『逍遥』PENTAX 67
『逍遥(しょうよう)』とは、気ままにぶらぶら歩くこと、
つまりは散歩です。
たとえば、天気の良い日に洗濯物を干していて、ふと出かけたくなり、ちょっとそこまで散歩をする。
こういったことを『逍遥』と呼ぶのだと個人的に解釈しています。
散歩よりもちょっとかっこいい存在です。
今回は筆者が『逍遥』に持ち出したカメラ、
PENTAX67をご紹介します。
ウッドグリップがあるとよりどっしりとした印象を受けます。
少し重量が増えますが、
このカメラ自体非常に重たいので、この際あまり気になりません。
このカメラはファインダーの覗き窓が金属で出来ており、
メガネに大きなダメージを与えてしまいます。
筆者は別売りのラバーアイカップをつけて、防いでいます。
今回は、主にsmc PENTAX 67 90mm F2.8を付け、
Kodak PORTRA 400を使用してみました。
海に行きたい!という強い気持ちがあったため、
予備のフィルムももちろん待っていきました。
出陣前に、待ちきれずに一枚。
こちらはsmc PENTAX 67 75mm F4.5をつけて撮影したものですが、
硬すぎず、ほど良いボケを映し出してくれました。
念願の海です。
9月の由比ガ浜海水浴場は、じりじりと暑くまだ海で遊ぶことができる気候でした。
海を見て嬉しくなり、ついついシャッターを切ってしまいます。
ゆるやかなボケが大変気持ちよく映りました。
今回使用した、90mmのレンズは35mm判でいえば約44mmと海を写真に収めるのにちょうど良い選択であったと感じます。
さて、由比ガ浜について数十分でフィルム1ロール(10枚)を使い切ってしまいました。
残すところフィルムはあと2本。
古いレンズながらも、服のしわまでしっかりと描写しています。
少し日が傾き始めたころ、江ノ島に向かいました。
気配を感じブロック塀を覗き込むとそこにはふわふわとした何かが!
海とともに写真に残したかった、かわいらしいねこです。
ふわふわとした毛の描写、立体感、非常によく描写されています。
日が暮れてくると饅頭屋さんの湯気も雰囲気を放ちます。
最後の一枚は夕日を収めたいと思っていました。
階調豊かに情景を映し出しています。
今回はちょっとそこまでのつもりだったのですが、しっかりと丸一日楽しんでしまいました。
しかし、そんな『逍遥』も良いのかもしれません。
今回の反省点としては、120mmフィルム3本では足りなかったということに尽きます。
皆さまも中判カメラを持ち出す際には充分なご準備を。