【Strobe】初めてのストロボ撮影・第一章
前回の序章ではストロボ撮影におけるクリップオンの基本的な用語解説を中心にお話を書きました。
次は、実際に撮った写真を交えどの様に写るかチェックしたいと思います。
【TTL編】
MODE:TTL/照射角:24mm/焦点距離:35mm/F値:F4/ISO:100/SS:1/250
このTTLは被写体と1mほど距離を取って照射しました。この時は1.0m~7.0mが照射範囲なので、光が適切に被写体に当たっています。
MODE:TTL/照射角:24mm/焦点距離:35mm/F値:F4/ISO:100/SS:1/250
これは、被写体に近付きすぎた作例です。近いため今回は光が被写体の上に照射され、範囲外になってしまっています。
【MANUAL編】
MODE:MANUAL/照射角:24mm/焦点距離:35mm/F値:F4/ISO:100/SS:1/250
今回はマニュアルで光量を自分自身で調整を行いました。光量は1/256にしました。
MODE:MANUAL/照射角:24mm/焦点距離:35mm/F値:F4/ISO:100/SS:1/250
ピントが外れてしまったのは気にしないでください。今回は光量を1/16に設定しました。見ての通りオーバーで被写体が白飛びしています。
【MULTI編】
MODE:MULTI(2Hz、5Times)/照射角:24mm/焦点距離:35mm/F値:F4/ISO:100/SS:10Sec(BULB)
作例のは二秒ごとに1/256の光を5回照射するように設定しました。室内の光源の影響で少し白く飛んでいます。
マルチを使う際は光源を極力減らすかF値やNDなどで弱めてから行います。主な理由としては、マルチ発光のメインの撮影の組み合わせは長時間露光が多いからです。
速いシャッタースピードでマルチ発光を行うことはできますが、それでは殆ど意味がありません。
ここまでの作例写真を見て、お気付きの方もいらっしゃると思いますが【光の当たり方が固い】とか【平面的で立体感が無い】と思いませんか?
ストロボの光を直接正面から当てると影のクッキリとした、いわゆる固い写りの写真になります。
光を柔らかくしたい...立体感を出したい...そこで使われるのが【バウンス】と言われる方法です。
やり方は単純なのですが、ストロボのヘッド部分を反射させたい方向に向けます。このソニーのストロボだと下記のように動きます。
バウンスは発光した光を壁や特定の物に反射させて、光を拡散させる方法です。使用条件は反射させる物が白いことです。
左が白いものにバウンスさせて撮った作例で、右は正面から当てた物です。
赤い丸の部分の影が滑らかなグラデーションになり緩やかに黒色が濃くなっていきます。
色が付いたものにバウンスさせてしまうと、その色の影響を受けてしまうので白が推奨です。
左:白いコピー用紙にバウンス 右:赤い紙にバウンス
黒にバウンスもあまりオススメしません。黒は光を吸収してしまうので狙った効果が出にくいです。
あと、天井や壁の無い屋外でやっても全く意味がありません。
では、天井や壁の無い屋外ではバウンス撮影が出来ないかと言われるとそんなことはありません。
ストロボに拡散させるボックスなどを取り付けることでバウンスさせるもしくは拡散光を作り出すことが出来ます。
付属で拡散用のフィルターが付いている場合もありますが、無い場合は他の汎用アクセサリーを使うことが出来ます。
弊社で扱っている物の中で代表的なのが【ROGUE FlashBender】のシリーズです。
付属のベルトでリフレクターやボックスをクリップオンライトに巻き付けて使います。これであれば、屋外等でも使うことが出来ます。
(巻きつける幅に制限があるので使えるストロボは要確認)
全く同じものを筆者は持っておりませんが、近い道具を使い比較したいと思います。
当てる位置、光量、照射角は全く同じにしています。
左:拡散させるボックスを付けた作例 右:そのまま直当て
光を当てる面が増えた分、被写体に満遍なく光が当たっているのと影が柔らかい印象を受けます、その分拡散しているので直当ての物より奥に到達する光は弱まっています。
こういった拡散する道具を使う際はこういった部分を考慮に入れて使う必要があります。
さらに、クリップオンライトにはもう一つ使い方があります。
この白い板を【アイキャッチレフ】や【キャッチライトレフ】【キャッチライトパネル】等など...メーカーによって名称は様々あります。
この白いパネルの目的は「キャッチライトを入れる」為に使います。人の目に白い点が入っている状態のことです。
左:アイキャッチレフあり 右:無し
使い方はストロボを上に向けて先ほどの画像のレフを引き出して使います。
有りと無しとでは大きく変わります。無い写真は明るい雰囲気のポートレートやお子様の撮影などでは致命的なミスとなりますので注意が必要です。ただし、あまり被写体と離れすぎていると効果が弱かったりします。
ここで第一章は以上になります。
第一章でクリップオンで行える撮影は粗方ご紹介出来たのではないかな、と思います。
次回は狙った場所から光らせる【オフカメラライティング】について書いて行きます。