【Canon】オールマイティに使える次世代Kiss EOS Kiss M
Canon EOS Kiss M
近年稀にみる暑さに見舞われた今年の夏、撮影に出かければ大量の汗と、日に日に黒くなっていく肌の色。
今夏は写真の撮影がハードなスポーツになってしまいそうなくらい厳しい暑さでしたが、みなさま撮影は楽しまれていますでしょうか。
今日は話題のミラーレスブームにあやかって、Canonの最新ミラーレスEOS Kiss Mの魅力に改めて迫ってみたいと思います。
少し前の記事になりますが、EOS Kiss Mに付属してくるキットレンズの作例や、顔認識&瞳AFを利用したポートレートの作例をMap Timesに掲載しておりますので、ご興味があれば是非ご覧ください。
EOS Kiss M レビュー エントリー機の名前を冠した最新鋭ミラーレスの実力
CanonのEOSミラーレスシリーズと言えば、2012年に初めて発売されたEOS Mを皮切りに、現在はハイエンド機のEOS M5(M6)、エントリー機のEOS kiss M(EOS M10,M100)の2クラスに分類され、計8機種が世の中に送り出されています。
初代のEOS Mはお世辞にもAFが早いとは言えず、レスポンスが遅いEFシリーズレンズが正常に動くだけのミラーレス機という、当時のイメージを持たれている方もいらっしゃるのではと思います。
キヤノンもライブビュー撮影でも快適な作動が出来るようセンサーの開発を進め、ファインダーを介さずに位相差AFが可能なデュアルピクセルCMOS AFの開発に成功。
ミラーレス機にこのセンサーが搭載され、初代EOS Mと比べると圧倒的な高速AFを実現しました。
その結果、EF-Mレンズはもちろんの事、変換アダプターを介したEFシリーズのレンズでも快適なAFが可能となり、一眼レフに近い感覚で撮影出来るようになっています。
今春にエントリー機として発売されたEOS Kiss Mは最新型のセンサーを搭載しており、EOS Mシリーズ最連写速度秒間10コマや4K動画、瞳AFの搭載、RAWファイルも新バージョンCR3になるなど、EOS M5を超えたハイエンドクラス並みの性能を備えています。
子どもや家族写真を誰でも簡単、きれいに撮影することを前提に開発されているkissシリーズ。
EOS kiss Mで初搭載された瞳AF機能と最大143点(M5は)のAF測量点によって、ポートレート撮影ではより正確なピント合わせが可能となっています。
EOS Kiss M + SIGMA Art 135mm F1.8 DG HSM ISO 100 F1.8 SS 1/640 マウントアダプターEF-EFM使用
35mm換算で100mmを超えた中望遠、F1.8と一眼レフで撮影すると難しいピントが浅い環境でも
1発でびしっとピントがあった撮影が可能。
初めて撮影する初心者カメラマンさんでも、簡単に失敗することなくピントを合わせることが出来ます。
EOS Kiss M + SIGMA Art 135mm F1.8 DG HSM ISO 100 F1.8 SS 1/1250 マウントアダプターEF-EFM使用
一眼レフのファインダーでピントをしっかり合わせたつもりなのに、データを見てみるとピントがずれていて失敗した…
そんな心配は一切不要、EOS Kiss Mであればオートで簡単に撮影できてしまうが凄いところです。
EOS Kiss M + SIGMA Art 135mm F1.8 DG HSM ISO 100 F1.8 SS 1/2500 マウントアダプターEF-EFM使用
また顔認識AFも高速かつ正確で、前ボケを大胆に入れた条件下でもしっかり顔にピントを合わせてくれます。
構図の変更をしてもAFポイントを変更せずに済んだりと、ポートレート撮影においてその性能を思う存分活用することが出来ます。
EOS Kiss M + SIGMA Art 135mm F1.8 DG HSM ISO 100 F1.8 SS 1/4000 マウントアダプターEF-EFM使用
EOS kiss Mは最もポートレートが撮りやすいCanon機と言っても過言ではありません。
お子様などの家族撮影を簡単キレイに撮影出来るエントリー機ならではの機能が、ハイエンド一眼レフを超えた良い一例です。
ちなみにEOSシリーズで使用されているストロボなどはEOS Kiss Mでも利用可能となっており、しっかりした多灯システムも組むことが出来ます。
EOS Kiss M + SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM ISO 125 F1.4 SS 1/640 マウントアダプターEF-EFM使用 580EXII×2灯
現在一眼レフでストロボを使用されている方は、サブ機としてEOS Kiss Mを使ってみてはいかかでしょうか?
カバンの隙間に一台入れておけば、もしもの時に大活躍してくれること間違いなしです。
人物撮影の事ばかりとなってしまいましたが、旅行やスナップ撮影も抜かりなくこなすことが出来る本機種。
その性能にも少し掘り下げて記述していきたいと思います。
EF-Mレンズ群においてはまだまだラインナップが少ない印象を持ちますが、その中で強くオススメしたいのがEF-M11-22mm F4-5.6 IS STMです。
EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
35mm換算で18-35mm相当の超広角レンズでありながら、重量は何と約220g。
ただ軽いだけではなく、レンズ構成も9群12枚&手振れ補正付きと、かなり贅沢な設計がされています。
それでいて価格は3万円半ば、手軽&高品質&低価格という3拍子揃った本レンズ。
気になる描写力は広角Lレンズ並との声を良く耳にする程の実力があり、安かろう悪かろうのイメージを払拭した一本となっています。
このレンズを使うためにEOS Mシリーズを購入する方もいる程。
Canonの低価格高品質レンズはEF 50mm F1.8シリーズが有名ですが、この価格でこの写り…を改めて実感してしまう一本に仕上がっています。
EOS Kiss M + EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM ISO 100 F9 SS 1/100
街中で何気なく撮影した一枚ですが、端までしっかり描写されていることに驚きます。
周辺の流れも気になることが無く発色も良好で、Lレンズ並というのも頷けます。
EOS Kiss M + EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM ISO 4000 F9 SS 1/60
EOS Kiss M + EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM ISO 5000 F9 SS 1/80
赤羽駅の裏路地にて。
少し暗いところの撮影でも安定した描写力を見せてくれます。
感度も手軽にAUTO設定で…ずぼらな性格が出てしまい、意図せず高感度ISO5000まで上がってしまう場面もありましたが、EOS kiss Mに搭載されている最新型DIGIC8のノイズ処理によって非常にノイズレスな1枚に仕上がっています。
APS-Cセンサーでこのノイズ感、暗い環境下でのスナップも十分耐えうるレベルで、フルサイズ機と比べても遜色ないのでは?と思ってしまうほどです。
EOS Kiss M + EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM ISO 800 F9 SS 1/60
EOS kiss Mにはバリアングル液晶も搭載されているので、このようなローアングルの超広角写真も気軽に撮影することが出来ます。
ピントも合わせたい所に液晶タッチするだけで撮影出来てしまうのも、誰でも簡単に使えるkissシリーズの大きな強みです。
最後に、遊び心で他社製のオールドレンズを装着しての撮影も行いました。
本機種にはピーキング機能が搭載されており、ピントが合っている部分を分かりやすく表示することが可能です。
表示方式もピーキング表示の強弱に加え、エッジ色もレッド、イエロー、ブルーの3色搭載、被写体に合わせて表示を変更できるので本格的なマニュアル撮影が可能となっています。
一眼レフではどうしてもピント合わせが難しい…なんてレンズも、本機なら簡単に撮影できるので、ついついオールドレンズを買い集めてしまいそうになってしまいます。
ファインダーを覗いてピントを確認できるので、しっかり構えながら撮影ができ、一昔前のレンジファインダー機を使っているような感覚で使用することが出来ます。
Nikko 50mm F1.2
今回オールドレンズのメイン機材として使用したのが、ニコンのNIkkor 50mm F1.2です。
一昔前、明るいF1.2標準レンズの開発を競い合っていた頃に誕生した本レンズ、中古市場でも比較的割安で手に入り易い一本です。
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/4000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/4000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/4000
開放で撮影すると強烈なボケ味と、逆光時に現れるオールドレンズ特融のフレアが撮影者を楽しませてくれます。
今のレンズでは補正されてしまう、ふんわりした描写も味になります。
前ボケは後ボケに比べると素直で、積極的に取り入れながら撮影していました。
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/4000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/500
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F2.8 SS 1/1000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/2000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/2000
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F9 SS 1/100
スナップ撮影にも本レンズは大活躍。
開放で撮れば溶けるようなボケ味を楽しむことができ、絞れば現行レンズに引けを取らない圧倒的な描写力を見せてくれます。
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/160
EOS Kiss M + Nikkor 50mm F1.2(マウントアダプター使用) ISO 100 F1.2 SS 1/1250
白い和紙や、色鮮やかな和傘の質感を綺麗に表現してくれるのは、このレンズとEOS Kiss Mのセンサー性能あってこそ。
エントリー機とは思えない表現力です。
筆者が普段使用している一眼レフ EOS 5D Mark IIIではなかなか掴みにくいピントの山も、ピーキング機能を使えば失敗なく撮影できてしまうEOS Kiss M。
ストレスなく明るいMFレンズを活用できる、ミラーレスならではの強みを改めて実感しました。
オマケになってしまうのですが、今回家に眠っているエクサクタ(Exakta)マウントレンズも少しだけ使ってみました。
Meyer-Optik Domiplan 50mm F2.8
ドイツのイハゲー社が昔製造していたエクサクタ・ヴァレックスを所有しているのですが、フィルム機の稼働率が極端に下がってしまい…
今回レンズだけでもと、防湿庫から引っ張り出してEOS Kiss Mに着用してみました。
EOS Kiss M + Meyer-Optik Domiplan 50mm F2.8(マウントアダプター使用) ISO 100 F2.8 SS 1/800
EOS Kiss M + Meyer-Optik Domiplan 50mm F2.8(マウントアダプター使用) ISO 100 F2.8 SS 1/800
EOS Kiss M + Meyer-Optik Domiplan 50mm F2.8(マウントアダプター使用) ISO 100 F2.8 SS 1/800
先にあげたニコンとは違ったぐるぐるボケが特徴の本レンズ、オールドレンズらしさがより際立ちます。
本体に不釣り合いのサイズ感、少しアンバランスではありましたが、懐かしのレンズを再度使うことが出来るのはミラーレスならでは。
マウントアダプターも高品質で低価格の製品が出てきていますので、是非挑戦してみて下さい。
以上、いかがでしたでしょうか。
ハイエンド機種ばかりに目が行きがちですが、Canonのミラーレスの底力も目を見張るものがあります。
実は2018年上半期のミラーレスカメラシェア率NO.1はCanon、使いやすくて低価格、高性能のEOS Kiss Mが非常によく売れています。
首位を走るCanonの今後の動向が見逃せません。
マップカメラ本館4階では、本機のタッチ&トライはもちろん
EFレンズやサードパーティレンズを装着しての動作確認なども行えますので
是非お気軽にご来店ください。