【飛行機を撮ろう】バイバイ レコンファントム ~午後の部~【Nikon Z50】
12月1日(日)は茨城県にて、
令和元年度百里基地航空祭が催されました。
【 Z50 + DX18-140/3.5-5.6G VR | 1/125 | F8 | ISO100 】
百里基地の名物、
航空自衛隊の偵察機RF-4E/EJは今年度で運用が終了し、
来年度中には同基地のF-4EJ/EJ改も運用が終了するので、
往年の名機「ファントム」を満喫できる最後の航空祭となりました。
さて今回はこの航空祭のメイン、
「ファントム」の画像をどんどん紹介していきましょう。
鋼鉄の翼を持つ老練の防人たちの晴れ舞台です。
【 Z50 + DX18-140/3.5-5.6G VR | 1/125 | F8 | ISO100 】
タイトルにある「レコンファントム」とは、
簡単に言うとF-4「ファントムII」の偵察機型のことです。
高性能カメラを搭載、災害地撮影などで活躍してきました。言うなれば「空飛ぶフィルムカメラ」です。
上の画像の緑の機体と青の機体がそうです。
厳密には2種類あって、
機首下部にバルカン砲がある方(RF-4EJ)とない方(RF-4E)があります。
さてこの緑と青の機体はそれぞれどちらでしょうか。
ぜひ画像を見比べてみてください。
【 Z50 + DX18-140/3.5-5.6G VR | 1/125 | F8 | ISO100 】
対してこちらがF-4EJ改、「ファントム」というとたいていこちらです。
欧米では戦闘機としてのファントムの運用は終了しているので、
隣接する茨城空港にはこの「ファントム」を見るために、
欧米からの観光客の方々が訪れていることがあります。
今回も欧米からの観光客と思われる方々が多くいらっしゃいました。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1250 | F8 | ISO1250 】
空を舞う「ファントム」。
今回の百里基地航空祭では、
午前中のうちに「ブルーインパルス」など外来機の飛行展示があり、午後は「ファントム」三昧となりました。
午前分の記事でも書きましたが、
今回は「Nikon Z 50」と2本のレンズ(及びFTZ)を持ち出してみました。
小柄ながらにD7000番台の一眼レフに並ぶ性能を持ち、
高速連続撮影 秒11コマ(拡張時)が可能なZ50。
レンズは飛行展示の撮影用に200-500/5.6E VR、地上展示の撮影用にDX18-140/3.5-5.6G VRを選びました。
どちらのレンズもD7000番台のカメラでよく使われているレンズです。
特に200-500/5.6Eは航空祭やそのほか望遠レンズが必要な撮影で、Z50での使用を検討される方も多いかもしれません。
これらの組み合わせで航空祭に臨んできました。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO1250 】
着艦フックを展開し低速飛行する「ファントム」。
日本の各地で行われる航空祭で「ファントム」が飛行展示するときは、
このデモンストレーションは定番でした。
これまでは当たり前に各地で撮れたこの写真も、
もう航空祭では撮れないと思うと寂しい気持ちになります。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1250 | F8 | ISO800 】
2機並んで飛行する「ファントム」。
航空自衛隊が採用した戦闘機で、全機が複座(二人乗り)なのは「ファントム」だけです。
この一枚に4名の隊員の方が写っているのです。
2名で搭乗するからこその隊員同士の絆もあったでしょう。
更新後の機体は「背中が寒い」かもしれません。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO100 】
滑走路を標的に見立てて向かってくる「ファントム」。
写真としてはいまいちですが、
この「ファントム」のシルエットが私は好きです。
大きなエアインテークが目をひく武骨でたくましいデザインは、
登場当時の航空機のなかでとてもセンセーショナルに見えたことでしょう。
折れ曲がった主翼の外翼部と合わせてとても特徴的なデザインです。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1250 | F8 | ISO220 】
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO400 】
機種を上げて上昇する「ファントム」。
翼の周りにできた雲のようなものは「ベイパー」と呼ばれます。
大胆な機動をすることで、翼回りの気圧と空気の流れが急激に変化して発生するもので、
これを狙って撮るのが戦闘機撮影の楽しみの一つです。
「ファントム」は翼の上に発生することが多いです。
ベイパーが尾を引きやすいF-15Jと違い、ダイナミックな画にはなりませんが、
だからこそ、確実に狙っていきたい一枚です。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO250 】
なんとか雲の合間で撮れた青い「レコンファントム」。
今となっては世界的に珍しい「ファントム」に、
さらに世界的に珍しい、青い洋上迷彩を施した日本ならではの機体。
欧米からの海外ファンの皆様には垂涎ものだったことでしょう。
雲海のなかでもしっかりとその姿を印象付けるために、
ピクチャーコントロールは「風景」で撮影しています。
「風景」は「ビビッド」よりはやや控えめにコントラストを上げてくれるので、
航空機撮影のプロ写真家の方々がよく初心者向けにおすすめしている設定です。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO720 】
背面含む全体のシルエットがわかりやすい一枚。
機体後部に描かれた茶色いペイントは、フィルムをイメージしたものだと思われます。
フィルムの送り穴を模した意匠に「1961-2020」と第501飛行隊の活動期間、
そして飛行機のシルエットが描かれています。
この飛行機は片方は「レコンファントム」、片方はRF-86Fつまり「セイバー」の写真偵察機仕様です。
長い間見守ってきたファンや関係者にとっては感慨深いものがあるのではないでしょうか。
青空に映える往年の名機の有終の美、しっかりと撮影できました。
【 Z50 + DX18-140/3.5-5.6G VR | 1/160 | F8 | ISO100 】
来た時と天候が変わり日が差してきたので、帰る前にささっと地上展示も取り直しておきます。
今回の地上展示はZ50にFTZを介してDX18-140/3.5-5.6G VRをつけて撮影しています。
Nikon ZシリーズはZ7/Z6でも十分に小柄で取り回しのよいサイズと重量ですが、
Z50はAPS-C機ということもあり、さらに小柄で軽量なため、
Z7/Z6のサブ機として選ぶ方もいたり、あるいはZ50を本命として選ぶ方もいます。
実際使ってみると、このサイズや重量からは想像ができないほどの使いやすさが、
性能面からも感覚的な体感の面からもわかります。
【 Z50 + 200-500/5.6E VR | 1/1600 | F8 | ISO250 】
例えば、200-500/5.6E VRを付けて日中ずっと撮影していた割に、
腕や肩に疲労を感じませんでした。
ボディ本体が軽いだけでなく、サイズに比してグリップが大きめで握りやすいからだと思います。
その途中やその後でDX18-140/3.5-5.6G VRで地上展示を撮影していましたが、
持ち物が大きくてほかの人に迷惑をかけることもなく、
また難しい操作や不要な緊張をすることなく気軽に撮影ができました。
さらにメイン機に本来求められるべきAF性能や描写力も、
Z50は十分に持っているコストパフォーマンスに優れた機種である点も、
皆様に好評いただいている理由なのだと思います。
【 Z50 + DX18-140/3.5-5.6G VR | 1/200 | F8 | ISO100 】
今回Nikon Z50を持ち出しましたが、
その使いやすさのおかげで十分に令和元年度百里基地航空祭を満喫することができました。
発売したての最新のミラーレスで、
往年の名機、「空飛ぶフィルムカメラ」とも言える機体を撮影することができたのは、
感慨深いものがあります。
数々のミッションをこなしてきた老練の大先輩に敬意を表しつつ筆をおきたいと思います。
お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
|
|
|
|