【マップカメラ情報】「ハッセルブラッドの時間」
「多くの人々が、求めているものが本当は魚でないことに一生気づかないまま、魚釣りへと出かけてゆく」
ヘンリー・D・ソロー
この本の冒頭に記載された一節です。
この言葉は、まさしく現在の「ハッセルブラッドの時間」にふさわしいものかもしれません。
デジタルカメラが台頭してきて、わずか十数年で中判デジタルカメラは6000万画素を超えた今、
フィルム中判カメラに求められる「高精細な記録」と「大判プリント」という、プロの仕事に必要となる側面を奪われ、
6x6のハッセルブラッドに求められた大部分の仕事は終わったかのように思えます。
それなのに、なぜ今ハッセルブラッドを使うのか。
おそらく、それこそが冒頭の言葉に表されているもののすべてだと思います。
大部分の仕事を終え、自分の時間を取り戻したハッセルブラッド。
せわしない社会の中から、自分の時間をひねり出す私たち。
そんなモノ同士が、一緒に過ごす「自分の時間」
本書に綴られている著者とハッセルブラッドのエピソード、そして時々綴られるハッセルブラッドそのものについてのこと。
そして、特別に褒め称えているわけでもなく、だからといって、けなすわけでもありません。
ハッセルブラッドとともに過ごす時間について、いくつかの疑問と、いくつかの回答と、すこしの謎がちりばめられています。
そして、ハッセルブラッドで撮影された人々の笑顔も泣き顔も、ありきたりの風景や、時々訪れる偶然、
それらが、たくさんちりばめられています。
まるで、日々の生活こそが宝石箱であるかのように。
ハッセルブラッドの時間
日々の忙しい生活の中で忘れかけている「本当に求めているモノ」に気がつくことができる一冊かもしれません。
ハッセルブラッドのカメラは1号店B1にて扱っております。