銀塩写真列伝 Kodak Ektar 100編
皆様、フィルムはお好きでしょうか。
筆者はフィルム写真を始めたとき、このフィルムはどんな写りをするのだろう。と雑誌やネット記事等いろんなものを読み漁りました。
好みのものを見つけては試写し、前回使ったものとここが違うと一喜一憂したりと大変楽しかった覚えがあります。
今回の「銀塩写真列伝」ではそんなフィルムに焦点を当て、各フィルムの特徴などを作例とともに紹介し、フィルム選びの助けとなることを目指しています。
世の中には期限の切れたフィルムを含めたくさんのフィルムがありますが、今回の連載ではマップカメラでお求めいただけるものに焦点を当てご紹介してゆきたいと思います。
例年はシルバーウィークでにぎわう頃ですが、今年は4連休となりました。
今年は一味違った過ごし方になるかと思いますが、フィルム入門の方も、すでにお使いの方も楽しんでいただければ幸いです。
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今回はカラーネガフィルム、Kodak Ektar 100をご紹介します。
世界最高の粒状性を持つKodakのプロフェッショナルフィルムのうちの一つです。
コントラストは高めで、はっきりくっきり写真を撮りたい方にはお勧めのフィルムです。
こってりとした色味でフィルムユーザーならば一度は使用したいフィルムであると思います。
フィルムカメラを使い始めた頃、何気なく手に取ったEktar 100。
メリハリの効いた描写、濃厚な色味に惹かれ、それ以来このフィルムにハマってしまいました。
フィルムカメラを始めたころの写真はEktar 100ばかりです。
このフィルムとの出会いがあったからここまでフィルムを好きになったのかもしれません。
親しい友人です。暑さでうなだれていますが、筆者を見つけると元気そうな姿を見せてくれました。
三重県鳥羽の牡蠣小屋の外に積んであった殻です。貝塚を彷彿とさせるほどの量があり、印象に残っています。
鳥羽の浦村は牡蠣が有名で、焼き牡蠣を楽しめる牡蠣小屋が点在します。筆者はもう見たくなくなるほど食べた思い出があります。
今回の写真は筆者が学生時代に愛用していたNikon FM10とNikkor-S Auto 35mm F2.8の組み合わせで撮影しています。「なんだかかっこいいから。」という理由でつけていた謎のレンズフードによって四隅がケラレていますが、この頃は何も気にせずそのまま写真を撮っていました。
学生時代はあまり旅費をかけずに、その分いろんなところへ旅行しました。
過去のネガをスキャンしていると当時のことを思い出します。
記憶しきれないことを補完する装置として、写真はとても素晴らしいものだと思います。
フィルムの色調は記憶のように淡い色でその時のことを記録してくれます。
落ち着いた雰囲気のある広島城、Ektarで撮影すると深みがでます。
高精細な描写もISO100のフィルムの魅力であると思います。
朝に低感度のフィルムを装填し36枚撮り終えるころには日も暮れ、高感度のフィルムに入れ替える。
一日を通してフィルムの入れ替えはリレーのバトンをつなぐようにも見えます。
Ektar 100はそんなリレーの最初のランナーとして、最高のスタートを切ってくれること間違いなし。
フィルムの切り込み隊長Ektar 100は旅情を暖かい色でスパッと切り抜いてくれます。