【マップカメラ情報】デジタル写真はレンズで決まる
今から9年前、2000年頃はデジタル一眼レフはまだまだ高価なため、写真愛好家の興味はデジタル一眼レフボディーよりも、交換レンズに集中していました。「このレンズは、良いレンズだから絶対買いたいレンズ」、「癖があるけど当たりが出たときの画は素晴らしいレンズ」、「とにかくボケが綺麗なレンズ」など様々なレンズの個性を楽しむのが主流でした。その独特の描写をするレンズの情報を収集し、お目当てのレンズに出会いたくて中古レンズを探した・・・なんて経験がある方も多くいらっしゃるかと思います。
ここ数年でデジタル一眼レフが低価格になり、短いスパンで新製品が発売される様になって、いつしか興味は著しい進化を遂げるデジタル一眼レフカメラの方に向かってませんか?!
そしていつしか交換レンズもデジタル専用設計になり、どのレンズも高性能で綺麗に写るようになり、レンズの個性があまり感じられなくなりました。デジタル一眼レフボディーとセットで付いてくるキットレンズも、文句なしの高性能。キットレンズと差別化を図ろうと思うと、極端な焦点距離(魚眼レンズ、超広角、超望遠)か開放F値の明るいレンズで大きなボケを得るぐらいしかありません。
レンズでの個性が無くなった今、各メーカーはデジタル一眼レフ内蔵のデジタルエフェクト機能で撮影者に新しい表現方法を提案するようになりました。オリンパスのアートフィルター、ペンタックスのデジタルフィルター、ニコンの画像編集機能などです。これらの機能を使えば、あたかもトイカメラで撮ったような効果や、魚眼レンズで撮ったような面白い写真、ティルトシフトレンズで撮ったようなミニチュアフォトなどの効果を得ることが出来ます。何れの機能も「レンズ」の個性を利用した物だと気付かれた方も多いと思います。そうです、やはり写真表現はレンズの描写力、個性が主役なのです。
今回は、魚眼レンズやティルトシフトレンズの様なある意味「飛び道具」的なレンズではなく、味のあるレンズ2本でデジタルエフェクトでは得られない「レンズの味」を探って見ました。カメラボディーは、マウントアダプターで様々なレンズを楽しむことが出来るマイクロフォーサーズ機、オリンパスE-P1を使用しました。心配されたE-P1でのマニュアルフォーカス撮影は、被写界深度の浅いレンズのおかげで、液晶画面上でのピントのヤマを確認出来、快適に撮影出来ました。
絞り解放時の独特のフレアと、光と影をしっとりと描写するSUMMILUX 35mm F1.4。そして逆光時には盛大なゴーストが発生、しっかりとハレキリをすれば防ぐことも出来ますが、敢えてゴーストを入れるのも表現技法として面白いのではないでしょうか?「ハマった」時に見せる独特のフレアを伴ったソフトフォーカスの様な描写は、デジタル一眼レフ内蔵のデジタルエフェクトのソフトフォーカスとは、ひと味もふた味も違います。オリンパスE-P1やパナソニックGH1では、この描写を活かした「ハイビジョン動画」の撮影も可能です。今まで誰も見たことのない映像世界を作り出す可能性を秘めています。
フォクトレンダー NOKTON 50mm F1.5 Asphericalは、解像感が素晴らしく独特の雰囲気を醸し出しています。色乗りも良く使いこなしも簡単。大きすぎず、小さすぎないボケの量は立体感のある「雰囲気」を描写します。ちなみにデジタル一眼レフのデジタルエフェクトのトイカメラ系エフェクトは、わざとピントを外して撮影するのがコツです(ザックリとピント合わせをするイメージで)。
■最新レンズでは味わえない独特の雰囲気を持つオールドレンズ探しなどはいかがでしょうか?新しいレンズを買ったときの「どんな描写をするんだろう?」というドキドキ感はいつまでも忘れずにいたいですね!