『コシナ長野工場見学バスツアー』レポート 2014
9月11日、マップカメラ秋の恒例イベント「コシナ長野工場見学バスツアー」を開催いたしました。
当日はバスに乗車し、途中のサービスエリアにて休憩を取りつつ、一路長野へ向けて高速道路をひた走ります。
新宿を出発時にぱらついていた小雨は途中、碓氷峠付近でひとしきり強くなり一抹の不安を覚えましたが、
この時を境に天候はぐんぐん回復!
まるでご参加いただいた皆様の願いが天に届いたかのように、晴れ渡ってゆきました!
車中4時間をかけて到着したのは長野県上高井群小布施町。
富嶽三十六景で有名な葛飾北斎に縁の深い街で、町内には美術館も存在するほか、
かつて幕府御用達だった栗や、国内2位の生産量を誇るリンゴなどの果樹や、特有の風土がもたらした蕎麦、
妙高山、飯縄山、戸隠山、黒姫山、斑尾山の北信五岳に囲まれた雄大な景色など、
北信濃地域有数の観光地として大変有名なところです。
バスはまず本日の昼食処、『泉石亭』に立ち寄りました。
メニューは名物の栗を使ったおこわや、ざる蕎麦などの郷土料理で、お客様の中には
追加注文してお土産にされる方もいらっしゃるほどの好評ぶりでした。
お腹を満たした後は、お店の庭園や小布施の町中での撮影タイムです。
日頃東京ではなかなかお目にかかれない和の佇まいは非常に絵になります。
さて、ここからいよいよ工場を見学です。
コシナさんの工場は、県内に分散して存在し、
小布施事業所・飯山事業所・七瀬事業所・中野事業所の4ヶ所でレンズなどの光学製品を製造しています。
最初に訪れたのは小布施事業所。
こちらではバー材と呼ばれる延板状の光学ガラスを用いて、一枚一枚のレンズを加工していきます。
ガラス溶解は製鉄などと同様、一旦炉に火を入れたら簡単にはその手を止めることができません。
「バー材加工は365日24時間止まらない」という工場の方の話がとても印象的でした。
炉から取り出されたバー材は既定の時間をかけて1時間に数度という単位で、熱を取り除きます。
仮に1時間当たり1度ずつ冷やすのであれば、
100度落とす為に4日と4時間もかかる計算になり、いかに根気のいる作業であるかが見て取れました。
こうして作られたバー材は摩擦熱を利用して手作業で切断し、大きさを揃えていきます。
さらにこの先ではプレス成形という作業が待っています。
この小布施事業所では、500~700度の高温でガラス片を、レンズの形にと形成していくのですが、
この高温ゆえに作業場は非常に熱くなるのです。
もちろんこの工程も工員の方が作業しており、夏場の作業はさぞ大変だろうと想像できます。
高性能レンズを作る為には、こうした方々の努力が礎となっているのですね。
続いて訪れたのは飯山事業所。
こちらではレンズ研磨の様子を見学しました。
材質や形状などによってさまざまな方法を使い分け、1枚のレンズを数回の工程に分けて研磨していきます。
こうして、最初は白かったレンズが、透明なものへと変化していくのです。
研磨を終えたレンズは洗浄し、検査を経て「心取り」という作業に入ります。
こちらは研磨終了段階では所定よりも大きく作られているレンズを、
本来の形へと変えていく作業です。
次に向かったのは中野事業所、
先ほどの「心取り」を経て検査にパスしたレンズは、この工場にて組み立てられ完成品へと姿を変えます。
中野事業所では金属加工の様子を見学し、日頃皆様が手で触れる部分がどうやって形成されるかを見ることが出来ました。
印象的だったのは、金属を削る過程で出た破片などは廃棄せずに回収し、再利用していることです。
こうしたコシナのひたむきな取り組みの中に、寄せられている信頼や、安心感が培われていることを肌身に感じました。
さて、レンズが出来るまでの過程を見学した後は質疑応答の時間を取っていただきました。
各工程をご覧いただいた方々からは、多くの質問が飛び交い、コシナさんに負けない熱い姿勢が伝わってきました。
こうして見学は全て終了し、一路新宿へと帰路につきます。
ご参加いただいた皆様の熱意のおかげで、非常に内容の濃い1日を過ごすことが出来ました。
振り返ってみれば懸念していた天候も最後まで荒れることなく、
さわやかな初秋の風を感じることができた旅となりました。
バスは夜の高速道路をひた走り、再び新宿へ。
最後になりますがご参加いただいた皆様、快く工場見学に応じていただいた株式会社コシナ様にもこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
これからもマップカメラは皆さまにとって魅力のあるイベントを数多く企画していきたいと思います。
これからもマップカメラをよろしくお願いいたします。