【マップカメラ情報】『マップタイムズ 週刊アスキー版 最終回!』の撮影後日談
「ああ、旅に出たいな……」と心のなかにふっとそんな思いが浮かんだら、そろそろ夏休みの予定を決める良い
タイミングかもしれません。
さて、昨年夏からご好評いただいてきました月イチ広告「マップタイムズ 週刊アスキー版」は、6/30発売号
でいよいよ最終回を迎えます。皆様、これまでご購読、ご声援ありがとうございます。
今回は、筆者・白井明大がこよなく愛してやまないライカM3の話です。
この1枚は、とある沖縄の海辺のカフェの窓辺。夏の昼下がりに、かたわらにライカをたずさえながら、ビール
を傾けたひとときです。
撮ったのは、M3に古いミノルタのレンズを装着して。千代田工学(ミノルタの前身)のスーパーロッコール5cm
F1.8という、知る人ぞ知る名玉(その描写は鮮鋭にして繊細です)を、まだ右も左もわからないライカ初心者だっ
た当時、偶然出会って手に入れました。
それはまさに旅の前日。所有レンズといえば、ボディと一緒に購入した沈胴ズミクロン5cm F2一本だけだったの
で、「旅先でレンズ交換してみたいな」と、ぷらっと衝動買いしてしまったのでした。
このデジカメ全盛の時代に、なぜフィルムカメラを選ぶのか?と問われると、結局のところ、自分が「これだ」
と心底思える相棒カメラをずっと使っていきたいから、です。
M3といえば、登場は1954年。僕の使っている個体は75万代で、翌年1955年製のようです。
50年以上前に造られたカメラが、いまも使える。そしてこれからも。このM3を一生の相棒として、他愛もない
自分の日々を撮っていこうと思っています。
*
いまの世の中の流れはあまりにハイスピードだからこそ、手で一回一回フィルムを巻き上げ、大事に撮り、失
敗さえ自分に許しながら、現像をゆっくり待つような趣味があってもいいんじゃないか。
そんなふうに思うのです。
(ある夏の日、沖縄本島の南の海辺で 写真・文:白井明大 協力:monokraft)