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Leica MレンズをAFで使用してみる。

手がかじかむ季節となってまいりました。

この季節になると、写真を撮りたいという気持ちと、寒いからいいか…という気持ちをついつい天秤にかけてしまいます。

そんな中の折衷案として、さっと写真を撮る事ができる便利なカメラを使う事に落ち着いています。

しかし、筆者が今年の冬を共にするLeicaのMレンズは便利な機能などついていません。

今年はゆっくり冬眠しようと思っていましたが、

実はそんなMレンズをAFで使用する事が可能なのです。こたつを出て寒い冬でも写真を撮ることが出来るのです。

残念ながらMマウントボディでは使用できませんが、SONYのミラーレス一眼と、とあるマウントアダプターによってそれが可能となります。

その名も「TECHART マウントアダプター LM-EA7」

このアダプターはLeica MレンズをSONY Eマウント用カメラに取り付けるためのものです。

レンズ取り付け部が電動で動くようになっています。つまりマウントアダプター自体が伸び縮みすることでAFを可能とするのです。

アダプターが伸び縮みしてくれるため、基本的にレンズは無限遠の状態で使用します。

「レンズにAF機能が付いていなければ足してあげればよい。」という発想がとても素敵だと思います。

ですが、やはり重要なのはその性能。せっかくAFが使えるようになったとしても使い心地がよくなければ使うメリットはなくなってしまいます。

実用的なAFの速さではないだろうとと思っていたのですが、びっくり仰天。

とてもスムーズにピントが合うのです。全くストレスを感じません。

瞳AFも使用する事ができ、往年の銘玉が現代的な性能のレンズとして使用する事ができます。

こちらのブログではAFでLeica Mレンズを使用した所感をお届け出来ればと思います。

・・・

さて、今回は数あるLeicaレンズの中から、

ズミルックスM 35mm F1.4 2ndアポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.タンバール M90mm F2.2

の3本をチョイスしご紹介していこうと思います。

ボディはSONY α7Ⅲを使用しています。

像面位相差AFが搭載されているα7Ⅱ以降のボディでの使用がおすすめです。

まずはクセ玉としても名高いズミルックスM 35mm F1.4 2ndからご紹介。

装着してみると本体とのバランスも丁度良く、α7Ⅲによく似合います。

お散歩に出かける際のスナップ撮影に丁度良いサイズ感です。

絞り開放ではハイライトの滲みを楽しむことが出来ます。

もちろん絞ると滲みは改善されていくため、2つの顔を楽しむことが出来るレンズと言えます。

芯がありつつもふわりと滲んだ描写が綺麗です。

筆者はフィルムカメラのM4を使う事が多く日中に開放F1.4を楽しめるシチュエーションがそう多くありません。

今回は高速シャッターを切ることが可能なα7Ⅲ、いつも中々使えない開放値での撮影はとてもワクワクしました。

Mレンズを片手で、そしてAFを使用して撮影できるということにとても感動しています。

涙…ではなくレンズの特徴的な滲みでした。逆光では輪郭がぼやけて印象的な描写になります。

次にアポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.です。

現行のLeica Mレンズの中でも格別の描写性能を誇るアポズミクロン。

最高峰の描写力を持ちながらもコンパクトというとても洗練されたレンズです。

絞り開放でこのシャープさ、透き通るガラスが繊細に表現されています。

今までほとんど気に留めなかったクリスマスのオーナメントもなんだかとても素晴らしいものに見えてきます。

前ボケに入れても自然な写り、場所を選ばずに撮影することが出来ます。

ズミルックスM 35mm F1.4 2ndとはまた違った楽しみ方を教えてくれるレンズです。

AFも問題なくサクサク合ってくれます。冬も楽しく撮影を行えそうです。

そしてタンバール M90mm F2.2

このアダプターを使用する際は500gまでという重量制限があります。

タンバールは丁度500g、少し支えれば問題なく動きましたが、フォーカス時のレンズ繰り出しがアダプターの伸び幅よりも大きい為全範囲でのAFは使用できません。

レンズを繰り出す代わりにアダプター側が伸び縮みするため、繰り出しの伸びしろが大きいレンズではアダプターの動きで賄えなくなってしまうのです。

MFで多少追い込んでAFを使用するという事も可能ですが、今回はMFにて撮影をしました。

LM-EA7は通常時AFモードになっていますが、「再押しAF/MFコントロール」を操作したのちに、絞りをF36に設定しシャッターを切る事でヘリコイドが縮んだ状態で固定されます。ちなみにF40でシャッターを切るとヘリコイドが最大まで伸びた状態で固定することが出来ます。

筆者はカスタムボタン3に「再押しAF/MFコントロール」を割り振り上記の操作をしました。

さっと取り出してAFで撮影するという目論見からは外れましたが、α7Ⅲのフォーカスピーキング機能やピント拡大機能も相まってかなりスムーズに使用することが出来ました。

輪郭がふんわり、じんわりと滲んで独特な描写です。タンバールを使っている喜びを感じさせてくれます。

眼をこすりたくなるような、まるで夢のような写りです。ソフトフィルターとはまた違った、タンバールだけが持つこの描写。アダプターを介して他のボディで楽しめるというのは非常に嬉しい事です。

LM-EA7はLeica Mレンズをより楽しく使う可能性を見出してくれるアダプターでした。

ボディをお持ちの方には是非お試しいただきたいです。

[ Category:Leica SONY | 掲載日時:20年12月03日 18時56分 ]

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