写真を愛好されている方は、「これが撮りたい!」や「これなら上手に撮れる!」といったような自分の「撮影スタイル」を大切にされている方も多いと思います。
写真を初めてやっと一年ほどになった筆者はいまだに、これが得意!と胸を張って言えるものが見つからないのですが
「スナップ撮影」の偶発的、刹那的なフィーリングが性に合うようで段々と傾倒していっています。
街撮りをメインにしたいと考えた時、やはりカメラは軽量であることがいいなと思った事を発端に
その後も色々と情報を集め、『SIGMA dp0 Quattro』を自分の「瞳」に選ぶことにしました。
奇抜な形状、と最初は驚いたものですが握ってみると本当に「しっくりくる」のです。
ファインダーがない事にデメリットを感じるときも稀にありますが、出てくる画を見れば苦労のかいがあったと嬉しくなります。
その階調表現には毎度驚かされます。撮影時に気付かなかったものに、帰宅してPCに読み込んでから気付くという事もありました。
F値は開放F4とやや暗め、陽が落ちると撮影も難しくなってくるのですがシャドウにどんな情報が詰まっているだろうと楽しくもなるのです。
フルサイズ換算で21mmという「超広角」とされるレンズ。しかし、歪みが本当に出ないのです。
大きな建造物は人間の叡智の結晶、それを軽快に自分の画角に収めていく背徳的な行為は本当にクセになるものです。
21:9の世界をスナップ撮影に持ち込むことは、最初は難しく感じていたのですが3:2よりも制約された範囲に、見えるものと見えないものを配置する愉悦に一度気付いてからは病みつきです。
モノクロという手法は、色を遮断することで被写体を形成する光と影から見ている人に物語を紡がせます。
このコンビネーションは情報であふれかえる現代において、自分の価値観を形成する愉しみの一つとなりそうです。
あまり深く考えずただただ、歩く。その中で飛び込んできたモノに自分の「瞳」を向けて、サッと瞬きを切る。
まだまだ未熟ではありますが、これからもスナップ撮影をどんどんやっていきたいです。