【Leica】今日はどのズマール?
街も少し前のような活気を取り戻しつつある中、今度は梅雨…!皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回ご紹介するのはこちら
そう、ズマール。正式にはズマールL50mm F2。
ライカのスクリューマウントレンズでも描写の面白さとライカレンズとしては間口の広さで人気の高いこのレンズ。
面白さの中にも年代によったり、レンズ内の状態でも写りが大きく変わっていくオールドレンズの醍醐味を楽しめるところもポイント。
上の画像はニッケル鏡胴のズマールです。他にも後期のクローム鏡胴のものや、
最初期型の固定鏡胴タイプ(通称”ひょっとこ”)や熱帯モデルのTropen(実物は見たことありません…!!)等の希少モデルも存在。
一口に「ズマール」と言っても実は奥深い世界。ズマール道は一度入ってしまうとなかなか抜け出せません。
実際に店頭にあるズマールを試写してみました。ボディはLeica SL(Typ601)にSHOTENのSL/TL-Leica Mアダプタ・LMリング変換で使用。
撮影環境としてはちょっと意地悪な気候。しかしズマールはカラッとした快晴というよりは、「少し雨が降りそうだな」と
予感させる雲行きでしっとり使ってあげると、その妙味を存分に体験できます。特にモノクロ撮影のお伴として、開放付近での
コントラストの低さが階調性を豊富にしてくれることも。MモノクロームやM10モノクロームと合わせると極上の組み合わせ。
大きな違いが分かりにくい為、店内で試写しました。「ズマールといえばこんな感じ!」とお思いの方も多いかもしれません。
しかし…個体差によって写りも千変万化なのがこのズマールであり、なかなか「コレだ!」という一本に巡り合うには
非常に道のりも長かったり。
続いてもう1本のズマールです。印象が先ほどの画像に比べて柔らかく「オールドレンズ感」と呼ばれるイメージに近い写り。
私もズマールというとこの位の柔らかさのイメージが頭に浮かびます。
こちらもまた違う1本。1枚目の画像の印象に近い写りです。
これもまた違う1本。2枚目の画像の雰囲気をもう少し強くした印象。
梅雨時には丁度良い柔らかさと穏やかな階調です。個人的には一番好きなバランスの仕上がり。
同じく違うズマールで。恐らく一番コントラストが浅いのはこの個体かもしれません。
フレアの発生も恐らくこの個体が生じやすく、面白い1本。
こちらもまた違う個体ですが、バランスが良い一本だとは思います。
5枚目の画像のズマールで、屋外撮影。勿論開放です。
周辺の滲み方が雰囲気を強調しています。雨の日の夜に仄かな灯りの下で使うと非常に効果的にも見えます。
ズマールは以前にご紹介した”山崎磨き”と呼ばれる個体も存在します。
こちらは実用性も高く、写りもしっかりしています。ズマールといえば柔らかく”オールド感”あふれる写りという印象を
抱く人もいれば、本来の性能はもっと素晴らしいと前者の印象については懐疑的になる人も。
製造年は大体1933-40年…時代を考えると「どの写りが正解なのか」を知る人は今ではなかなか少ないと思うと、
ズマールに関しては自分が「コレだ!」と思った写りの個体を探し出す事が一番楽しめる方法です。
勿論当店で実際に試写も可能。ズマールというレンズが気になったら、是非お手持ちのボディでこのズマールの世界を
少しでも味わってみて下さい。ハマってしまうので注意!!