メガネッ子は、いかがですか?! その2
今回ご紹介するのは、こちら。
ライカM3 + DRズミクロンM50mmF2 です。
1953年に登場、その解像力の高さから
戦後のライカレンズを代表する銘玉の評価を得たズミクロン50mmF2。
M3の発売と同時にMマウントになり、その後固定鏡胴化、
1956年レンジファインダーの機構上難しいとされていた近接撮影を可能にしたモデルとして
発売されたのが、このDRズミクロンM50mmです。
通常は従来のズミクロン50mmと同様、1m~∞の範囲で撮影が可能ですが、
メガネ(近接アタッチメント)を取り付けることでロックが解除され、
約48~90cmの範囲でヘリコイドが稼働し、近接撮影が可能になります。
2つの撮影範囲を持つことが「DR(デュアルレンジ)」の名称の由来になっています。
メガネを外した状態。 1m~∞の範囲でヘリコイドが動く。
メガネを装着した状態。 ピンをずらし、48~90cmの範囲でヘリコイドが稼働可能になる。
とっても凝った仕掛けで、それだけでも所有する喜びが得られます。
なお、距離計連動部分の形状上、残念ながらデジタルのMボディでは近接撮影が出来ません。
実際に2つの最短距離で撮影すると、こんな感じに。
通常撮影の最短1m。
近接撮影時の最短約48cm。
レンジファインダーでこれだけ寄れれば、撮影の幅もぐっと広がります。
もう1枚、最短1m開放F2。 前回ズマロンM35mmF2.8よりも大きなボケ。
(前回の記事は、⇒⇒⇒コチラ)
現代のレンズのような滑らかなボケでなく、いかにもオールドレンズらしく二線ボケも見受けられますが、
それが逆にレンズの味になっています。
近接約48cm。 近接の方がボケが素直か。
オールドレンズは本来、開放より2,3段絞ったところで真価を発揮するものが多いです。
というわけで、日中、少し絞っての撮影になると、なんともシャープで立体感のある描写に。
ちょっと古風な雰囲気を持った優等生なレンズです。
喩えるならクラスの学級委員長タイプ?
とはいえ、決して冷たく厳しい印象ではなく、自然と知性を感じさせる優雅な物腰。
休み時間や放課後は素顔で過ごし、勉強の時だけ細いフレームの眼鏡をちょこんと掛け、
清楚で知的な雰囲気に…
こんな子と一緒なら、普段は見過ごしてしまっていたような、道端にひっそり咲く花にも目をとめ、
「きれいだね… こんな素敵な発見も君がいたからだよ!」なんて…
…貴方もDRズミクロンとの素敵なデート、いかがですか?!
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《写真と文章:ニョロ》