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【Leica】聖なる夜の、少し前

気が付けば12月。聖なる夜の、少し前。
1年という時間の早さが年々早く感じるようになり
街を歩くと目まぐるしく変わる季節に圧倒される日々。

Leica M Monochrom(typ246)+Summicron M35mm F2(6枚玉)

「この時期がやってきたんだ」と感じるシーズンがクリスマス。
多くの光に彩られたイルミネーション。大切な人や子供達への
プレゼントを探して歩く人、その表情も明るい。

Leica M Monochrom(typ246)+Summilux M50mm F1.4初期型

冬がやってきて寒くなったけれど、師走の喧噪と高揚感が
一人歩いていく中ですれ違う。間近で擦過する明るさに
ちょっとした眩暈を感じながら、身体的にその幻影を追う。
ほんの少し、暖かい。けれど気が付けばまた寒くなる。

Leica M Monochrom(typ246)+Summicron M35mm F2(6枚玉)

ショーウィンドウを見ると、なぜだかホッとするのは
「そこだけは誰にでも平等に与えられたクリスマス」だから。
目の前の窓の中には、幸せな、ファンタジー映画のような世界。
束の間の異世界は思わず眺め「今年の記録」と胸に一言呟く。

Leica M Monochrom(typ246)+Summilux M50mm F1.4初期型

ディケンズの「クリスマスキャロル」では
一人の男が、過去・現在・未来の3つの幽霊に出会う。

写真を撮るまでの行為も、撮るまでが未来、撮った時の一瞬が現在、
そして家で帰って見る時は過去。3つの幽霊に出会うような気もする。
片手で握りしめたライカは、それを自然と想起させてくれる。

Leica M Monochrom(typ246)+Summilux M50mm F1.4初期型

「クリスマスなんだから、カラーで綺麗なイルミネーションを」
確かにそう思う。ただカラーで撮れば「答え」が出てしまう。
モノクロームで彩られた色を見て「これは何色なんだろう?」と少し、
想像しながら後で見返せるのは、「過去という”想像の未来”」に
出会う事の楽しさも無意識に感じているのかもしれない。

Leica M Monochrom(typ246)+Summillux M50mm F1.4初期型

歩いてて今まで見過ごしてきたものを見つけ、集めていく。
少し神経のアンテナを立てて歩くだけでも、
そこには思いがけないものが時を過ぎ現れる。

Leica M Monochrom(typ246)+Summicron M90mm F2ブラッククローム

思索に耽りながら、身体が反応したらそっと撮影する。
求めるのは「カメラ」ではなく「眼」である事。
ライカの良さはそんなところにある。

聖なる夜の、少し前。
外套を羽織って、掌にある「眼」と共に今日も街を歩く。
クリスマスのあとはお正月。師走の駆け足は、まだまだ続く。









〓〓タイムズフォト〓〓

[ Category:Leica | 掲載日時:18年12月25日 12時00分 ]

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