【PICTORICO】高級写真用紙と一般的な写真用紙の違いを比較してみた
皆さま、最近撮影した写真を印刷していますか?
筆者は撮影した写真を印刷することが好きですので、自宅で気に入った写真を印刷する機会が多くあります。
デジタルで撮影した写真を印刷するのに必要最低限な物は、プリンターと写真用紙。
印刷する上でプリンターと写真用紙にこだわるのは非常に大切なことです。
こだわって色味等を調整したにも関わらず、印刷した写真の色味が全く異なる…なんて結果を招いてしまうかもしれないからです。
今回は、写真用紙にこだわる大切さをお伝えできればと思います。
使用する写真の元データーはこちら。
FUJIFILM X100Fで撮影した河津桜です。
JPEGでの撮影ですので、撮って出しのまま印刷をしました。
使用した写真用紙は「ピクトリコ」の「ホワイトフィルム」と「コットンペーパー」。
「ホワイトフィルム」は光沢紙で最高峰と呼ばれる高級写真用紙。
「コットンペーパー」はコットン100%の素材を使用した上質な写真用紙。光沢がないマット紙と呼ばれる用紙です。
全く材質が異なるピクトリコの写真用紙をチョイスしました。
今回はピクトリコの写真用紙よりも、おおよそ定価の1/5程度の値段で購入できる市販の光沢紙とマット紙の写真用紙を使用し、印刷結果に違いが出るのかを比較しました。
それぞれの用紙専用のICCプロファイルを使用し、市販の写真用紙はPhotoshopにデフォルトであったICCプロファイルを使用してます。
まずは中央部の拡大写真をご覧くださいませ。
↑ホワイトフィルム(光沢紙)
↑コットンペーパー(マット紙)
↑市販の安い光沢紙
3枚を連続して並べてみました。
コットンペーパーの質感や、青空の色の濃さ、桜の階調などの違いが見受けられます。
左:市販の安い光沢紙 右:ホワイトフィルム
上記の写真の比較だと、桜の階調の違いがよくお伝えできるかと思います。
左の写真用紙だと、桜の色はまるで1色のピンク色しかないように見え、コントラストが低い写真です。
対して、右の写真用紙だと影の部分などがはっきりと描かれ立体感を感じ、コントラストが全体的に程よく高い写真であることがわかります。
おしべと呼ばれる黄色の部分も色の出方が異なり、それにより印象が違って見えてきます。
左:ホワイトフィルム 右:市販の安い光沢紙
上記の比較では空の色が違うことはすぐお分かり頂けるかと思いますが、何よりお伝えしたいのは、ボケている電線部分です。
左の写真用紙は、ボケているにも関わらず、しっかりと黒色で表現してくれてます。
対して右の写真用紙は青色のような色になってしまい、空の色と似たような色合いとなってしまいました。
電線の色は黒色だと思いますので、左のように表現してくれるのが理想的です。
左:市販の安いマット紙 右:コットンペーパー
上記の比較はマット紙での比較。マット紙は元々彩度が低いですが、左の写真用紙は明らかに鮮やかさが失われてしまい、濁っているような印象を受けます。
対して右の写真用紙は色の濃さを抑えつつも、程よい発色の仕上がりとなりました。
左:ホワイトフィルム 右:コットンペーパー
最後はピクトリコの写真用紙同士の比較をしてみました。
全体的に色の発色が異なり、木の枝の色の濃さが違うことが分かります。
色鮮やかで華やかな雰囲気を作りたいときは光沢紙、落ち着いた優しい雰囲気を出したいときはマット紙…など、自身の写真の完成イメージ・作風によって用紙を変える必要があります。
いかがだったでしょうか。
写真用紙によって、色の発色や再現力が異なり、同じ写真でも完成イメージが変わることがお伝えできましたでしょうか。
ピクトリコの写真用紙などといった高級写真用紙は1枚1枚の値段が割高なので、印刷するすべてに使用することは現実的ではないです。
試しとして印刷する場合はコストパフォーマンスが優れた安い用紙を使うかと思います。
ですが、作品として写真を残す時や他者に写真を見せる時などの本番プリントの場合は、写真用紙の個性や自分好みな用紙を選択し正しいやり方で印刷することで、その写真の魅力がより一層相手に伝えられるかと思います。
写真データーを好みな作風に仕上げても、他者が最終的に写真の良し悪しを判断するのは写真用紙に印刷された実物です。
ですので、データーの仕上がりを気にするのと同じぐらい印刷にも気遣う必要があります。
皆さまもぜひ写真用紙にこだわって、ご自身で印刷を楽しんでみてはいかがでしょうか。