Nikon最新モデル『D5300』のカメラボディ素材「Sereebo(セリーボ)」って?
先日11月中旬発売のエントリークラスデジタル一眼レフカメラの新製品としてNikon『D5300』が発表されました。
もちろん注目のスペックとしてはエントリークラス一眼レフカメラとして初のローパスフィルターレス構造とした2416万画素センサーを搭載し、
より高精細な画質が期待できること。
また、同社のデジタル一眼レフカメラとしては初となるGPS・Wi-Fi通信機能を内蔵としました。
今までは専用のアクセサリーを接続する必要があったため、やや敷居も高くなっていたものがようやく身近になった印象です。
さらに一世代前のモデルにあたる『D5200』と比べて小型・軽量化を実現している部分もポイントです。
参考までに従来機の重量とサイズの比較を。
本体重量:D5200(505g) > D5300(480g) > D3200(455g)
寸法:D5300(横幅125×高さ98×奥行き76mm)
寸法:D5200(横幅129×高さ98×奥行き78mm)
寸法:D3200(横幅125×高さ96×奥行き76.5mm)
意外にも横幅と奥行きは下位モデルに位置づけられる『D3200』と同等、もしくは小さくなっていることがわかります。
さて、ここからが本題ですが新たに通信機能を内蔵としながらも本体サイズの小型・軽量化を実現した背景にはどんなカラクリがあったのでしょう?
実は製品の発表と同時にこんなものが発表されています。 ※外部リンク>>「Sereebo®」の実用化について
今まではシャッターユニット、マウント部などを組み付け、強度を確保するために金属製のシャーシを使用、
さらにボディを軽量化するため外装にはプラスチックを取り付けていました。
しかしプラスチック外装を組み付けることで本体強度がやはり不足してしまいます。
そのため各社が上位モデルではコストは上がるものの高強度と軽量化を両立するためにマグネシウム合金製の本体構造としています。
今回『D5300』ではこの炭素繊維複合材料「Sereebo(セリーボ)」用いた一体構造により高強度・小型軽量ボディを実現しているそうです。
さらにはこの素材は高い導電性を有するため、成形品自体に電磁波シールド特性も付与することが可能であるとか。
Nikonといえばフィルム一眼レフカメラ『F3』『F5』、デジタル一眼レフカメラ『D2Xs』『D3s』などがNASAに納入され、
国際宇宙ステーションや船外活動時の撮影など宇宙でも活躍していることが知られています。
Nikonが採用される理由としては元より電磁波シールドなども含めた、高い信頼性を誇っている部分が大きいと想像できます。
本体構造のイメージイラストを見ていただくと、構造も簡略化されているのがわかります。
簡略化というと、どうしてもコストダウンという印象がよぎってしまいますが、
こういった製造台数の多いカメラにおいてはやはり組み立て精度なども高い水準が必要となることが想像できます。
ですので複数の素材を適材適所で使用してきた頃と比較して、
より強度が確保できるひとつの素材に置き換えることで組み立ての誤差が少なくなることはさらに量産性に優れるはず。
今回はその第一号カメラとなるわけですが、今後いろんなカメラで採用され世代を重ね、
エンドユーザーの皆様へ価格、カメラ自体の取り回しの面で大きく還元されてくるとすばらしいと思うわけです。
D5300の商品ページは>>こちらからご覧ください。