【SONY】Movie Beginner’s Blog Vol.4 -記録方式-
Movie Beginner’s Blogでは、SONYミラーレスカメラを使用して、MENU項目や動画用語など、筆者が動画に関して分かりづらかった事や疑問点を中心にお伝えしていきます。
筆者のメインはスチル・写真撮影ですので、動画は初心者です。理解が大変だった点について、写真の設定に慣れている筆者目線で執筆していきたいと思います。
普段は写真しか撮らないが、これからミラーレスカメラや一眼レフカメラを使用して動画を撮影したいと思われている方へ、ご一読いただければ幸いです。
慣れている方にはお見苦しいところもあると思います。拙い文章であることにご理解いただければと存じます。
前回のVol.3は「フレームレート」についてお伝えしました。
自分が撮影したい動画の用途に合わせてフレームレートとモニターへの読み出しの方式を選択し、動画の仕上がりの形態を設定します。
ですが、実際に設定をする際に、選びたい項目が出てこない場合があります。そこで考慮しなくてはならない項目が「記録方式」です。
記録方式とは、解像度の違いやファイル形式の違いを指します。
私は「画質が良い方が綺麗なのは間違いないので、常に最高画質を選択すれば良いのでは?」と思っておりましたが、画質をよくすると逆にデメリットがあることがわかりました。
ですので、動画を撮影した後の用途によって、使い分ける必要があります。
上記の写真の通り、知らない人にとっては、わからない単語ばかりです。
写真しか使用していなかった筆者も、はじめてこの画面を見たときはどれにすればよいかさっぱり分かりませんでした。(前回のフレームレートも分かりづらかったです…。)今回はそちらをご説明できればと思います。
SONYミラーレスカメラで、主に使用できる記録方式は、以下の4つがあります。
・XAVC S 4K
・XAVC S HD
・AVCHD
・MP4(※現在多くのSONYミラーレスカメラでは項目自体がない記録方式です。)
機種によって、ある項目とない項目が分かれるかと思います。
まずは1番上に記載されている「XAVC S 4K」「XAVC S HD」。XAVCとは、SONY独自の規格ですので、他メーカーにはありません。
元々「XAVC」は業務用動画機材用に作られたプロ向けの規格であり、それを一般の機材でも使用できるようにした規格です。
「XAVC S」「AVCHD」「MP4」を比べ、一番高解像度で撮影することができます。(一番ビットレートが高くなります。)
そのあとについている「4K」と「HD」の違いは、解像度の違いとなります。
HDは、1920×1080
4Kは、3840×2160
上記の数字は、動画の解像度の違い、映像の細かさの違いを表す数字でして、動画の縦横のピクセル数を指しています。
一画面に表示できるピクセル数が多いということは、画面解像度が高いということになり、画面解像度が高くなるほど、よりたくさんのピクセルで映像の描写ができるため、きめ細かく繊細な動画になるのです。
ですので、数値が大きければ大きいほど、高解像度になるので、「XAVC S 4K」が一番高解像度、次が「XAVC S HD」となります。
(ちなみに、前回説明した「走査線」の話の数値はこれを指しており、数値が多ければ多いほど読み出さなければならない量が多くなるということです。)
その次の「AVCHD」は「XAVC S」よりもビットレートが低いですので、解像度を比較すると低いです。
ですが「AVCHD」は「XAVC S」よりもパソコン以外の機器の互換性が高いです。
「AVCHD」は、DVDに焼いたり、レコーダーで再生したりすることが優れていますが、「XAVC S」は基本パソコンやスマートフォンなどでの再生のみの用途となります。
最後の「MP4」は1番低い解像度になってしまいます。
実は「XAVC S」と「MP4」の保存形式は同じ「MP4」です。(「AVCHD」の保存形式は「AVCHD」です。)
ですので、上記と同じくDVDに焼いて再生などには適していないので、パソコンなどでの再生の用途に適してます。
保存形式が同じにも関わらず「XAVC S」と「MP4」の表記を分けている理由は、どのようにしてデーターを詰め込むか、データーの圧縮や変換などの方式が異なるためです。(倍以上ビットレートが異なることがあります。)
以上の4つの記録方式があります。動画を使用する用途によって保存形式を変更した方が良いことがお分かりいただけましたでしょうか。
(あくまでもビットレートは、選択することが出来ます。分かりやすくするために「ビットレートが低い・高い」を決めつけた言い方をしてしまっております。詳しくは次回お話したいと思います。ご理解頂ければ幸いです。)
そして、前回お話した「設定したいフレームレートが選択できない」などといった問題点は、どの記録方式を選択したのかが関連してきます。
例えば、α7Ⅲですと「XAVC S 4K」を選択すると
上記の内容、計4つが出てきます。
「XAVC S HD」を選択すると
1項目だけ表示できていないので、すべて見るには下にスクロールしなくてはいけません。
上記の設定、計7つ出てきます。
「AVCHD」を選択すると
上記の設定、計2つが出てきます。
このように「XAVC S HD」だけがフレームレート60pを選べたり、「AVCHD」が1番少ない選択肢であることなどが分かります。
ですので、自身がどのような動画を撮影したいか考慮をし、記録方式を選択する必要があります。
この内容はあくまでもα7Ⅲの内容です。機種によって表記される内容・対応しているスペックが異なりますので、機材選択も重要になることがお伝えできれば幸いです。
また、高解像度になればなるほど、データー量が多くなったり、再生機器に制限があったりするため、不便な面があります。
データー量が多いと、編集時や再生時に読み込みが極端に遅くなったり、フリーズしてしまったりしてしまうことがあり、そういった面からも「XAVC S 4K」ではなくあえて「XAVC S HD」を選択する方も多くいらっしゃる…ということになります。
(※今回ご説明したのは、SONY機での「記録方式」ですので、Panasonicなどの他メーカーを使用した場合は異なる表記方法となります。)
ちなみに、明日10/9に発売される「SONY α7SⅢ」。こちらでは新たな記録方式「XAVC HS」が登場します。
「XAVC S 4K」よりも高画質になったり、選べるフレームレートが増えたり、「XAVC S 4K」と比較してより低容量で記録できるようになるそうです。
今現在「Movie Beginner’s Blog」で説明した内容では、新たな記録方式「XAVC HS」の良さを語れないほど、専門的な内容が多く、動画の世界は奥深いです。
これからどんどん「ミラーレス一眼カメラ」で本格的な撮影ができる時代が到来してくるのでしょう。
筆者も並行して勉強しつつ「Movie Beginner’s Blog」でお伝えできればと思います。
では、次に「記録設定」の中にあるフレームレートの横に記載されている「〇〇M」という数値は一体何を示しているのでしょうか。
この数値は先ほどからちらっと単語だけ出てきている「ビットレート」というものを表す数値となります。
こちらを次回の「Movie Beginner’s Blog」でお話ししたいと思います。執筆まで今しばらくお待ちくださいませ。