【24人の24mm】”S”の衝撃
”S”の衝撃
24mmという画角は普段全く使っていない焦点距離。
正直お話が来た時「果たして私で大丈夫なのか…?」と少し緊張もしました。
今回は中判フォーマットとなるLeica S(Typ007)と
換算24mm相当のElmarit-S 30mm F2.8 ASPH.を使用し、
モノクロームで撮ってきました。
ズシリと手に伝わる重量は、ボディ1260g、レンズ1006gという超重量級の組み合わせ。
この企画の中でも恐らくトップクラスの機材…緊張が走ります。
S(Typ006)まではCCDセンサーでしたが、S(Typ007)からはCMOSセンサーに一新。
高感度耐性や操作レスポンス等、大幅に向上しました。
真夏の酷暑にこの重量を持ち歩き、植物園へ。
この入り口を撮影した時から、”S”がもたらす衝撃を体感。
フォーマットの大きさ故にF8で撮影し、自宅で確認したところ絶妙な描写に息を飲みました。
正直なところ、レンズには嫌らしい環境です。
枝葉や鉄骨の情報量の多さに加え、ほぼ逆光にて撮影。
上部はややコントラストが低下しています。
しかし線の柔らかさと解像力のバランスが絶妙な描写。
硬すぎず、しかし眠い訳ではなくしっかりと描き分けている表現力。
シャッターを切る度に暑さを忘れ楽しくなります。
僅かな光の表情や葉の表情もしっかり捉え、静かな迫力を感じる1枚。
正にジャングル。童心に帰ったようにワクワクして歩いてしまいます。
少し絞りを開いての撮影です。
勿論周辺の甘さ等は出ますが中判フォーマットの”懐の深さ”を感じる立体感。
日常で食虫植物をじっくり拝見する事はなかなかありません。
学校の教科書で「虫を食べる植物」という特徴やその形もかなり独特な為、惹き付けられた方も多いのでは?
ここまで多くの食虫植物が集まると、まるで違う世界に来てしまったような錯覚に陥ります。
光のニュアンスに惹かれて撮影した1枚。
特にこの食虫植物園は光と影の表現が豊富です。
外ではミニコンサート等も開かれており、海外からの観光客の姿もありました。
施設の入り口付近も庭園になっています。
板根と呼ばれる熱帯多雨林の大樹の根元にできる”板状の根”。
この根を持っていた木は50mの大木だったそうです。
その一部を近接で撮影。Sシステムの表現力は正に「圧巻」の一言。
実はこの植物園を出た周辺も良い場所が多く、散歩コースの一つ。
普段なかなかお目にかかれない風景に新鮮な気持ちになります。
最後にカラーで。
「この写真だけはどうしてもカラー」としか考えられません。
自宅のモニタで見て、鳥肌が立ちました…
Leica S(Typ007)の魅力に一気に引き込まれる印象深い1枚です。
初めは少し抵抗のあった24mm相当のElmarit-S 30mm F2.8 ASPH.
しかし今回使用して1枚1枚をしっかり確かめ、「場」を撮るレンズとして非常に説得力のある描写に夢中で撮影していました。
大柄で重量級のSシステムですが、実際に持ってみるとホールディングのしやすさに驚きます。
そしてダイレクトに伝わって来るミラーの振動が、フィルム中判機の名作であるPENTAX67を彷彿とします。
但し高画素の中判機の為、手振れもかなりシビア。
1/125秒辺りから三脚が必要な場面が出て来そうです。
なかなか体験できる機会が少ないモデルの為、気になっている方も多いのではないでしょうか。
勿論値段も…しかしこの表現力、一度味わうと「何とかして手に入らないか」と色々考え始めてしまうほどに大きな魅力がある1台。
まだまだ語り足りない、Leica Sの魅力。今後もご紹介して行きます。
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