GX7 上田晃司先生インタビュー
弊社スタッフ(以下 スタッフ):
Panasonic GX7の発売に伴って、今一線で活躍されている写真家の方にGX7の魅力についてお話を伺います。
今回は各種写真誌や、オールドレンズの単行本等で活躍されている上田晃司先生にお越し頂きました。
上田先生、本日はよろしくお願い致します。
上田晃司先生(以下 上田先生):
よろしくお願いします。
スタッフ:
早速ですが、まず今回新発売となったPanasonic GX7の売りのポイントはどこだと思われますか?
上田先生:
まず感じたのはチルトファインダーの搭載ですね。撮影のフィールドが格段に広がった感があります。
日中の屋外では光線が強いシチュエーションも多いので、EVFファインダーの有り無しで撮りやすさが全然違います。
更にGX7であればチルトすることも可能なので、より様々な場面で活用する事が出来ます。
スタッフ:
画質に関してはどうお感じになりますか?
上田先生:
JPEGで黒がグッと絞まる感じがありますね。
GX1に比べてもそこは大きくて、ただ潰れてしまう感じではなく粘りが有る。
そのお陰でシャドー部や夜景の表現がとてもいいんです。
また高感度もISO3200までなら問題なく使用できます。
この高感度耐性はマイクロフォーサーズ機としては出色の出来ですね。
全体の画質で言ってしまえば、APS-C機にまったく劣らない、どころか勝っているかも知れません。
また、別の利点として高感度が強くなったことでF値が暗めのズームレンズも格段に使いやすくなりました。
光線状態の悪い場所ではどうしても大口径が・・・と思ってしまいがちでしたが、
GX7の登場で個人的には2本の2.8ズームが大活躍しています。
スタッフ:
確かにとてもコンパクトなシステムですね!
普段撮られている時は装備はどんなものなのでしょう?
上田先生:
バッグはこのビリンガムを使っています。
ここにGX7と『DG SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.』と『G XVARIO 12-35mm F2.8 ASPH.』『G XVARIO 35-100mm F2.8』の2.8ズーム2本。あとオールドレンズが2本くらいの装備です。
あ、20mmはボディキャップの様なコンパクトさなのでこのレンズも着けたままですね。
通常の撮影はLumixの4本のレンズでカバーできますし、たまに少し印象的に、
柔らかさ等を加味して撮りたいときはオールドレンズを使っています。
Lumixのレンズが”写りすぎる!”と感じるときなどですね(笑)。
オールドレンズは35mmや50mmが気に入っていて、マイクロフォーサーズなので明るい中望遠として使用してます。
また今回のGX7はピーキング機能とボディ内手ブレ補正機能がついたので、オールドレンズを楽しむのには最適のボディに仕上がっているのではないでしょうか。
ボディ内手ブレ補正の焦点距離設定ではだいぶ細かく数値が切ってあって、”85mm”などのオールドレンズ特有の焦点距離がある所からも
メーカーさんがだいぶオールドレンズを研究した事が伺えます。
個人的な希望としては、オールドレンズはシルバーのレンズも多いので、
ぜひシルバーのマウントアダプターを発売して欲しいですね!!
スタッフ:
Panasonicさん、ぜひよろしくお願いします(笑)
他にGX7を使っていて感じたポイントはありますか?
上田先生:
ボデイ内でトーンカーブの調整が出来るのはとても良いですね。
自分の作品作りの為にとても役立つ機能です。
RAWでとって後から調整でももちろん良いんですが、撮ったときの印象を忘れてしまう事もありますから。
なのである程度しっかりしたイメージを作っておいて、あとで少し調整をして、追い込む位が丁度いいんです。
スタッフ:
画作りという面では、GX7には様々なクリエイティブコントロールが搭載されていますよね。
一押しの効果などはありますか?
上田先生:
ダイナミックモノクロやクロスプロセスなんかは面白いです。
でも今回はオールドデイズがオススメで、ヨーロッパでは特に良く使いました。
場所によって似合う効果が異なっているのも面白いですね。
是非、ヨーロッパにオールドデイズを試しに行ってください(笑)
スタッフ:
画質について、という所では昨今の機種では20Mオーバーがスタンダードになりつつ有りますが、今回GX7は16Mです。
何か違いを感じる事は有りますか?
上田先生:
これははっきり言って、必要十分のスペックです。
A3くらいでは全然わからないし、またPCへの負荷も少ない。
今回は16Mに抑えることで、高感度のクォリティーを上げたり、色再現性を重視しているのではないでしょうか?
いたずらに画素を上げても、全体のクォリティーが下がるようでは頂けませんから。
スタッフ:
ありがとうございます。
それでは最後に少し大きい話ですが、GX7のお話を伺っているとミラーレス機の性能向上が著しい事が伝わってきました。
今後、デジタル一眼とミラーレスの立場はどうなっていくと思われますか?
上田先生:
もちろん、ミラーレス機の進歩は素晴らしい物が有ります。
しかしやはり一眼は一眼で必要なのではないでしょうか。
仕事で撮影するという事であれば求められる事も、必要とされる機能も異なります。
全てがミラーレスで代替出来る訳ではなく、棲み分けでしょう。
仕事であれば、クライアントへの見え方も気にするものですし(笑)
でもミラーレスのコンパクト・軽量な点は素晴らしい強みです。
今回のGX7に関しても、画質は言うことなし、機動性にもすぐれていてプロが自信を持ってオススメできます。
またプロダクトとしては外観も重要な要素です。
GX7にしろカッコいいに越したことはなく、持っていて格好いいと思えて、楽しくないと持ち歩かなくなってしまいますから。
GX7は機能はもちろん、そういったスタイルと言った意味でも、自信を持ってお勧めできる機種です。
スタッフ:
ありがとうございました。
今回は写真家、上田晃司先生にPanasonic GX7の魅力を語って頂きました。
チルトファインダーにボディ内手振れ補正内蔵。
高感度耐性もグッと向上したPanasonicの意欲作、その魅力にぜひ触れてみてください!