor 50mm F1.2」とかなり近い構成を持ちながら、
一部を特殊な非球面としたことで、
サジタルコマフレアを抑制することに成功したのです。
この非球面加工は、非常に細かい精度要求され、加工技術や検査には
膨大なコストがかかります、
このことが、「Noct」が他のレンズと値段が大きく違う理由なのかもしれません。
しかし、それだけの価値を持つレンズであることは言うまでもありません。
あぁ、物欲が…(沼)(沼)(沼)
こちらは既に生産完了となっていますが、現在でも根強い人気を誇っています。
Nikon愛する皆様。夜景を愛する皆様。
一度、「Noct」を手にしてみてはいかがですか?