α7RIIIのピクセルシフトマルチ撮影を”試す”
皆さまこんにちは。
先日発売されたばかりの最新機種
α7RIII
既に撮影を楽しまれている方も多いのではないでしょうか。
本日のテーマは「ピクセルシフトマルチ撮影」です。
Eマウントボディの中ではα7RIIIで初登場した機能となりますが
ボディ内手ブレ補正機構を高精度に制御することで
イメージセンサーを正確に1ピクセル分ずつずらして計4枚の画像を撮影、合成。
有効約4240万のすべての画素でR・G・B の全色情報を取得し、補間処理をせずに直接合成します。
そこから画像を生成することで偽色の発生を最小限に抑え
より高精細かつ忠実な質感描写を実現する、というもの。
と、ここまでお読みいただいたところで「あれ?似た機能を知っている」
と思われた方はお詳しいお客様。
既にペンタックスではほぼ同様の機能である「リアルレゾリューション」がありますし
オリンパスにも「ハイレゾショット」という名称の機能がありますが
どちらかと言えば前者に近い特性を持つ「ピクセルシフトマルチ撮影」です。
簡単な解説はこの辺りにしておいて、早速1枚見ていただきましょう。
中途半端な構図になってしまいましたが…
※クリックで拡大します
α7RIII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 ASPH.
ss1/60 F3.5 ISO100
どん!と全体像がコチラです。
中央下部のランプが消えている所をクロップしてみましたがいかがでしょう。
少し絞りを開け気味で撮っているので、ボケでディティールが際立っているところもあるとは思うのですが
合成して拡大して見た一言目が「うわっ気持ち悪い」でした…。
ベイヤー方式のカラーフィルターを持ったセンサーだと
超高画素機とはいえここまで伸ばした時に画が眠くなってしまう事があるのですが
約1億6960万画素分の情報から生み出される偽色の無い写真には
目も冴えてしまいそうな質感描写があります。
ちなみに撮影した画像は、ソニー純正のソフトウェア「Imaging Edge」で合成・現像できます。
この辺り、ボディ内で合成が出来るとより良かったのですが
まだそこまでには至っていないようです。
※クリックで拡大します
α7RIII + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPH. III
ss1/8 F8.0 ISO100
どーん、と広角でも撮ってみるわけですがモスクの天井画をこれでもかと描き込んでいます。
今回は大きめなサイズの画像もご用意しておりますので、特にPCからご覧のお客様は
大きな画像もお楽しみください。
さて、実はこの写真には重大な事実が隠されています。
それはピクセルシフトマルチ撮影には弱点がある、ということなのですが
その弱点とは「被写体が微塵も動いてはいけない」というもの。
例えば上記の写真も照明が空調の風にあおられて少し揺れていたのですが
無理やりグイッと拡大して見ると、ところどころノイジーになってしまっています。
中央から少し右に外れたところの照明などが分かりやすいでしょうか。
4枚合成を行うにあたって、被写体が動いてしまったところはこの様にノイズになってしまうのです。
この辺りはペンタックスの「リアルレゾリューション」やシグマの「SFDモード」だと
動体補正機能が付いていて、連続撮影時に動いてしまった物を検出して
合成時に本来ジャギーが出てしまう部分のノイズを
低減させるという機能がついているのですがピクセルシフトマルチ撮影にはその機能がありません。
※クリックで拡大します
α7RIII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 ASPH.
ss1/20 F7.1 ISO100
ですがそれを差し置いても得られる解像感と
偽色のないクリアな画は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
凍った池を真俯瞰で撮影しましたが、氷の質感といい
葉のディティールといい見事なものです。
※クリックで拡大します
α7RIII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 ASPH.
ss1/60 F2.0 ISO100
そしてピクセルシフトマルチ撮影には他社には無い機能が一つ付いています。
この手の機能は基本電子シャッターを利用する為に、ストロボの同調がNGですが
1/13秒という超低速にはなるもののストロボの同調が可能な点です。
今回は自然光であっさりと撮れてしまったため、上の写真はイメージとなりますが
テーブルフォトなどの物撮りなどでは重宝するのではないでしょうか。
※クリックで拡大します
α7RIII + MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 ASPH.
ss1/13 F3.5 ISO100
被写体を求めさまよっていたら足元に、ザクザクという感触が。
そう、冬ではお馴染みの霜柱です。
面白そうだと撮影してみたのですが、普段塊になっている霜柱の1本1本が見えてきます。
そして中央左の枯れ葉表面にも産毛や葉脈が見てとれますが
こんなところまで子細に写るのかと驚いてしまいました。
今回はピクセルシフトマルチ撮影という点に着目して
数枚の写真で綴りましたが、いかがでしたでしょうか。
どうしてもしっかりと準備をした上で臨まなければいけない以上
気軽には使えない機能にはなってしまいますが、高画素機を高画素機らしく
より高精細な写真を求める方向にも使えるのもα7RIIIの魅力の一つと言えそうです。
お求めはコチラから。
|
|
|
|
マップカメラ本館5Fはソニー製品を中心に、更にCONTAXやMINOLTAなどのレンズも多数ご用意しております。
もちろんショーケース内の中古商品はお手にとってお試しいただけます。
ご興味ご関心お持ちのお客様は是非、マップカメラ本館5Fへお立ち寄りください!
撮影:α7II + HELIAR Hyper-Wide 10mm F5.6 Aspherical