15年程前、私は写真学生でした。

当時は、まだまだフィルムカメラが主流で、デジタルの授業でも
フィルムをスキャンしてレタッチをしていたのを覚えてます。
授業内容は大判や中判カメラでのスタジオ撮影や、暗室ワークがメイン。

そんなフィルム全盛の当時、写真学校に奨められて購入したアイテムが
今回、私がご紹介するアイテム”Minolta Auto Meter IV F”です。

1992年2月発売のフラッシュ光および定常光を測定できる
マイコン内蔵のシステム露出計。
別売りのアタッチメントをつければ、反射光式の露出計。
ただ、アタッチメントをつけると大きくなってしまうので
あまり使う方はいないと思います。
基本的には入射光式の露出計です。

定常光はAMBIで測り、フラッシュ光の時はCORDもしくはNON.Cで測る。
使い方はとてもシンプルです。
スタジオの光も、コードが有っても無くても
計ることが可能です。

Mボタンを押すと測定値を2個までメモリーできる
メモリー機能や、
アベレージ露光ボタンを押すと、2個の測定値の平均値を演算してくれる
アベレージ演算機能もあります。

重さは125gと、プラスチック材質でかなり軽量ですので付属のネックストラップで
首からぶら下げていても重量感は、
ほとんど感じられません。
それに首振りができて光球が回り、片手で操作が可能
なので便利です。

電源は単三電池一本です。

まさにデザイン性というよりも、実用的な露出計です。

ちなみに、Auto MeterIIIFですと、フラッシュ光がNON.Cでしか使えず、
1/60と1/250しか使えません。さらに両手で操作しないと
使えないですし、電池が4SR44か4LR44ですので何かと不便を
感じたのでIV以降が使いやすいと思います。

フィルムがメインだった頃、
ポジや人物撮影の時には、少しでも自分の思うような光を
作れるように露出計を使っていました。
自信が無い時は、撮影前に一枚ポラを切って確認をする、
当時はそんな感じでしたので、露出計は必須アイテム。

そんな必須アイテムだった露出計ですが、デジタル主体の今では、
パソコンや背面液晶で仕上がりが見えるので
昔のような重要アイテムではなくなってしまいました。

それでも、私は使い続けてます。
心配性の私は、これがあると安心して撮影ができるからです。
重くはないのでいつもカメラと一緒に持ち歩きます。

屋外での撮影ですと露出計と液晶ルーペをぶら下げているのですが、それでも軽いので問題ないです。

今では、私のLoweproのプロローラーの中にいつも常駐している
マスコット的な存在になっていますが、いつも必ず光を計ってから
撮影を開始しています。

いわば映画のカチンコのような感じです。

この露出計を昔から使っていますので、もし壊れたらどうしようかと
思っているのですが、これと同じような露出計をKenkoがKFM-1100という
名前で引き継いでいるので、ひとまず安心してます。

ボディカラーはミノルタの方がブラックベースで、ケンコーの方がグレーベース。

受光球のまわりのアタッチメントのギザギザの計上やボタンの感触
が違いますが、基本的な形や操作性は同じです。
しかしながら、専用ケースは全くの別物になってまして、透明の名刺サイズのポケットが付いて、
黒ベースがケンコーのもので、若干深緑っぽい方がミノルタのものです。

ちなみに、KenkoTokinaが、コニカミノルタ専用修理相談窓口
なるものをやっているので何かあった時には助かりそうです。
取説もKenkoTokinaのサイトからダウンロードできます。

時代が移り変わり、フィルムからデジタルに世界が変化
して、カメラや暗室用品は手放したり、
トレードしたりしていて、どんどん違う機種に
移り変わってます。
それでも、このAuto Meter IV Fだけは、ずっと変わらずに
使い続けています。

写真は光の性質によって、雰囲気がどんどん変化していくので、
同じ被写体でも様々な表情を写し出す事ができる
本当におもしろい遊びです。

光を理解できるようになりたいという気持ちがある限り
これからもずっとコレを使っていきたいと思ってます。

その他にも多種多様な露出計があります。
自分にピッタリの露出計を見つけてみてはいかがですか？