銀塩写真列伝 Kodak TRI-X 400編
皆様、フィルムはお好きでしょうか。
筆者はフィルム写真を始めたとき、このフィルムはどんな写りをするのだろう。と雑誌やネット記事等いろんなものを読み漁りました。
好みのものを見つけては試写し、前回使ったものとここが違うと一喜一憂したりと大変楽しかった覚えがあります。
今回の「銀塩写真列伝」ではそんなフィルムに焦点を当て、各フィルムの特徴などを作例とともに紹介し、フィルム選びの助けとなることを目指しています。
世の中には期限の切れたフィルムを含めたくさんのフィルムがありますが、今回の連載ではマップカメラでお求めいただけるものに焦点を当てご紹介してゆきたいと思います。
例年はシルバーウィークでにぎわう頃ですが、今年は4連休となりました。
今年は一味違った過ごし方になるかと思いますが、フィルム入門の方も、すでにお使いの方も楽しんでいただければ幸いです。
・・・
さて、今回はモノクロネガフィルム、「Kodak TRI-X 400」をご紹介します。
「TRI-Xで万全。」という言葉もあるほどオールマイティに使えるフィルムです。
なだらかな階調、ISOも400と非常に使いやすく撮影のシーンを選びません。一つはストックしておきたいフィルムです。
それでは、実際に使用しているスタッフの思い出や作例等も交えご紹介いたしましょう。
色のない世界へようこそ!
フィルムで白黒写真って難しそうなんてよく耳にしますが
光の濃淡を楽しむのもよし
切り絵のようなシルエットを切り撮るもよし、
光と影を操り楽しめます。
なんの変哲もない風景を切り撮ってもフィルム白黒写真だとなんだか味わい深い写真に感じます。
フィルムで撮影してみると現像するまでちゃんと写ってるかわかりません。
思った通りの構図になってるか・・・露出は?ピントは?
現像してみないと何が撮れているのかわからないわくわく感がたまらないです。
カラー写真と違い白黒写真は道具があれば自宅で現像が簡単にできます。
暗室で作業してこの写真は上手くいった、この写真はだめだった。
自分で現像するのも楽しいですよ!
暗室がない方はダークバックを使ったりお風呂場暗室や卓上暗室など
やり方はいろいろあるのでご都合に合わせてぜひチャレンジを!
(筆者は押入れ暗室派です・・・)
やわらかな陽の光をとらえています。
やさしい表現もこなせるまさに万能フィルムです。
金属のディティールもよく表現されています。
筆者はモノクロフィルムを使う際、少しアンダー目に撮影することが多いです。
重厚な黒の中でもしっかり諧調が保たれている点がお気に入りのポイントです。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8にて撮影しました。
ズマロンの切れ味もTRI-Xと相性が良いと感じています。よく使う組み合わせです。
フィルムを使っていると、明日は何を使おうか…と悩む日が訪れます。
そんな時はひとまず、黒と白だけで何でも表現してくれる、このフィルムを選ぶのがいいかもしれません。
迷ったらTRI-X、カバンに一つあると安心します。