【EOS RP発売記念】いい写真の予感がする。vol. 3
EOS RPの発売までいよいよあと2日!
『EOS R で遊んでみた!』というブログで、レンズマウントアダプターを介してオールドレンズでの撮影を紹介しているのですが、今回もその流れで遊んでみました。
「CONTAX Planar T* 50mm F1.4 AE」
マウント:ヤシカ/コンタックス
レンズ構成:6群7枚(絞り羽根:6枚)
最短撮影距離:0.45m
フィルター径:55mm
質量:約275g
(KIPON製レンズマウントアダプター使用)
かつて、カメラ小僧たちが一度は使ってみたいと憧れたカールツァイスの銘玉。
マウントアダプターなど存在しない当時は、このレンズを使いたくてコンタックスユーザーになった人も多くいました。
EOS R に装着するとちょっと鏡胴が長いですが、違和感は少なくいい感じのバランス。
当時、標準レンズの中では少し大振りな印象を持っていましたが、現在の大砲級のレンズに較べれば何ともコンパクト。
このプラナー50mmにプラスワン(次回、紹介予定)の組み合わせで向かったのは、新橋にある「浜離宮恩賜庭園」。 菜の花が見頃とのこと。
西口のSL広場周辺は「夜のサラリーマンの聖地」的な印象の強いJR新橋駅ですが、反対側の烏森口から少し歩くとまるで近未来を思わせるようなデザインのオフィスビルが立ち並ぶ一角に出ます。
ただ、その全体を撮るには50mmでは画角が狭いので、今回は部分を切り取ってみました。
途中にあった生垣の手頃な高さに椿の大輪が… まずはF値4で。
それを絞り開放F値1.4にすると… 溶けます。
まるでソフトフィルターでも装着したかのような描写ですが、ピントの芯はしっかり出ています。
やっと庭園に到着。
入口からそれほど離れていないところに見事な菜の花畑が広がっているのですが、今回訪れた3月初めは、その周りを取り囲む梅の木も満開の花をつけていました。ラッキー!
右後方の枝の花は少し流れるようなボケになりました。 画面中央下に見られるのは、背後に建つビルの窓に反射した光です。
このままちょっと絞ると、
中央下の光源が何とも奇妙な形に… これは絞り6枚羽根の作り出す形状がそのまま出たもの。
絞り羽根の枚数を増やし、絞っても円形に近い形状になる現代のレンズとは全く異なります。
「手裏剣」なんて揶揄され短所とされてきましたが、逆に今のレンズにない表現が楽しめます。
そして菜の花畑に。 縦横に小道が走っているので、周りの人を入れずに写真に収めるために、座ったり立ったりアングルをさまざま変えて撮影。 …ええ、一人で…
独特な背景のボケ具合。 印象派の絵画の筆づかいを思わせるような… まぁ、写真としては決してキレイなボケとはいえませんが…
最短撮影距離付近で撮影。 前ボケも入れてみました。
風が吹いているわけではないのですが、背景がザワザワしている感じ… ちょっとうるさいボケ味。
最後は紅梅、背景の緑の物体は歩道沿いに並んでいたコーンです。 ファインダー内で確かめながら、形が分かるギリギリまでボカシてみました。
最初は50mm単焦点だけで出かけてきてしまったことに後悔していたのですが、撮影しているうちに夢中になって、そんなこと忘れていました。
撮影後半には、ファインダーを覗いていなくても、風景を自然と50mmの画角に切り取って見ている自分に気がつきました。 …カメラ小僧が復活していました。
さてさて、今回撮影に用いた「CONTAX Planar T* 50mm F1.4 AE」、銘玉といわれるオールドレンズ(…考えてみたら、学生時代現役で使っていました。 私もオールドの部類ということか…)
現行レンズに較べれば、シャープネスは勿論、ボケ味も美しいものではありません。 でも、絞り開放時のとろけるような描写や暴れるボケを駆使して作画する楽しさは、他では味わえないものです。
CANON EOS R も、レンズマウントアダプターを介した撮影において、とても操作感が良く、ファインダー内の被写体に意識を集中してシャッターを切ることが出来ました。
はたして今度発売の EOS RP にその良さがどこまで受け継がれているのか、非常に楽しみです。
ボディがさらにコンパクトで軽量になりますから、今回のような単焦点レンズ1本でのぶらり撮影旅にまさにうってつけのカメラになりそうです。
いい写真の予感、そして、いい相棒の予感がします。
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