気品あふれる鏡胴、青いコーティング。

今日ご紹介するのは素敵なご委託品。

P.Angenieux 35mm F2.5 Type R1 オリジナル・ライカ スクリューマウント

数々の映画用レンズで名高い、フランスはアンジェニュー社のレンズ。

世界初のレトロフォーカスタイプを採用。

レトロ、と言っても懐古主義の事ではなく･･･

レンズ最前面に凹レンズを配置し、焦点(フォーカス)を後退(レトロ)させ、レンズ後玉からフィルム面までの距離を稼ぐ設計ゆえ。

ピエール=アンジェニューによってこの設計が生み出されるまでは、フィルム面ぎりぎりまで迫る後玉が広角レンズのトレードマークでした。

ミラーとの干渉を避けられる特性上、一眼レフ用広角レンズの始祖とも言えますね。

この個体は、細やかなローレットの刻みが美しい前期型。

エキザクタマウントの個体はそこそこ目にする機会が多いですが、製造本数の少ないオリジナルのライカLマウントとなると話は別です。

使い込まれた鏡胴がまた美しいではないですか。

特殊なフィルターサイズを持つアンジェニューは、殆どの個体が大なり小なり拭き傷を抱えています。

この個体もお決まりの拭き傷はありますが、順光における撮影では、それほど影響を及ぼさないレベルです。

ピント位置は良好。

アンジェニューらしい描写を楽しめる一本です。

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