「ライカビギナーの奮闘記」の2回目の使用レンズは、前回と同じく「ズミクロン35mm F2 ASPH. フードはめ込み式」です。
まだ新しいレンズを購入する余裕もなく、まずはこのレンズを使い尽くしてから次のステップに進もうという次第です。
前回の奮闘記を見た知人から「35mm派なんだね」と声を掛けられました。
ライカのレンズを購入するに際し、最初の1本を35mmにするか50mmにするかで結構分かれるとのこと。その知人は50mm派でした。
M型ライカはレンジファインダーという構造上、近接撮影が苦手で被写体を引き寄せるには焦点距離に頼らざるをえません。その点を踏まえ私も当初、ズミクロン50mmを検討しました。
しかし事前にM-10Pのファインダーを覗かせてもらった際に、よりファインダー枠を広く使える35mmの方が使いやすそうな印象を受けたこと、
高精細なデジタル画像はトリミングにも耐えられる。という考えから35mm案が浮上しました。
そして最後は私の持論「二者選択で迷ったら高い方を買え!」です。
万が一失敗したと思っても、高い方から安い方への買い替えなら比較的容易に行えますから。そもそも予算をはるかに超える高額商品(アポズミクロン)は最初から選択肢にない訳で…。
さて前置きがながくなりましたが、今回は浅草界隈を散策してきました。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/180秒 / F6.8 / ISO 100
まずは浅草のランドマーク浅草寺の雷門から。
晩秋の強い日差しが大きな明暗差を生みます。前回同様、明るい場所でのピント合わせに苦戦しながらシャッター切りました。
本カットではシャドウ部はしっかり描くのに対し、ハイライト部は少し白トビ傾向がある印象を受けました。ピントの合わせやすい暗部にカメラを向けたことが要因かもしれませんが、元々シャドウ部の表現力が高いのがライカの特徴というイメージを持っていたので、今後はそれらを意識しながら露出を決めようと思います。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/1000秒 / F4 / ISO 100
訪れたのが東京都のGoToトラベルが始まる前だったこともあり観光客は少なめ。その中で一際目立つのが記念撮影を楽しむ着物姿の女性達です。
神社仏閣を巡ると自然と過去に戻った気分になりますが、彼女達のおかげでよりその印象が強く残ります。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/3000秒 / F4 / ISO 100
隅田川沿いに出てきました。橋梁を渡る列車の音に反応し橋の方向を見ると、線路脇に新たな歩道が作られているのを発見しました。
思い返せば浅草に来るのも数ヶ月ぶり。街の変化の早さに驚きます。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/3000秒 / F2 / ISO 100
「すみだリバーウォーク」と名付けられた新しい歩道橋は、東武スカイツリーラインの高架下に設けられた商業施設と繋がって、浅草とスカイツリーを結ぶ新たな導線となっています。
すぐ横を鉄道が走っていることもあり、鉄道好きの身としては楽しい撮影スポットになりそうです。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/500秒 / F2.8 / ISO 100
またこの新しい橋にはスカイツリーの公式キャラクター「ソラカラちゃん」が2箇所隠れているとのこと。警備の人にヒントを聞いて探してみました。
少し分かり辛いですが画面中央部、梁の角に1つ目を発見。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/500秒 / F2 / ISO 100
2つ目はウッドデッキの隅に見つけることができました。
いずれも歩道から柵越しの外側にあり、35mmレンズでは少々撮りづらい場所にありました。「もう少し焦点距離が欲しい…」早くも次の物欲が抑えられなくなってきました。
2カット共金網の隙間にレンズを押し当てて撮影したのですが網の目が小さく、玉状のボケが映り込みました。2カット目は絞り値が開放のF2だったため綺麗な円形になりましたが、1カット目は少し絞ってしまったため多角形状のボケになりました。絞り羽根11枚の現行ズミクロンだったらどんな形になったのか?気になり出したら止まりません。
ちなみにソラカラちゃん探しのヒントは「橋桁付近を探して」でした。4カット上の橋の全景を改めて見ていただくと橋には2本の橋桁があることが分かります。それぞれに1つずつありましたので、お時間に余裕があれば挑戦してみてください。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/100秒 / F4 / ISO 100
ライカデビュー前はニコン機で鉄道ばかり撮っていた筆者。1度電車にカメラを向けたら昔の習性が呼び起こされてしまいました。
一見、レンジファインダーのマニュアルカメラでは不向きに思える動く被写体ですが、必ず線路の上を走る列車は置きピンでピント合わせ、列車が近づいてから連写すればまず失敗はありません。
想定外の物にAFが反応しない分、安心してシャッターが切れます。そして約5コマ/秒の連続撮影機能も便利。意外と鉄道写真向けの機材なのかもしれません。
そう言えば、有名な鉄道写真家さんもニコンからソニー、ライカと機材の幅を広げているようですし…。
使用機材:Leica M10-P +SUMMICRON M35mm F2 ASPH.(第4世代) 1/4000秒 / F2 / ISO 100
最後にもう1枚、スカイツリーと特急列車を撮影して本日の撮影は終了です。
前回、今回と「ズミクロン35mm F2 ASPH.」を使って感じたのは、開放から本当にシャープに写るということ。今回はシーンに応じて絞りを変化させましたが、周辺減光が軽減されるだけで、解像感の違いを感じることはできませんでした。最初の1本としては使いやすいレンズに巡り合うことができたようです。
己れの腕(技術)の足りなさと視力の悪化という壁はありますが、楽しい気分で撮影ができるのはなにより。まだまだ奮闘記は続くことになりそうです。