2018年、秋の開催としては最後となった独フォトキナで大きな話題となった、ライカ・パナソニック・シグマの3社による戦略的協業「Lマウントアライアンス」。
3社から提供される数々のLマウント互換製品群により、マウントとしての拡張性が更に広がることに心を躍らせたお客様も少なくない事と思います。
写真の本質を追求し続けたライカが生み出した、フルサイズミラーレス一眼『SL(Typ601)』。
マイクロフォーサーズで培ったノウハウを余すことなく投入し、先進技術の粋を集めたパナソニック『DC-S1』『DC-S1R』。
そして、2019年7月、
シグマの新製品発表イベントにて、この夢の共演ともいえるLマウントの専用設計レンズがついに登場しました。
同マウント専用にAF駆動方式や通信速度の最適化といった制御アルゴリズムを開発し、まさに専用設計というにふさわしい性能を備えた「LマウントのDG DNレンズ」
発表会の際に、シグマのスタッフの方から、ライカボディとの互換性について、今後更に磨きをかけてゆく旨の声も聴くことが出来ましたが、
この度マップカメラでは情報のアップデートを待ちきれないお客様の為に、オフィシャルよりも一足早く、シグマ『DG DNレンズ』とライカ『SL(Typ601)』との互換性を独自にリサーチ致しました!
Lマウントをご検討いただいているお客様、是非ご参考になさってみてください!
早速検証を始めましょう。
今回、検証したのは、シグマ『Contemporary 45mm F2.8 DG DN』と
同時発売の『Art 35mm F1.2 DG DN』という、ミラーレス専用設計レンズ2本です。
検証方法は、「ボディにレンズを装着し、レンズ側の絞り管を操作した時に、実絞りがボディ側にきちんと連動するか!?」
という、いたってシンプルなもの。
まずは比較も兼ねて、互換が既に確立しているパナソニックのLマウントボディ『LUMIX DC-S1』との組み合わせで検証です。
まずは、『Contemporary 45mm F2.8 DG DN』から、
絞り開放から徐々に絞り込んでゆき、使用頻度の高いF5.6、更には最少絞りまでを検証しましたが、
当然、問題なくレンズの実絞りがボディの液晶に反映していることがみてとれます。
215gという既存のLマウントAFレンズとしては最軽量となるこのレンズ、質量のみならず常用出来る描写性能も兼ね備えたとメーカーがコメントし、撮影での出番も多そうなレンズだけに、直感的に物理的なリングで露出を変更できることは嬉しい限りです。
続いては、同社初の開放F1.2を誇る大口径の『Art 35mm F1.2 DG DN』。
せっかくのハイスピードレンズですから、実用的な中間の値とともに、開放での撮影を試みたいお客様も多いと思いますが、こちらもパナソニックボディでしっかりと連携していました。
さて、検証内容をご確認いただいたところで、いよいよライカボディ『SL(Typ601)』の登場です。
「プロフェッショナルによる写真の世界の新時代を切りひらく」をキャッチコピーに登場した、“Made in Germany”の35mm判フルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラ。
その言葉の通り、発売以降数多くのハイアマチュアや。プロの作画要望に応えてきた、ハイエンドモデルです。
この『SL(Typ601)』との互換性については、
シグマ新製品発表会の場でも今後更に改善させてゆく、といった発表があったように、まだまだ途上という印象を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、当社スタッフがシグマレンズ発売時に独自に検証した際には、「実絞りがボディ側に連携しない」というネガティブな情報も受けており、少々不安が残ります。
先ほどと同様に、まずは『Contemporary 45mm F2.8 DG DN』から検証開始です。
レンズを装着し、恐る恐る絞り管を操作、祈るような気持ちでボディの液晶を眺めてみた結果がこちらです。
しっかりと連動していることがご確認いただけることと思います!
純正ライカSLレンズには、描写性能を追求した高性能レンズが多く存在し、高い評価も得ていますが、そのスペックが故に大きく重たい玉が多いこともまた事実。
だからこそ、こうした軽量・小型レンズの存在は非常に大きなものではないでしょうか。
45mmの動作確認で多少肩の荷が下りた私、期待を込めて次なるレンズも挑戦です!
ボディの形状、ことに曲線の使い方が印象的なライカ『SL』、ハイスピードレンズとのマッチングは非常に良いのですがはたして動作はいかに、
こちらも、開放から最少絞りまで、着実に連動していました。
また、ブログからお伝えすることは難しいですが、手元の検証の上では両方のレンズともAF駆動も問題が無いように思えました。
従来、ライカボディで他社レンズを使うためには、マウントアダプターという選択肢しかありませんでしたが、このLマウントアライアンスによって、ついにライカのボディとレンズが直に使用できるようになりました。
そして、フォトキナ以降、言葉上では理解していたつもりであったはずの“アライアンス”というワードの意味も強く実感した瞬間でもありました。
検証結果に満足しこの記事を執筆していた矢先に、同じくシグマから発売開始された『Art 14-24mm F2.8 DG DN』、
こちらは絞り管がなく、ボディ側の操作に依存する形ですが、同レンズに関しても絞りはきちんと動作し、AFも駆動しました。
画像からは判別できないので心苦しいですが、
ライブビューを使えば、ボディの絞り操作によって、画面の明暗が変化する事がお分かりいただけます。
気になる方は、店頭では実際にデモ機でご確認いただけますので、是非当社スタッフまでお声掛けください!
今回の検証は大成功に終わりましたが、一方で「ライカ」「シグマ」両社のホームページ上もくまなく探してみでも、今回の『SL』『DG DNレンズ』の互換性について公式にはまだ発表等はなされていないようです。(※19年8月23日現在)
ご使用になる場合には、あくまで、マップカメラにおける“独自見解”であり、公式見解ではないことや、今回の検証によって、製品のすべての動作を保証するものではない事をご理解いただけますようお願いします。
また、使用される際には、ボディのファームウェアを必ず最新バージョンにアップデートした上でのご使用をお願いいたします。
これからもマップカメラでは、
お客様がお手元の機材で試すことの難しい検証を、逐次行ってゆきたいと思います!
皆様も是非、シグマの「アーティスティックな表現に対する探究心」と、ライカが考える「写真の本質」の追究から生まれた両ブランドの珠玉の製品を堪能されてみてはいかがでしょうか。
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