【24人の24mm】大口径24mmで日常にスパイス
日常にスパイス 06
皆様は、日頃24mmという焦点距離のレンズを、どの程度使いますか。
今現在、各メーカーから多くの種類の24mmのレンズが発売されています。
メーカーごとに設計思想が違い、シャープネスが優先されるものから、 大口径であるもの、最短撮影距離の短いものなど、実に様々です。
24mmという焦点距離は、今では一般的な広角域の焦点距離として 普及しています。
フルサイズセンサーを搭載するカメラに対応するズームレンズ としては、24-70mmなどの焦点距離が、俗にいう「大三元」の 一つとして数えられるようになってからも久しいです。
広角レンズを使う魅力は、その強烈なパースペクティブにあると いっても過言ではありません。
被写体のデフォルメ効果も相まって、24mm程度の広角レンズを 使うともなれば、その画角だけでフォトジェニックな写真を 撮影できます。
あるいは、風景写真などにおいて、純粋に「風景を広く写したい」 という欲求や、「室内を広く見せたい」といったシチュエーション で、効果的に撮影を行うことが可能です。
私が愛してやまないニコンは、もちろん24mmという 焦点距離のレンズを、世に送り出しています。
とりわけ歴史的に有名なものといえば、当時世界で初めて、 最短撮影距離0.3mを実現した、NIKKOR-N AUTO 24mm F2.8でしょうか。 (当時の広角レンズは、近くまで”寄れない”ことが当たり前でした。)
しかしながら今回使用したレンズは、別のもの。
24mmという焦点距離でありながら、F1.4という大口径を実現した、 AF-S 24mm F1.4G ED です。
(SS 1/4000, F1.4, ISO 100)
パースペクティブの強い画角です。 開放ですと周辺減光もありますので、周辺減光を利用した視線誘導が可能です。
(SS 1/1000, F1.4, ISO 100)
諧調表現が非常に豊かなレンズです。
こういった陰影のある描写でも、コントラストが付きすぎず、メリハリのある質感を写し取れます。
(SS 1/8000, F1.4, ISO 500)
人通りが多い場所でのスナップ。
手前側の通行者がボケており、広角ながらその被写界深度の浅さがよくわかります。
(SS 1/400, F1.4, ISO 500)
最短撮影距離は0.25mなので、近距離撮影で強いパースペクティブ効果と自然なボケを用いたドラマティックな撮影が可能です。
(SS 1/8000, F1.4, ISO 500)
開放は少し甘さが残る描写ですが、数段絞ることによって改善します。
しかし24mmでF1.4という性能がなんだか楽しく、ついつい開放で撮ってしまいます。
甘さも、撮影像が破たんするようなものではなく、すこしクラシカルな雰囲気を感じるようなものです。
(SS 1/1250, F1.4, ISO 500)
夕方のグラデーションをきれいに写し取ってくれています。
アウトフォーカス部が実になだらかなのがわかります。
(SS 1/640, F1.4 ISO 64)
木陰のベンチで読書をする夫婦。
柔らかな描写が、ゆっくりと流れる時間を表現してくれます。
私は、普段24mmの使用頻度が高いというわけではわりません。
たとえば、AF-S 24-70mm F2.8E ED VRを使用する際などに、必要に応じて使うという程度です。
古い言葉を借りるなら「写真は引き算」ですから、24mmという焦点距離によってもたらされる情報量を、フレーミングなどでいかにしてコントロールするかが肝要です。
私自身が、写真の専門学生だったころは、「中央は勝手に写るのだから、周辺部を意識しなさい。」と講師に口酸っぱく言われたものです。
そういう意味で、私が24mmで行った一連の撮影は、非常に難しいものでした。
ですが、このレンズはとても魅力的です。
昨今のレンズはシャープネス傾向の強いものが多く、裏を返せば空間描写能力に欠けたものが多い印象を受けます。
ディテールを優先的に描写する必要のあるランドスケープなどはレンズ本来のシャープさが重要かもしれませんが、人々を撮るようなドキュメンタリーチックな写真には、このAF-S 24mm F1.4G EDの持つ描写能力が最適に思えます。
ニコンの現行F1.4シリーズは、そういった立体描写にすぐれた、バランスのよいレンズがそろっております。
広角24mmの選択肢として、写真を撮ることを楽しくさせる、オススメの一本だと、私は思います。
▲△▲ マップカメラ24周年 フォトコンテスト開催中です!皆様のご応募お待ちしております! ▲△▲
|
|