α7RⅣ + FE12-24mm F4 G
14mm | F8 | 1/10 | ISO100
※画像をクリックすると2億4080万画素のフルデータを閲覧可能です。(注意:129MB)
※通信環境、端末によっては閲覧出来ない場合があります。
驚異!2億4080万画素の世界!
ピクセルシフトマルチ撮影は、ボディ内手ブレ補正機構を高精度に制御して複数画像を撮影、PC上で合成することで、極めて高い解像感を持つ画像を生成されます。従来のα7RⅢより大幅に進化し、4枚に加え、α7R IVでは計16枚の画像の持つ約9億6320万画素分の膨大な情報から、約2億4080万画素(19008×12672)の画像生成が可能です。
ピクセルシフトマルチ撮影 4枚(9054×6336 pixel)
~神田明神 隨神門を写す~
α7RⅣ + FE12-24mm F4 G
15mm | F8 | 1/10 | ISO100
実際に撮影を行うまでは過剰に大変な撮影かと思い込んでいましたが、撮影を開始してみると意外と簡単です。カメラのメニューから「ピクセルシフトマルチ撮影」「する」を選択し設定を行い、ワイヤレスリモートコマンダー“RMT-P1BT”でシャッターを切ります。16枚撮影の場合、等間隔にテンポよくシャッターが切られていきます。16枚(1カット)撮影の度にSDカードへの書き込みに僅かな待機時間を伴いますが書き込み260MB/s以上、UHS-Ⅱ規格のSDカードであればストレスはありません。
ピクセルシフト撮影で注意しなければならない点は、ブレと撮影中の動き物です。まずはしっかりと三脚に固定しなければなりません。
三脚は筆者愛用の「Really Right Stuff TVC-24 Mk2」を使用しました。撮影中は風や動き物の侵入に十分気を付けます。
冒頭の写真は原寸表示が出来ます。僅かに動く紙垂や旗が合成にどのような影響を及ぼすのか確認できますので2億4080万画素の解像感と合わせてお楽しみください。
ピクセルシフトマルチ撮影 16枚(19008×12672 pixel)
~車の内装を写す~
α7RⅣ + FE24-70mm F2.8 GM
33mm | F8 | 1/30 | ISO100
100%以上の拡大表示をしても画が破綻する事はなく、被写体の色や質感、空気感まで忠実に再現し、
目で見る以上の臨場感あふれる画像の生成が可能です。次に撮影した画像の編集方法をご説明します。
編集方法
撮影方法はいくつかありますが、今回はロケでの撮影の為、カメラ本体のみで撮影しRAWデータはカードリーダー経由でPCに保存しています。ソニー純正のソフトウェア「Imaging Edge」でのみ合成・現像が出来ますので、最初にRAWデータを取り込み、「Imaging Edge」Viewerで合成するピクセルシフトマルチ撮影画像(ARW)を選択します。1枚選択すると自動で4枚/16枚を認識します。
次に合成を行います。メニューから、ピクセルシフトマルチ「撮影 画像の合成(1枚生成)」「ピクセルシフトマルチ撮影 画像の合成(16枚から4枚生成)」の何れかを選択します。4枚のみで撮影の場合は「ピクセルシフトマルチ撮影 画像を合成して調整する」の選択でも問題ありません。2億4080万画素のデータを楽しむには16枚で撮影し「撮影 画像の合成(1枚生成)」を選択します。
データの出力方法と保存場所を選択します。後に「Imaging Edge」Editで現像処理を行う場合は、保存形式:ARQ形式 を選択します。
現像せずにこの段階でJ-PEGにする事も可能です。
4枚/16枚を統合したRAWデータ(ARQ形式)を生成します。この作業には数秒から数十秒を要します。
「Imaging Edge」Editに移動し、現像処理を行う事が可能です。16枚を統合したRWAデータを読み込む場合は処理に数十秒~数分を要します。また、現像や書き出しにも時間を要する為、安定した動作環境が必要です。処理に使用したメモリ32GBのPCでも待機時間が発生しました。しかし、完成したデータを見るとその時間も納得出来るほど感動的です。
今回、α7RⅣを用いたピクセルシフトマルチ撮影を行いましたが、この機能は広告や美術品を撮影する様な商用写真だけでなく、趣味の分野でも楽しむことが可能だと感じました。前述した通り、16枚の合成(2億4080万画素)ではPCの動作環境によっては作成が厳しい場合もありますが、4枚の合成(6100万画素は変わらない)は現実的な範囲内だと感じました。この手間を行う事で、各画素でRGBの情報を正確に取得できるので、色情報の補間処理を行っている1枚撮影に比べると、ダイナミックレンジが広く、被写体の質感やディテールをよりリアルに再現する事が可能です。撮影の際は三脚等で十分に固定しおこなってください。また、撮影の際はワイヤレスリモートコマンダー“RMT-P1BT”でシャッターを切ることをおすすめします。
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