【Canon】EF85mm F1.2L II USMは世界最高のシンデレラレンズ
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は本当に色々な事が変化した年となり、その一つ一つに対応していくため色々な事を考えさせられました。
願わくば、2021年は平和な一年になりますよう…。
さて、1月のブログテーマである「◯◯ではじめよう」ですが、今回○○に入るのは「EF85mm F1.2L II USM」です。
筆者がこのレンズを購入したのは2019年12月。思い切ってショッピングクレジットで新品をゲットしたことを昨日のことのように覚えています。
昨年ついに新品は生産完了となり、現行期間14年という月日に幕を閉じました。(1型から数えると更に長い年月に…)
手に入れてから一年間使い込み、このレンズの素晴らしさがだんだん解ってきました。
その魅力を、作例と共にご紹介いたしますのでどうぞお付き合いくださいませ。
まずは開放1.2のカットをご覧ください。
使用したカメラがEOS 6D Mark IIなので、最高シャッタースピードは1/4000までしかなく、このように露出オーバーになる事がままあります。
しかしながら開放で使うと周辺光量落ちが激しいため、「中央は白飛びするが四隅は適正(に近い)露出になる」という特徴が。これを利用し青空を撮ると、白昼夢の様な雰囲気が手軽に出せます。
ボディ側の周辺光量補正はオフにして、どんなシーンでも開放でガンガン撮るのがおすすめです。
こちらはf1.6まで絞ったカット。被写体までの距離は7~8mくらいだったと思います。
このレンズは中距離から立体感・解像力が一気に増すため、出来れば7~10mは離れて使いたいところです。
手押し車が浮き上がる様な、素晴らしい立体感が見て取れますね。
こちらはf8のカット。
このように平面的な被写体を近距離で撮る場合は、少なくともf5.6程度まで絞ってあげるとよいでしょう。
(開放付近の周辺画質はかなりソフトで、特に近距離撮影時はオールドレンズのように四隅が滲んでいく為)
全域で均一な描写力を発揮してくれるようになるので、かなりカリカリな描写が楽しめます。
このカットはf5です。
EF85mm F1.2L II USMは、曇天時のフラットな光の下で最高の実力を発揮するように思います。
色乗りもよく、晴れの日には開放付近で目立つ軸上色収差も気にならなくなりますし、平面的になりがちな遠景を撮っても、浮世絵の様な独特な奥行き感を演出してくれます。
勿論冒頭で申し上げましたように、絞り開放、晴天も楽しいのは言わずもがな。
しかし「性能を発揮するシーンはどこか」と聞かれると、筆者は曇天だと思うのです。
これは開放f1.2で、木陰から炎天下の車を撮影したものです。
ミラーボックスの形にフレアが出ているのが面白いところです。
私自身が炎天下の下へ出るとこのようなフレアは出ず、比較的落ち着いた描写になりました。
この写真のように思いきり暴れてほしければ、「日陰に入ってから炎天下のものを撮る」様にすると良いでしょう。
最後はf9で遠景のカットをご覧いただきましょう。山あいに現れた天使の階段を美しく描いてくれました。
このように明暗の差が多いときでも、ちゃんと絞ってあげれば繊細な光を掬い取ってくれます。
「曇天でしっかり写る」ということは、もともと「繊細な光に対してしっかり反応できるレンズ」であることは想像に難くありませんが…。
実際に撮影して、この眼で見てみると嬉しくなるものです。
さて、いかがでしょうか。
現行のミラーレス用大口径レンズと比べると癖が多く、「開放から四隅までイケイケドンドン」というわけにはいきません。
しかしながら時間をかけてじっくりと向き合うと、だんだん「使い方」が解ってくる。そして「使いこなせ」てくる。
最新機材では味わえない、「達成感」が味わます。
このレンズをご検討中の方、是非とも手に入れて、そして使ってみてください。
美しい景色に出会った時の「このシーンだけは絶対に決めたい!」というそのお願い、シンデレラレンズが叶えてくれるかもしれません。