【HASSELBLAD】 とりあえず、ハッセル!! その2
ピンポーン!
ハッセルブラッドは、プレゼントには最適ですが、
それ自体にデコレーションするのは、不向きです。
ましてや、火なんかつけちゃったら大変!!
使用上の注意を守って、正しく使いましょう!
(上は、かわいい自前のレンズです。 勿論、火なんかつけません!)
その2 レンズ、何選ぶ?
ボディに引き続いて、今回はレンズのお話です。
ハッセルブラッドのレンズといえば、やっぱりカール ツァイス!
中判の大きなフォーマットでツァイスの描写を楽しめることが、
ハッセルブラッドを使う魅力の一つといっても過言ではありません。
そのツァイスレンズですが、ボディと同様、
500シリーズ用のレンズにも世代によって、いくつかのバリエーションがあります。
今回は、ハッセルを使う人の多くが最初に手にするであろう標準レンズ、
プラナー80mmF2.8を例にしてお話しします。
その前に、まずボディからレンズを外さなくては…
…えぇ、包丁はいりません。
ただし、ここで注意!
必ず、チャージした状態(シャッターを巻き上げた状態)であることを確認したうえで、着脱してください。
指で示した部分が赤ポッチの位置をさしていれば、着脱OK。
この部分が連動し、レリーズボタンを押すと、レンズのシャッターが切れます。
万が一シャッターを切った状態でレンズを外そうと回すと、ちょっと動いただけで止まってしまい、
その後、外すことも元に戻すことも出来ず、勿論シャッターも切れなくなります。
「レンズの噛み込み」などと言っていますが、こうなってしまうと
専門の修理業者に依頼して外してもらわないといけなくなります。
強引に外そうとすると連動部分を損傷させてしまい、修理費がかさんでしまいます。
この噛み込みこそが、ハッセルブラッドが「壊れやすい」とか「難しい」と言われる要因の一つなのですが、
どんなカメラでも間違った使い方をしたり、乱暴に扱えば壊れてしまうもの。
何でも「慣れ」です。 恐れず使えば、すぐに自分のものに出来ます。
Cレンズ(銀鏡胴)
1957年発表された500Cのために開発されたのは、コンパーのレンズシャッターを装填した銀鏡胴のレンズ。
1/500秒のシャッタースピードを持ち、ストロボが全速同調する。
40mmから500mmまで9本のツァイスレンズが用意され、その充実したラインナップと優れた描写性で、
中判一眼レフカメラに不動の地位を築いた。
絞りとシャッタースピードのリングが連動するライトバリューシステムが採用されていて、
個別に動かすには、ライトバリュー変更レバーを押しながら操作する必要がある。
中央に出ているギザギザが変更レバー。
押し下げるとシャッターダイヤルだけで動かせる。
Cレンズ(黒鏡胴)
1974年以降、ツァイスレンズの象徴ともいえる「T*コーティング」が施されたレンズが発売。
(移行時期に銀鏡胴でT*コーティングされたレンズが生産されたが、現在は希少価値が加わり、
黒鏡胴のものよりも高値になっている。)
銀鏡胴・黒鏡胴とも、そのクラシカルなデザイン・重厚なつくりで今も人気が高い。
CFレンズ
フォーカルプレーンシャッター搭載機用の「Fレンズ」にプロンター社のレンズシャッターを組み込んだもの。
1982年からのシリーズ。
シャッターの作動を切り替える「Fセット」というモードがあるのが特徴。
シャッタースピードと絞りを個別に設定できるよう改良された。
右は、同じデザインで、エントリーモデル501C用にFセットモードを省略したCレンズ(New Cレンズとも)。
(写真はCBレンズ。 80mmはCFEとCBのみ。)
CFiレンズ・CBレンズ
1998年登場。 光学的に新しいコーティングが施され、コントラストの高いより現代的な写りのレンズになった。
内面反射をさらに抑え、各種リングのトルクも軽くしてある。
プラスチック部分が増え、ピントリングのゴムも厚くなり、全体に丸みを感じるデザイン。
CBレンズは、Fセットモードを省略したモデル。
CFEレンズ
CFiレンズとほぼ同時期に登場。 マウント部に電子接点が付いたモデル。
フォーカルプレーン機で使用する際、絞りの情報をボディとやり取りすることができ、
絞り優先AEでの撮影が可能になる。
左側の金色の部分が電気接点。
・・・というように種類豊富。
クラシックなデザインにこだわって旧タイプを選ぶもよし、
発色や写りにこだわって新型を選ぶもよし・・・
新型のレンズになるほどコントラストが上がり、発色は良いのですが、
白が飛びやすくなったり、黒が沈んでしまいやすくなるといわれます。
特に白黒写真をよく楽しまれる方のなかには、Cレンズの描写を好まれる方も多いようです。
悩みどころではありますが、どのレンズで撮っても、「ハッセルで撮った写真」になりますからご安心を!
そう「ハッセルで撮った写真」 ・・・なんて甘美な響き!!
・・・って、前回やったか・・・
ただ、写りにどのくらいの違いが出るのかは、気になるところ。
というわけで、自前のC80mmF2.8(銀鏡胴・T*コーティングなし)とCF80mmF2.8で
簡単な撮り較べを行ってみました。
撮影日の天候は曇りで、時々日が差す程度でした。
C80mm(銀鏡胴・T*コーティングなし)開放F2.8 (フジフィルム・ベルビア100F 以下、同じ)
CF80mm 開放F2.8
まず第一に判別できる違いは、
そう、ビールの量ですね。
・・・・・・だって、暑かったんだもん!
襲いくる蚊と闘いながらの撮影、目の前にはよく冷えたビール・・・
・・・飲んじゃうでしょ!!
・・・まぁ、それは置いといて・・・
シャープさはCFレンズに軍配が上がります。
個々の物体の輪郭がはっきり表されています。
色味も若干ですが、CFレンズのほうが鮮やかさがあり、
その分、花やお皿の白などがはっきりしているように見えます。
背景のボケの傾向は大変似通って見えます。
C80mm F5.6
CF80mm F5.6
少し絞ってみても、傾向は同様。
ただ、CFレンズはシャープさがかえって、少しパキパキした印象を与えている気もします。
背景の光源のボケが五角形ぽく見えるのは、絞りが五角形になるため。
もっと光源の多い場面だとなかなか賑やかなことになります。
背景の壁を見ると、Cレンズの方が少し茶色がかって見えます。
テストしたレンズが、とりわけヤケてしまっているわけではないのですが、
レンズの特性か、この個体の特性かは、ゴメンナサイ何とも言えません。
C80mm F11
CF80mm F11
F11まで絞ると、あまり描写の差が無くなります。
…と、ここまでは自分が所有するレンズを使ったものなので、あくまで参考までに…
個体差もありますし、撮影条件も先に書いたようにあまり良い状況とはいえませんので…
カラーチャートやピント検査表などを使って本格的にやればよいのでしょうが、
まぁ、この私のやることですから…
(…多分、これを読んだ同僚の多くが納得していることでしょう。)
と、えらく長々と書いてしまいました。
今回は撮影もしたし、…うん、よく働いた。
(文責・イット)
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