【D780徹底レポート!】第二回 魅惑のDタイプレンズ
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この度発売となったD780、その魅力をマップカメラNikon担当スタッフがご紹介するブログ連載の第二弾。
第二弾でご紹介するのはDタイプとも呼ばれる、カメラ内蔵モーターによってAFを駆動させるレンズ3種とD780の組み合わせです。
DタイプレンズはZシリーズでもマウントアダプターFTZを介することで装着することができますが、内蔵モーターがないためAFは駆動しません。しかし、Fマウントを受け継いだD780であれば、旧来のFマウントモデルと同じくばっちりとAF撮影も可能です。また、ライブビュー撮影時にはタッチAF、瞳検出などZシリーズでもおなじみの機能がDタイプレンズでもお使いいただけます。
今回は105mm,135mm,180mmの中望遠レンズ3種をチョイスしました。
表面がざらざらとしておりマットな質感が格好いいレンズたちです。
さて、試写用の被写体には骨董品店で見つけた大正時代のリキュールグラスを選びました。ガラスには気泡が入っており、口縁部も少し傾いていますが、大変かわいらしい佇まいです。
前ボケ担当に鳥獣戯画 兎のお香立て、後ボケ用に水鳥埴輪のレプリカを配置し撮影を試みました。
まずは、
こちらのレンズはDC(Defocus Image Control)というボケ味をコントロールする珍しい機能が付いています。
レンズ前玉側についているDCリングをF(フロント)側に回すと前ボケを強調しR(リア)側へ回すと後ボケを強調することができます。
また、DCリングを絞り値よりも大きな数値にすることでソフトフォーカスのような使い方も可能です。
今回は豪快に楽しもうと思いDCリングをF側、R側共に最大まで回してみました。
前ボケ担当のお香立てが柔らかなボケに溶け込んでいます。対して後ボケは少しシャープに感じます。
F側最大まで回しているため、輪郭が揺らぎ、ソフトフォーカスのような効果が得られました。
DCリング無補正の状態、105mm F2ともなるとピント面は大変薄くピントの合った畳部分が一直線に伸びているのが見て取れます。ピント面はかなりシャープでD780に搭載されたセンサーとも相まってガラスの表面が忠実に表現されています。
後ボケ担当の水鳥埴輪が上記の2枚に比べ背景に溶け込むように柔らかくボケています。お香立ては少しくっきりとして、輪郭がもうすこしで見えそうです。
続いて、
こちらは135mmの後発として発売されたレンズです。
105mmという焦点距離のレンズは後の世代でも活躍しており、
ヌケの良いマクロレンズ、AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G IF-EDや高い点像表現、ボケ味を追い求めた三次元的ハイファイの設計思想をもったAF-S NIKKOR 105mm F1.4E EDなど特徴的なレンズがラインナップされています。
135mmよりも少し広くなった画角、同じ条件で撮り比べをすると改めて球面収差をコントロールしボケ味を変化させるという面白さがわかります。
ピントが合っているガラス面の透明感がシャープに表現されています。DCリングを回した時とはまた違った顔を見せてくれます。
135mmと比べるとさらに前ボケの輪郭がくっきりと見えています。ピント面は目をこすりたくなるほど柔らかな描写。これを活かしてポートレート撮影なども楽しめそうです。
最後に
Nikon Dfを使用していた際によく使っていたレンズです。
現在Nikon機を手放し中判デジタルに移行しましたが、
マウントアダプターを介して使用するほど気に入っております。
いつもはマニュアルフォーカス専用レンズとして使用しておりますが今回はオートフォーカスが使えるということで撮影に胸が躍りました。
立派な鬼瓦です。西日が差す中撮影しました。
新しいセンサーとも相まって、柔らかな光のグラデーションが表現されています。
散歩をしていると、木々の間からかわいらしい鳴き声が!
冬毛がふわふわ、ふっくらとしたスズメ様でした。
枝の間から狙ったものの意外にも迷いなくスムーズにピントが合いました。
晴天に梅の花、めでたい組み合わせです。
色の破綻もなく柔らかな描写です。
180mmを使うのであればぜひとらえていただきたい被写体が猫です。警戒されない程度に距離をとり、その姿をとらえることができます。
寝ています…。もう少し寄りたいところ…。
見つかってしまいました。「何か用ですか?」とでも言いたげな表情です。
かわいらしいピンク色の舌が出ています。お茶目ですね。
180mmのレンズは生活の中に溶け込むちいさな猫たちをクローズアップして撮影するのにちょうどいい画角です。
近しい焦点域のAF-S NIKKOR 200mm F2G ED VR II であればZシリーズでもFTZを介してAFを使用することができますが、大変大きく散歩のお供としてはかなりの威圧感を放ってしまいます。
それに対してD780であれば、今回ご紹介したDタイプ、Aiレンズなど、往年のコンパクトなレンズたちを惜しみなく楽しむことができます。
Zシリーズとはまた違った、Nikon機の新たな選択肢が増えたと感じました。
不変のFマウントを楽しむ最新機種、D780。
ゆるぎない信念をあなたへ。